太陽光発電
2024/11/27
家庭用太陽光発電と風力発電の違いは?始めるならどちらが良いのか分かりやすく解説
ご自宅で再生可能エネルギーを用いた発電を導入する場合、家庭用太陽光発電のほかに家庭用風力発電も選択肢に上がります。 ただし、家庭用太陽光発電に比べると家庭用風力発電は導入のしやすさやメンテナンス、初期費用などの点で大きな違いがあるので、事前に知っておくと良いでしょう。
そこで今回は、家庭用太陽光発電と家庭用風力発電の違いを解説します。ぜひ最後までご覧ください。
家庭用太陽光発電とは?
家庭用太陽光発電は、住宅の屋根や庭に設置された太陽光パネルで太陽の光エネルギーを電気に変換し、家庭内で利用するものです。
再生可能エネルギーとして、環境負荷を軽減しつつ、電気料金の節約にもつながるなどのメリットがあります。
特に昼間の電力使用量が多い家庭では、発電した電力を即座に活用することで、電力会社からの購入量を抑えることが可能です。さらに、余った電力を電力会社に売電することで収益を得ることもできます。
家庭用風力発電とは?
家庭用風力発電とは、風の力を利用して発電機を回して電気を生み出す装置で、自宅の敷地に設置して利用するものです
太陽光発電と同じ再生可能エネルギーで、環境負荷の軽減や電気料金の節約などのメリットを得られる可能性があります。
風が吹けば夜でも発電が可能で、一定の条件下でなら電力会社に申請を出さずに設置することが可能なため、導入を検討する人は少なくありません。
家庭用太陽光発電と家庭用風力発電の違い
家庭用太陽光発電と家庭用風力発電は、どちらも再生可能エネルギーで発電していますが、次の表のような違いがあります。
家庭用太陽光発電 | 家庭用風力発電 | |
---|---|---|
自家消費と売電 | どちらも可能 | 自家消費のみ |
導入と運用のしやすさ | 事業者に依頼する | ご自身で行う |
設置場所 | 屋根の上 | 開けた場所 |
発電効率 | 20%前後 | 20%~40% |
初期費用 | 100万円前後 | 5万円~10万円 |
メンテナンス | 少ない | 多い |
発電音 | 無音 | 音がする |
補助金 | 充実している | 少ない |
上記の違いを順番に解説します。
自家消費と売電
政府は再生可能エネルギーを用いた発電方法で発電した電力を買い上げる制度を行っています。太陽光発電システムや風力発電で発電した電力も対象です。
しかし、家庭用太陽光発電で発電した電力は販売代理店や事業者が購入する仕組みが確立していますが、家庭用風力発電の売電は記事執筆時点では整っていません。
事業者が完全に事業や投資目的で設置するならガイドラインはありますが、現時点で家庭用風力発電は自家消費しか選択肢がないです。
また、家庭用太陽光発電で発電した電力も全て売ることはできないので、自家消費と売電のバランスを考えることが重要になります。
- 家庭用太陽光発電…自家消費と売電
- 家庭用風力発電…自家消費
なお、過去に比べると売電価格は下落しているため、現在は自家消費の割合を増やして電力会社から購入する電力量を減らしたほうが、家計の節約に役立つと考えられています。
導入と運用のしやすさ
家庭用太陽光発電は、販売業者から機器の購入と設置を依頼すれば、あとの手続きはすべて整っているので、比較的導入しやすいです。
一方、家庭用風力発電は、家庭用太陽光発電のように購入から設置までのガイドラインが設定されていないので、ご自身で次のポイントを確認しつつ進めるしかありません。
- 自治体の条例
- 設置場所の検討
- 設置する家庭用風力発電の選定
- 設置作業
- 運用とメンテナンス管理
小型の風力発電はネットショップで販売されているので、購入することは問題ありません。
しかし、住んでいる自治体によっては景観に関するルールで高所に風力発電を設置できない、あるいは申請が必要とされる場合があります。
また、風力発電は年間を通じて一定以上の風速の風が吹いていないと安定した発電量を見込めない、周辺に山や防風林があると風が遮られてしまうなどのデメリットがあるため、設置場所も重要です。
さらに、家庭用風力発電の場合、設置作業はご自身で行うことを求められるケースがあり、運用やメンテナンス管理なども行わなければなりません。
- 家庭用太陽光発電…事業者に依頼する
- 家庭用風力発電…ご自身で行う
導入や運用のしやすさなら、間違いなく家庭用太陽光発電のほうが優れています。
設置場所
基本的に、家庭用太陽光発電は屋根の上に設置することが多いです。
屋根の上にはある程度開けたスペースがあり、周りの環境にもよりますが影が差しにくいので太陽光を浴びやすいなどのメリットがあります。
一方、家庭用風力発電は屋根の上に設置すると倒れてしまうリスクがあるので、基本的に庭やベランダなどの開けた場所に設置することが多いです。
- 家庭用太陽光発電…屋根の上
- 家庭用風力発電…庭、ベランダ、屋上など
太陽光発電は屋根の上にあるので、日常生活で視界に入ったり、邪魔になったりすることはありません。
しかし、家庭用風力発電は視界に入りやすく、邪魔になりやすい場所に設置する可能性があると覚えておきましょう。
発電効率
発電効率とは、エネルギーを電気変換できる割合を示したものです。100のエネルギーに対して10の電気を生み出すなら、発電効率は10%になります。
家庭用太陽光発電の発電効率は20%前後で、家庭用風力発電は20%~40%と高い数値を維持しています。
- 家庭用太陽光発電…20%前後
- 家庭用風力発電…20%~40%
ただし、家庭用太陽光発電は雨や曇りの日には発電効率が著しく低下し、家庭用風力発電は一定の風速の風が常に安定して吹いていないと発電効率が下がってしまう可能性は高いです。
そのため、発電効率を重視するよりも、どちらの方が安定して発電できるのかという視点で検討したほうが良いでしょう。
初期費用
家庭用太陽光発電の設置費用は1kWあたり約26.1万円です。5kWの家庭用太陽光発電システムを設置した場合、約130.5万円かかる計算になります。
実際の初期費用は販売業者によって異なり、補助金を使えば100万円を下回る可能性もありますが、基本的に家庭用太陽光発電の初期費用は高額です。
一方、家庭用風力発電は商品によりますが5万円~10万円で購入できます。
- 家庭用太陽光発電…100万円
- 家庭用風力発電…5万円~10万円
初期費用だけで考えると、家庭用太陽光発電よりも家庭用風力発電のほうが抑えられています。
ただし、家庭用太陽光発電は売電が可能です。FIT制度により、設置してから10年間は固定価格で買い取ってもらえるため、売電収入や自家消費による電気料金の削減などを考えると、初期費用で支払った分を回収できる可能性があります。
メンテナンス
家庭用太陽光発電のメンテナンスは法的義務ではありませんが、4年に1度の定期点検が推奨されており、事業者に依頼して行ってもらいます。
基本的に、太陽光パネルは可動部が少ないため、20年以上使用できる機器です。ケーブルやパワーコンディショナーなどは10年~15年が目安ではありますが、定期点検でチェックしていれば、急に壊れたり、動かなくなったりする可能性は低いです。
一方、家庭用風力発電は可動部が多いため、月1回以上の頻度で、目視での点検を行う必要があります。
- 家庭用太陽光発電…4年に1回
- 家庭用風力発電…1カ月に1回以上
家庭用太陽光発電の場合は事業者に依頼できますが、家庭用風力発電の場合はご自身でメンテナンスをする必要があると覚えておきましょう。
発電音
家庭用太陽光発電はパワーコンディショナーや電力量計などが稼働する音はありますが、基本的に発電中に音はしません。
一方、家庭用風力発電はプロペラが回る音や機器が稼働する音などが大きいため、人によってはうるさいと感じる可能性が高いです。
- 家庭用太陽光発電…無音
- 家庭用風力発電…音がする
家庭用風力発電は庭やベランダなどに設置して運用するため、周りの住人に聞こえてしまう可能性があるので、注意しましょう。
補助金
政府は家庭での再生可能エネルギーの導入を推奨しており、特に家庭用太陽光発電の導入に力を入れています。
住んでいる自治体によって異なりますが、10万円前後の補助金を貰えるケースが多く、家庭用太陽光発電の導入の際におすすめです。
一方、同じ再生可能エネルギーを用いる家庭用風力発電への補助金は多くありません。
ただし、北海道厚真町の「フォーラムビレッジ建築助成金」のように、自然エネルギー発電装置等クリーンエネルギー施設の設置で補助金を貰えるケースがあります。
- 家庭用太陽光発電…充実している
- 家庭用風力発電…少ない
家庭用風力発電の補助金は全くないというわけではありませんが、補助金の金額や種類が充実しているのは家庭用太陽光発電です。
家庭用太陽光発電と家庭用風力発電のどちらを始めると良い?
結論から申し上げますと、始めるなら家庭用太陽光発電がおすすめです。
家庭用風力発電は初期費用が抑えられており、発電効率が高いことがメリットではありますが、導入の難しさやメンテナンスの必要性、音などの面で家庭用太陽光発電に劣っています。
また、日本の住環境や立地などを考えると、家庭用風力発電を設置するよりも、家庭用太陽光発電を設置したほうが面倒や手間がかかりません。
家庭用太陽光発電を設置する際のネックは初期費用の高さではありますが、上述したように、補助金を受け取りやすく、FIT制度による固定価格での売電が可能です。
ご自宅の状況や希望、予算に合った適切な家庭用太陽光発電を設置すれば、10年以上かかりますが初期費用を回収でき、以降は電力会社から購入する電力量の低下による電気料金の削減効果を得られます。
まとめ
以上が、家庭用太陽光発電と家庭用風力発電の違いの解説になります。家庭用風力発電にも優れたポイントは幾つかありますが、総合的に判断すると家庭用太陽光発電のほうがおすすめです。
ただし、家庭用太陽光発電は初期費用が高額で、住宅の向きや形状によっては設置に制限がかかるので、ある程度の専門知識や経験がないと効率の良い発電は行えません。
「エコ突撃隊」では、専門知識や経験が豊富なスタッフが対応いたします。家庭用太陽光発電に興味がある方は、ぜひご相談ください。
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