オール電化
2024/01/23
給湯省エネ2024事業とは?知っておきたいポイントや2023年に行われた事業との違いなどをわかりやすく解説
2023年12月27日、給湯省エネ2024事業の公式ホームページがオープンされ、事業者の登録も開始されています。2023年に行われた給湯省エネ事業と内容はほとんど同じですが、違うこともあるため、利用したい方は内容を知っておくと良いでしょう。
そこで今回は給湯省エネ2024事業について解説します。給湯省エネ2024事業における知っておきたいポイントや2023年に開催された事業との違いなどを紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
エコキュートとは?
エコキュートとは、電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器の総称です。
エアコンでも使用されているヒートポンプ技術を用いてお湯を沸かすため、次の表のように年間ランニングコストが他の給湯器よりも抑えられています。
エコキュート | ガス給湯器 | 電気温水器 | 石油給湯機 | |
---|---|---|---|---|
北海道電力エリア | 約54,000円 | 約104,400円 | 約184,800円 | 約78,000円 |
東北電力エリア | 約48,000円 | 約98,400円 | 約189,600円 | 約70,800円 |
北陸電力エリア | 約42,000円 | 約112,800円 | 約166,800円 | 約70,800円 |
東京電力エナジーパートナーエリア | 約37,200円 | 約73,200円 | 約158,400円 | 約81,600円 |
中部電力エリア | 約25,200円 | 約81,600円 | 約100,800円 | 約67,200円 |
関西電力エリア | 約20,400円 | 約75,600円 | 約87,600円 | 約63,600円 |
中国電力エリア | 約43,200円 | 約108,000円 | 約176,400円 | 約67,200円 |
四国電力エリア | 約44,400円 | 約93,600円 | 約193,200円 | 約66,000円 |
九州電力エリア | 約20,400円 | 約102,000円 | 約84,000円 | 約64,800円 |
沖縄電力エリア | 約27,600円 | 約62,400円 | 不明 | 約55,200円 |
実際のランニングコストは性能やお湯の消費量などによって異なりますが、ガス給湯器や電気温水器に比べて、エコキュートは省エネ性能が高いです。
しかし、エコキュートは工事費込みの相場が40万円~70万円と高額な傾向があります。
国や地方自治体はエコキュートを購入する方に対して補助金制度を用意しているため、購入を考えている方は活用してみましょう。
給湯省エネ2024事業とは?
給湯省エネ2024事業とは、経済産業省資源エネルギー庁が、2024年度に開催を予定している補助金制度です。
エコキュートを含めた省エネ性能の高い給湯器の購入やリースに対して補助金を給付します。
名前に「2024年」と入っているのは、2023年にも同様の補助金制度があったため、区別するために盛り込まれています。
給湯省エネ2024事業の概要は以下のとおりです。
概要 | |
---|---|
補助対象となる方 | 対象機器を設置する住宅の所有者や賃借人などの方で、給湯省エネ事業者と契約して購入、あるいはリース契約を結ぶ方 |
補助対象となる住宅 | 新築住宅、あるいは既存住宅 |
対象となる期間 | 2023年11月2日~2024年12月31日までに着工した機器 |
対象となる機器 | 一定以上の性能を有しているエコキュートやハイブリッド給湯器、エネファーム |
補助額 | 機器によって基本額は異なる 機器の性能によっては加算される 撤去した機器によっては加算される |
注意事項 | 特定の補助金制度と併用する際は注意が必要 2023年の給湯省エネ事業の交付を受けた機器は対象外 財産の処分に制限があり、事務局の調査に協力する |
記事執筆時点では事業者の申し込み段階で、補助金の申し込みが可能になるのは2024年3月以降とされています。
給湯省エネ2024事業で知っておきたいポイントについて順番に解説します。
補助対象となる方
給湯省エネ2024事業の補助対象となる方は、対象機器を設置する住宅を所有している個人や家族、あるいは賃貸として貸している方、賃借人などです。
上記の条件を満たしており、給湯省エネ事業者と契約を結び、下記のいずれかの方法で対象設備を導入します。
- 新築注文住宅に対象機器を購入して設置する
- 対象機器が導入された新築分譲住宅を購入する
- リフォーム時に対象機器を購入して設置する
- 設置している給湯器から対象機器へ交換することを条件として既存住宅を購入する
住んでいる家、あるいは住もうとしている家にエコキュートを導入すれば、補助金の対象になる可能性があると覚えておきましょう。
補助対象となる住宅
給湯省エネ2024事業は戸建や共同住宅のどちらも補助金の対象ですが、新築と既存で次のような条件があります。
- 新築住宅…1年以内に建築され、居住実績がない
- 既存住宅…建築から1年が経過して、過去に人が居住した住宅
特殊なケースではありますが、建築してから半年以内に売却されて購入した既存住宅では条件を満たすことができません。
対象となる期間
給湯省エネ2024事業では、補助金の対象となる着工日の期間は2023年11月2日~2024年12月31日までです。
この場合の着工日は機器の設置だけでなく、新築注文住宅の建築着工日や新築分譲住宅の引き渡し日、既存住宅の引き渡し日なども含まれます。
そのため、2023年11月2日以前に建設を始めた新築注文住宅は給湯省エネ2024事業の対象になりません。
一方で、2023年12月頃にリフォームでエコキュートを設置した場合は、条件を満たしているため補助金が貰らえる可能性があります。
なお、本補助金制度は予算が設定されており、上限に達した時点で終了予定です。
対象となる機器
給湯省エネ2024事業の補助金の対象となるのは以下の給湯器です。
概要 | |
---|---|
エコキュート | ヒートポンプ技術でお湯を沸かし、省エネ法上のトップランナー制度の対象機器 |
ハイブリッド給湯器 | ヒートポンプ給湯器とガス温水給湯器を組み合わせており、年間給湯効率が108%以上のもの |
エネファーム | 都市ガスやLPガス等から水素を作り、水素と空気中の酸素の化学反応により発電でき、FCAが公表している登録機器リストの製品 |
エコキュートの場合は想定世帯や貯湯容量などで区分が設けられており、2025年度目標基準値を超えていない機種は対象外となります。
そのため、補助金制度を活用したい方は、購入時に対象となる機器を販売業者に問い合わせましょう。
なお、日中に稼働し、太陽光発電システムとの連携が前提の「おひさまエコキュート」は2025年度の目標基準値を満たしていなくても補助金の対象です。
補助額
給湯省エネ2024事業の補助額は以下のとおりです。
補助額 | |
---|---|
エコキュート | 基本額:8万円/台性能加算額:2・4・5万円/台 |
ハイブリッド給湯器 | 基本額:10万円/台 性能加算額:3・3・5万円/台 |
エネファーム | 基本額:18万円/台性能加算額:2万円/台 |
撤去加算額 | 蓄熱暖房機:10万円/台電気温水器:5万円/台 |
エコキュートの場合、基本額は1台につき8万円で、2種類ある加算要件を満たすと性能加算額が2~5万円増えます。
1つ目の加算要件はエコキュートがインターネットに接続できるモデルで、天気予報や日射量予報と連動することで、昼間に沸き上げをシフトする機能を持っていることです。この要件を満たしていれば、1台につき補助金額が2万円増えます。
2つ目の加算要件はCO₂の排出量が少なく、補助要件下限の機種と比べて性能が高いか、おひさまエコキュートを購入することです。この要件を満たしていれば、1台につき補助金額が4万円増えます。
1つ目と2つ目の加算要件を両方とも満たしている場合は、1台につき補助金額が5万円増えます。
また、エコキュートを設置するにあたって蓄熱暖房機や電気温水器を撤去した場合は、撤去加算額によって補助金額が増えます。
つまり、加算要件をすべて満たしたエコキュートを購入して、電気温水器を撤去した場合は合計で18万円の補助金を受け取ることが可能です。
注意事項
給湯省エネ2024事業を受ける際には、次の点に注意しましょう。
- 特定の補助金制度と併用する際は注意が必要
- 2023年の給湯省エネ事業の交付を受けた機器は対象外
- いくつかの義務が発生する
上記を順番に解説します。
特定の補助金制度と併用する際は注意が必要
給湯省エネ2024事業のように国が行っている補助金制度で購入した対象設備に対して、別の国の補助金制度を併用することはできません。
また、地方公共団体の補助金制度との併用は基本的に可能ですが、国庫を財源としている場合は除きます
ほかにも、国は注文住宅の新築や新築分譲住宅の購入などに補助金を出す「子育てエコホーム支援事業」を2024年度に開催する予定です。
給湯省エネ2024事業と子育てエコホーム支援事業を一緒に申し込むことは可能ですが、同一の機器に対して併用はできません。
例えば、エコキュートで給湯省エネ2024事業の補助金を受け取り、別の機器や工事で子育てエコホーム支援事業の補助金を申請することは可能です。
補助金制度ごとに併用のルールは異なるため注意しましょう。
2023年の給湯省エネ事業の交付を受けた機器は対象外
2023年に行っていた給湯省エネ事業で補助金を受けたエコキュートで、給湯省エネ2024事業の補助金を受け取れません。補助金を返還しても受けることはできないです。
いくつかの義務が発生する
給湯省エネ2024事業で補助金を受け取ると、次の義務が発生します。
- 財産の処分に制限がかかる
- 事務局の調査に協力する
義務と聞くと面倒に感じるかもしれませんが、要は補助金を受けたら6年間は対象設備を勝手に処分することはできず、事務局が調査する場合は協力しないといけないということです。
面倒に感じるかもしれませんが、必要なことだと受け入れましょう。
2023年の給湯省エネ事業との違い
給湯省エネ事業は2023年にも行われていました。記事執筆時点では既に受付を終了しており、公式サイトによれば予算額の約29%までを消費しています。
2023年の給湯省エネ事業と、給湯省エネ2024事業は補助対象や補助の条件、申請プロセスなどに大きな違いはありません。
しかし、補助金額だけは給湯省エネ2024事業のほうが良くなっています。
エコキュートの補助金額 | |
---|---|
2023年の給湯省エネ事業 | 5万円/台 |
給湯省エネ2024事業 | 基本額:8万円/台 性能加算額:2・4・5万円/台 |
2023年の給湯省エネ事業では、エコキュート1台につき5万円の補助金のみ給付されました。
給湯省エネ2024事業と比べると基本額は3万円少なく、性能加算額はありません。また、機器を設置する際に撤去した機器に対する撤去加算額も無いです。
補助金制度によって補助金額は異なりますが、エコキュート1台につき基本額8万円と性能加算額2万円~5万円の合計最大13万円は、エコキュートの補助金としては高額な傾向があります。
そのため、エコキュートを購入する予定で、給湯省エネ2024事業を申し込める方は、利用しましょう。
エコキュートと一緒に導入しておきたい住宅設備
エコキュートと一緒に導入しておきたい住宅設備は太陽光発電システムと蓄電池です。
太陽光発電システムがあれば、日中の余剰電力を使用してエコキュートを沸かすことができるため、ランニングコストを大幅に節約することができます。
また、「おひさまエコキュート」は太陽光発電システムとの連携が前提のエコキュートです。そのため、「おひさまエコキュート」で補助金を受け取りたい場合は、太陽光発電システムが必要になります。
蓄電池があれば、電気料金単価が安い時間帯に電気を蓄えておき、高い時間帯に消費して電気代の節約が可能です。
エコキュートのランニングコストが抑えられている理由の1つに、電気量料金単価が安い時間帯にお湯を沸かしていることが挙げられます。
例えば、東京電力エナジーパートナーエリアでエコキュートに買い替えた場合、スマートライフSの電気量料金単価が適用されます。
単位 | 料金 | ||
---|---|---|---|
基本料金 | 10Aにつき | 1契約 | 295.24円~ |
電気量料金単価 | 午前6時~翌午前1時 | 1kWhあたり | 35.96円 |
午前1時~午前6時 | 28.06円 |
夜間と昼間では、1kWhあたりの電気量料金単価が約7円違います。そのため、昼間に在宅する家族が多い家庭では、蓄電池を導入することで日中の買電量を減らして、家庭全体の電気代の節約を期待できます。
ほかにも、太陽光発電システム、蓄電池、エコキュートの3つがあれば災害時に停電しても、普段通りに近い生活を送ることができます。
以上の理由から、エコキュートを購入する際は太陽光発電システムや蓄電池の導入も検討してみましょう。
まとめ
以上が、給湯省エネ2024事業の解説になります。給湯省エネ2024事業の知っておきたいポイントをまとめると以下のとおりです。
- 補助対象となる人や物件の範囲が広い
- 2023年11月2日~2024年12月31日までに着工した工事が対象
- 一定以上の性能の高い給湯器が対象
- 補助額が大きい
- いくつかの注意事項はある
ほかの補助金制度に比べると条件が分かりやすいため、2024年にエコキュートを購入したいと考えている方におすすめです。
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