オール電化
2023/08/26
灯油ボイラー(石油給湯器)のデメリット!使い続けるメリットはある?
ご家庭の消費エネルギーは、その3割が給湯に用いられています。ならば、より効率的な給湯設備にすれば、大きな節約が見込めるという事です。 しかし、使用方法について気を付ける事はしても、給湯設備についてよく知らないという方も少なくないのではないでしょうか。
今回は、灯油ボイラー(石油給湯器)について解説します。デメリットとメリットを通して、ご家庭に最適な給湯設備について考えていきましょう。
灯油ボイラー(石油給湯器)とは?
ボイラーというと、大規模な工業施設に設置される機器を指すこともありますが、今回は主に家庭用の給湯設備である石油給湯器について解説します。
石油給湯器とは、その名の通り石油(灯油)を用いて湯沸かしを行う機器のことです。
石油給湯器の仕組みには大きく二通りがあり、灯油を吹き出して燃焼させる「噴霧式」と、灯油を気化(ガス化)させ燃焼させる「気化式」に分かれます。
それぞれにメリット・デメリットがありますが、現在はより高い熱効率と安定性があり、かつ低騒音である「気化式」が主流となっています。
給湯器を交換する理由
石油給湯器を含め、給湯器は生活必需品です。
無くてはならない設備であるだけにおいそれと交換できず、現状維持をしてしまう事は多いと思われます。
では、どのような理由なら給湯器の交換を検討するに値するでしょうか。
大きく以下のような理由が考えられます。
- 老朽化による故障
- ランニングコストの見直し
- 新機能や技術を使いたい
- 家庭のニーズの変化
順番に解説します。
老朽化による故障
故障は、最もスタンダードな交換理由です。
設置後数年程度であれば修理で対応することも十分可能です。
しかし、10年以上使い続けていると部品の生産が終了し、買い替えざるを得ない事があります。
長期間使用した上で、下記のような症状が出たら石油給湯器の交換を検討するべきです。
- 爆発のような異音がする
- 着火しにくい
- お湯が出ない
- 灯油の臭い、異臭がする
- 発煙する
- 水漏れ
- 不安定な動作
故障内容によっては、火災や一酸化中毒といった事故に繋がる危険性があり、大変危険です。
気になる症状が出たら、自己判断をせずに修理や買い替え検討を行いましょう。
ランニングコストの見直し
日々の給湯にかかる費用が高いな、と感じた時も交換を検討すると良いでしょう。
何故なら、給湯器の性能は進化を続けているからです。
同じ熱源を使用する給湯器でも、10年前の機器と比較すれば給湯効率は大幅に上がっています。
石油給湯器で言えば、コロナの「エコフィール」では、従来品から変更するだけで年間9,110円もお得になると謳っています。
また、より省エネルギーで給湯可能な他熱源機器も存在するため、切り替えることでより光熱費をお得にすることが出来るかもしれません。
日々の光熱費が気になる場合は、現在使っている機器の性能、最新機種の性能、そして別種の給湯器の性能を比較して考えると、より良い生活に近づけるでしょう。
新機能を使いたい
給湯器の種類にもよりますが、1年~2年程度で新しい製品にモデルチェンジします。
大きく変化しない場合もありますが、時には新しい機能が追加される場合があります。
近年では、機種にもよりますがお湯はり進捗状況の確認や、のぼせ防止が出来る入浴サポート機能や、スマホアプリやスマートスピーカーで操作できるような連携機能等が追加されています。
現代の新製品ならではの新機能を使いたい場合も交換を検討する理由になります。
家庭のニーズの変化
家族構成や生活スタイルの変化に伴い、給湯の必要量やパターンが変わることがあります。
家族が増えたり、子どもが独立していった際には、それに応じて現在の給湯器が適切か考えてみるとよいでしょう。
灯油ボイラー(石油給湯器)を使い続けるべきか?
前項目では、給湯器を交換するに値する理由について取り上げました。
では、これまで通り石油給湯器を使い続けるべきでしょうか。
結論からいうと、他熱源の機器に切り替えるのも検討すべきです。
その理由を、石油給湯器のデメリットとメリットを見つめ直して考えてみましょう。
灯油ボイラー(石油給湯器)のデメリット
石油給湯器を新設、交換するにあたって目につくデメリットは以下となります。
- 初期費用が比較的高い
- オイルタンク設置スペースが必要
- オイルタンクに定期的な手入れが必要
- 給油に労力がかかる
- 灯油価格の高騰が直撃する
順番に解説します。
初期費用が比較的高い
数ある給湯器の中で、石油給湯器は比較的シェアの小さい部類に入ります。
令和二年度、環境省の「家庭のエネルギー事情を知る」によると灯油(石油)給湯器のシェア率は5.9%です。
そのため、価格競争を行う必要性が薄く割高になっている事が多々あります。
初期費用はおよそ20万円~50万円程度が目安です。
給湯器のトップシェアであるガス給湯器の15万円~40万円と比較すると、一回り割高で有ることが伺えます。
オイルタンク設置が必要
石油給湯器では、燃焼のために石油(灯油)を燃料とします。
通常家庭内に常時蓄えられているエネルギーでは無いので、別途貯蔵しておくためのタンクが必須となります。
そのため、タンクの設置スペースを確保する必要があります。
また、必要なのは設置スペースだけではありません。
容量によっては、手続きや追加工事が必要となる場合があります。
タンク容量が200L以上、1,000L未満の灯油タンクは、消防法において「少量危険物貯蔵取扱所」として扱われます。
自治体によって取り扱い方法に差がありますが、条件に該当すると消防署に届け出を行わなければなりません。
また、タンク内の油が漏れても外に流出させないために防油堤の設置義務が課されることもあります。
設置の際には、一手間二手間増える可能性が有ることも見逃せません。
給油に労力・費用がかかる
前項目でも触れましたが、石油(灯油)は自動的に供給され続けている燃料ではありません。
そのため、湯沸かしを行う中で消費された灯油を定期的に補充する必要があります。
ホームセンターやガソリンスタンドへの買い出し、あるいはガス会社、燃料店、灯油巡回業者等の宅配サービスを利用する等、移動費やサービス利用費といった負担も考えなければなりません。
また、危険物として貯蔵量にも制限があるので、大量に貯めておくということも難しいです。
給湯器は毎日使うものですから、急な燃料切れで困ることも考えられるため、灯油の量には常に気を払う必要があります。
実際、石油給湯器使用者の声で多く見られるのが「給油が面倒」という声です。
燃料切れによる心身及び時間的負担は、使い続ける限り積み重なる不満点となりかねません。
オイルタンクに定期的な手入れが必要
給湯器には定期的に手入れをする事をおすすめします。
特に、石油給湯器においては「オイルタンクの水抜き」を定期的に行う必要があります。
何故かというと、溜まった水が故障の原因となるからです。
給油時の雨や水の混入や、タンク内外の温度変化によって結露が生じ、タンク内に水が溜まっていく事があります。
溜まった水はタンク内で錆の原因となり、錆が配管に流れる等すると点火不良等の故障に繋がります。
頻度はそう高くないとはいえ、手入れが面倒という方には小さくないデメリットでしょう。
灯油価格の高騰が直撃する
電気、ガスといった他熱源も同様ですが、灯油価格も年々上がっています。
2023年8月現在、ガソリンの補助金の停止が話題になっていますが、実は灯油もこの補助の内容に含まれています。
補助金がなくなれば価格が上がり、灯油のみをエネルギー源とする石油給湯器ではそのまま家計を圧迫してくるでしょう。
灯油ボイラー(石油給湯器)のメリット
ここまで石油給湯器のデメリットを解説しましたが、メリットも存在します。
中でも特筆すべきメリットには以下の点です。
- ランニングコストが比較的安い
- 湯沸かし能力が非常に高い
順番に解説します。
ランニングコストが比較的安い
年中使い続ける給湯器において、ランニングコストは最重要点でしょう。
この点において、石油給湯器は優越しています。
同等の湯を沸かす際に、ガスや電気よりも低コストでの湯沸かしが可能です。
湯沸かし能力が非常に高い
給湯器には灯油の他に、電気やガスといった熱源を利用するものがあります。
多様な熱源の中でも、石油給湯器は最も強いパワーを備えています。
そのため、冬場の低水温をお湯にしたい、大量の湯沸かしを行いたいといった状況に適しています。
次の給湯器はこれだ
前項目が石油給湯器のデメリットとメリットです。
メリットがありつつも、無視できないデメリットが複数浮かび上がりました。
特に気になる点としては、やはり給油の労力なのではないでしょうか。
これは石油給湯器を使い続ける限り、解決することのない問題です。
灯油式とは別の熱源の機器に切り替えることで、問題の解消を図るのも一つの選択肢です。
特におすすめなのが、電気と空気の熱を利用して湯沸かしするエコキュートです。
エコキュートならば、石油給湯器の利点である「ランニングコストの安さ」を更に上回りつつも、給油の労力から解放されます。
ランニングコスト重視の方、出来るだけ手間をかけたくない方はエコキュートに切り替えると良いでしょう。
エコキュートに切り替えるならここに注意!
石油給湯器に対して、ランニングコストや労力面で優越するエコキュートですが、石油給湯器に劣る面もあります。
環境に関わらず挙げられる点は、以下となります。
- 初期費用が高い
- 設置スペースがより広く必要
石油給湯器の導入費用は比較的高いと述べましたが、エコキュートの初期費用は更に高額です。
性能にもよりますが、実売価格にして10万~20万程は高くなる可能性があります。
また、設置スペースにも注意が必要です。
石油給湯器は本体と灯油タンクの設置でスペースを取りますが、エコキュートもヒートポンプという熱交換器と貯湯タンクの設置スペースが必要です。
大量のお湯を保管しておくタンクに加え、エアコンの室外機に近しい大型の機器を設置する必要があるため、必要なスペースという点で見れば、石油給湯器の方が圧倒的にコンパクトといえるでしょう。
灯油ボイラー(石油給湯器)を使い続けた方がいい環境もある
石油給湯器の切り替え先として、エコキュートをおすすめしてきました。
しかし、全ての環境でエコキュートが最適かというとそうとは言い切れません。
石油給湯器が力を発揮する環境というのも確かに存在します。
それは、メリットでも挙げた「高い湯沸かし能力」が必要とされる環境です。
特に、寒冷地において石油給湯器の人気は高いです。
パワフルな石油給湯器なら、寒冷地の低い水温を湯沸かしするのに十分な能力を発揮してくれるでしょう。
反面、寒冷地でのエコキュートの設置には注意が必要です。
エコキュートは、湯沸かしに空気熱を利用する関係から、気温の低い環境では熱効率が下がってしまいます。
気温があまりにも低い場合、沸かしたお湯の保温に影響がでる場合もあるため、環境によっては石油給湯器の方が適している場合も有り得ます。
お住いの地域環境なども鑑みて、交換機器を検討するとよいでしょう。
まとめ
以上が、石油給湯器をデメリット及びメリット、使い続けるか否かの解説となります。
初期費用と設置スペースが許すならば、ストレスなく使えてランニングコストも安いエコキュートに切り替えがおすすめ。
寒冷地にお住まいなら石油給湯器の継続も検討する必要がある、という結論となります。
それぞれの機器に一長一短があるため、ライフスタイルに応じてよく検討するとよいでしょう。
どの給湯器が良いか分からない、という方は是非エコ突撃隊にご相談下さい。
28,000件以上の施工実績のある弊社スタッフが、最適な給湯器選びをサポートいたします。
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