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太陽光発電

2026/06/24

太陽光発電の売電価格とは?現在の価格や推移、売電収入のシミュレーションなどを解説

太陽光発電の売電価格は年度によって異なります。また、仕組みも変更される場合があるため、売電収入を考えている方は最新の制度や売電価格を知っておくべきでしょう。

そこで今回は、2026年時点での太陽光発電の売電価格や売電収入のシミュレーションなどを解説します。ぜひ最後までご覧ください。

太陽光発電の売電価格とは?


太陽光発電の売電価格とは、発電した電気を電力会社へ買い取ってもらうときの1kWhあたりの単価を指します。

住宅用の太陽光発電では、つくった電気をすべて売るのではなく、まず家庭で使い、それでも余った分を売るしくみが基本です。この方式は余剰売電と呼ばれ、10kW未満の住宅用ではこの形がとられています。

発電した電気をすべて売る全量売電もありますが、こちらは主に事業用の設備で用いられる方式で、住宅用とは前提が異なる仕組みです。

そのため、売電で得られる収入は、発電した量そのものではなく、家庭で使ったあとにどれだけ電気が残るかで決まります。ここで関わってくるのが太陽光発電で生じる電力量の内訳で、整理すると主に以下のとおりです。

  • 発電量
  • 自家消費量
  • 売電量

発電量はパネルがつくり出した電気の総量を、自家消費量はそのうち家庭で使った分を指します。発電量から自家消費量を引いた残りが売電量で、これに売電価格を掛け合わせた「売電量×売電価格」が売電収入です。

日中に電気をあまり使わない家庭ほど自家消費が少なく、その分だけ売電量は多くなります。売電収入は売電量と売電価格の両方で決まるため、価格そのものの水準を把握しておくことが、導入後の収入を見積もるうえで欠かせません。

FITとは?

FIT(固定価格買取制度)とは、再生可能エネルギーでつくった電気を、国が定めた価格で電力会社が一定期間買い取ることを義務づけた制度で、資源エネルギー庁が所管しています。

買取価格と買取期間があらかじめ決まっているため、住宅用太陽光を導入した家庭は、認定を受けた時点の単価で一定期間にわたり安定して売電できます

ただし、年度によって売買価格や仕組みが異なるため、最新の制度を確認しましょう。

太陽光発電の売電価格一覧

2026年度の太陽光発電の売電価格は、設置形態と発電規模によって細かく分かれています。

区分 規模 2026年度の売電価格 売電期間
住宅用(屋根設置) 10kW未満 1〜4年目 24円/5〜10年目 8.3円 10年
事業用(屋根設置) 10kW以上 1〜5年目 19円/6〜20年目 8.3円 20年
事業用(地上設置) 10kW以上50kW未満 9.9円 20年
事業用(地上設置) 50kW以上(入札対象外) 9.6円 20年

個人が太陽光発電を設置した場合、関わってくるのが住宅用(屋根設置)です。次項より、順番に解説します。

住宅用(10kW未満)の売電価格

一般家庭が屋根に設置する10kW未満の住宅用太陽光は、2026年度の売電価格が前半と後半で変わる階段型に設定されています。

運転開始から1〜4年目までが24円、5〜10年目が8.3円で、売電できる期間は10年間です。前半の4年間に高い単価が適用されるぶん、売電収入は導入直後に大きくなり、5年目以降は8.3円まで下がります。

この価格をならすと10年間で平均は1kWhあたり14.58円(年間)です。ただし、10年で割った単純平均で、実際の売電量は天候や季節、家庭の電気の使い方によって毎年変わるため。あくまで目安として捉えておく必要があります。

なお、2025年度上半期までに認定を受けた住宅用は、10年間一律15円のままです。

10kW以上の屋根設置(事業用)の売電価格

工場や倉庫、店舗などの屋根に設置する10kW以上の事業用太陽光も、住宅用と同じく階段型の価格が採用されています。

2026年度は1〜5年目が19円、6〜20年目が8.3円で、売電期間は20年間です。高い単価が続く期間が住宅用より1年長く設定されており、規模の大きい設備でも導入初期に多くの収入を見込めます。

この区分は主に企業や事業者が対象で、工場や倉庫といった広い屋根を有効に活用できる点が特徴といえます。

10kW以上の地上設置(事業用)の売電価格

野立てとも呼ばれる地上設置の事業用太陽光は、屋根設置のような階段型ではなく、期間を通じて一定の単価が適用されます。

2026年度は、10kW以上50kW未満が9.9円、50kW以上の入札対象外区分が9.6円で、いずれも売電期間は20年間です。

さらに250kW以上は入札制(FIP)の対象となり、価格は入札によって決まります。屋根設置に比べて単価が低く抑えられているうえ、地上設置は2027年度以降、FIT・FIP制度の支援対象から外れる方針が示されている点にも注意が必要です。

太陽光の売電価格の推移|下落傾向と2026年度の変更点

太陽光発電の売電価格は、制度の開始以来、時期によって大きく変動してきました。

年度 住宅用(10kW未満)の売電価格
2009年(11月〜) 48円
2010年 48円
2011年 42円
2012年(7月FIT開始) 42円
2013年 38円
2014年 37円
2015年 33円/35円
2016年 31円/33円
2017年 28円/30円
2018年 26円/28円
2019年 24円/26円
2020年 21円
2021年 19円
2022年 17円
2023年 16円
2024年 16円
2025年前期(4〜9月) 15円
2025年10月〜2026年 1〜4年目 24円/5〜10年目 8.3円

住宅用の買取が始まったのは2009年11月の余剰電力買取制度で、当時の単価は48円と、現在の数倍にあたる水準でした。

その後、2012年7月にFIT(固定価格買取制度)が始まると42円となり、以降はほぼ毎年引き下げられ、2024年度には16円まで下がっています

価格が下がってきた背景には、太陽光発電の設置費用が普及とともに低下したことや、買取を支える国民の負担を抑える狙いがあります。

なお、2015〜2019年度は、出力制御に対応する機器を備えるかどうかで単価が2段階に分かれていました。下落を続けてきた住宅用の単価は、2025年10月に初めて上昇へ転じ、初期の4年間だけ24円が適用される新しい仕組みへと切り替わっています。

2026年度に初期投資支援スキームが導入された理由

2026年度に住宅用の単価が引き上げられたのは、初期投資支援スキームと呼ばれる仕組みが導入されたためです。

導入から間もない時期の単価を高く設定し、設置費用の回収を早めることで、屋根への太陽光発電の普及を後押しする狙いがあります。

屋根設置を手厚く支援するこの考え方は、もともと2023年度の下半期に10kW以上の屋根設置を対象として始まり、2025年度の下半期に住宅用の10kW未満へと広げられました。

なお、住宅用の価格は、発電した電気のおよそ70%を売電し、30%を自家消費するという比率を前提に計算されています

ただし、この30%はあくまで価格を算出するうえでの想定であり、自家消費の割合が達しなければ売電できなくなるといった条件ではありません。

災害時に電気を使えるようにする自立運転機能などを求める地域活用要件も、10kW以上のみが対象で、住宅用の10kW未満には課されていない仕組みです。

太陽光の売電価格は今後どうなる?

今後の売電価格について、現時点では2027年度まで初期投資支援スキームを継続する方針が示されています。

一方、2028年度以降の住宅用の扱いは確定しておらず、今後の調達価格等算定委員会で改めて検討される見通しです。

売電価格は制度の見直しによって変わる可能性があるため、導入を考える際は、その時点で適用される最新の単価を確認しておくことが大切になります

太陽光発電の売電収入はいくら?

実際に売電でどのくらいの収入が得られるのかを、住宅用の5kWの設備を例に、2026年度の単価をもとに概算してみます。

前提として、年間の発電量は1kWあたり約1,200kWh、5kWで合計およそ6,000kWhと仮定しました。

このうち70%を売電に回す(自家消費30%)と考えると、年間の売電量は約4,200kWhで、以下のとおりとなります(※)。

期間 売電単価 年間の売電収入の目安
1〜4年目 24円 約10万円
5〜10年目 8.3円 約3.5万円
10年間の合計 約61万円

単価の高い1〜4年目は年間で10万円前後の売電収入が見込めますが、8.3円に下がる5年目以降は年3万円台まで小さくなります

前半と後半でこれだけ差が開くのは、売電単価が24円から8.3円へと3分の1ほどに下がるためです。

10年間を合計するとおよそ61万円となり、収入の多くが最初の4年間に集中する形になります。

ただし、この金額も自家消費の割合や天候しだいで上下するので、ひとつの目安として捉えておくと安心です。

(※)発電量は地域の日射条件や屋根の向きによって変わるため、ここで示すのは標準的な条件をもとにした目安となります。

自家消費率で売電量はどう変わる

売電量は、発電した電気のうちどれだけを自分で使うか、つまり自家消費率によっても変わってきます。

昼間に電気をあまり使わない家庭ほど自家消費は少なくなり、その分だけ売電に回る電気が増える仕組みです。

例えば、自家消費率が30%なら発電量の70%が売電に回りますが、自家消費率が20%まで下がれば80%が売電となり、売電収入もその分だけ大きくなります

反対に、日中の電気使用が多く自家消費率が高い家庭では、売電に回る量が減り、売電収入も小さくなる傾向です。

このように、売電収入そのものを増やしたいなら、自家消費を抑えて売電量を多くすればよいことになります。

しかし、現在のFIT制度では5年目以降の売電価格が大幅に下がることがネックです。

売電と自家消費はどちらがお得?

結論から申し上げますと、いまの電気料金の水準では、電気を売るよりも自分で使う自家消費のほうが、家計にとっての価値は大きくなりやすいといえます。

その根拠になるのが、制度のうえで想定されている自家消費の便益です。2026年度の価格設定では、自家消費した電気の価値は家庭用の電気料金水準として1kWhあたり27.31円と見積もられています

これはあくまで制度上の想定値で、実際に各家庭が電気を買うときの単価は、契約プランや燃料費調整額、再エネ賦課金によって変わってきます。

とはいえ、近年は燃料価格の高止まりで電気料金そのものが上昇傾向にあり、自分でつくった電気を使う価値はむしろ高まっています。

比較項目 目安
2026年度 住宅用の売電価格(1〜4年目) 24円/kWh
2026年度 住宅用の売電価格(5〜10年目) 8.3円/kWh
自家消費分の便益(制度上の想定値) 27.31円/kWh
2026年度の再エネ賦課金 4.18円/kWh

表を見ると、自家消費の便益27.31円は、5年目以降の売電単価8.3円の3倍以上にのぼる水準です。

もちろん、単価の高い1〜4年目は売電による収入も家計の支えになり、この時期はしっかり売る意味があります。

それでも、5年目以降は売電単価が自家消費の便益を大きく下回るため、自家消費の割合を増やしたほうが家庭の支出を抑えられます

加えて、電気を買うときには再エネ賦課金がかかり、2026年度は1kWhあたり4.18円が2026年5月検針分から2027年4月検針分まで上乗せされます。

この賦課金は自分で使う自家消費分にはかからないので、買う電気を減らせば賦課金の負担そのものを避けられるわけです。

蓄電池・エコキュート・EVで自家消費を増やす

自家消費の価値が大きいとはいえ、太陽光発電が電気をつくり出せるのは日中に限られます。昼につくった電気を夜や朝にも生かして自家消費を高めるうえで、組み合わせると効果的な設備が主に以下のとおりです。

  • 蓄電池
  • エコキュート
  • 電気自動車(EV)

蓄電池は、昼につくった余りの電気を貯めておき、発電できない夜間に使うことができます。

エコキュートは、昼間の電気でお湯を沸かしてためておくことで、給湯にかかる電気を太陽光と組み合わせやすい設備です。

電気自動車は、日中に充電すれば自家消費を増やせるうえ、停電時には非常用の電源としても使えます。

いずれも、これまで売電に回していた余剰電力を自家消費へ振り向け、買う電気をさらに減らす効果が見込める点が魅力です。

FIT期間が終わった後の売電価格はどうなる?卒FIT後の選択肢


住宅用太陽光発電のFITによる買取期間は10年間で、この期間が終わることを卒FITと呼びます。2019年以降、初期に導入した家庭から順に卒FITを迎えており、これは多くの設置者がいずれ向き合うテーマです。

卒FIT後の売電単価は、各社の買取メニューで平均すると10円前後、中央値で9.5円ほどが目安になります。売電先によって幅があり、大手電力の卒FIT向けプランは7〜9円程度、これに対し新電力には10〜13円程度とやや高めの会社もあるのが実情です。

いずれにしても、導入初期の24円と比べれば大きく下がります。

ただし、新しいFITの5年目以降に適用される8.3円と比べると、卒FIT後のほうがむしろ高くなる場合もあり、必ずしも最も低い単価とは限りません。

卒FIT後の選択肢

卒FIT後の余剰電力をどう生かすかは、主に以下の方向性に分けられます。

  • 新電力の買取メニューへ切り替える
  • 自家消費へシフトする
  • 蓄電池を導入する

ひとつ目は、これまでとは別の電力会社へ売電先を切り替える方法です。新電力のなかには大手より高い単価を示す会社もあり、手続きをすれば売電収入を上乗せできる場合があります。

ふたつ目と三つ目は、売電よりも自家消費を重視する考え方です。余った電気を自宅で使ったり、蓄電池に貯めて夜間に回したりすれば、買う電気を減らせます。

自家消費を増やすメリットや具体的な設備については上記で述べたとおりで、卒FIT後はなるべく自家消費を増やす方向で検討しましょう

何もしないとどうなる

卒FIT後に特に手続きをしない場合の扱いは、状況によって変わってきます。多くの大手電力会社では、申し込みをしなくても自動的に自社の卒FIT向けメニューへ移行し、引き続き余剰電力を買い取るケースが多いです。

一方で、どの会社とも売電の契約がない状態だと、余った電気は一般送配電事業者に無償で引き取られ、売電収入は得られなくなります

いずれの場合も単価は低く、また放置すれば収入を得る機会を逃すことにもなりかねません。そのため、卒FITを迎える前に、買取先の単価だけでなく、契約期間や解約条件、売電代金の振込のされ方まで含めて比較しておくと安心です。

太陽光の売電価格を適用するには?

太陽光発電の売電価格は、設備を設置した時点ではなく、FITの認定を受けた年度によって決まります。認定を受けた年度の単価が、その後の買取期間である住宅用10年間を通じて固定される仕組みです。

そのため、同じ設備でも、手続きが年度をまたいで完了すると、適用される単価が変わってきます。売電価格を確定させるまでの流れは、大きく2つの段階に分かれる点も押さえておきたいところです。

  1. 電力会社への接続契約の申請
  2. 経済産業省への事業計画認定の申請

まず、発電した電気を電力会社の送電網へ送り出すために、接続契約(系統連系)を電力会社へ申し込みます。続いて経済産業省へ事業計画認定を申請し、これが認められた時点で、適用される売電単価が確定します。

注意したいのは、申請から認定までに一定の時間がかかることで、年度末が近い時期の申請ほど影響を受けやすくなります。認定が翌年度にずれ込むと、当初想定していたよりも低い単価が適用されてしまうおそれがあるため注意が必要です。

申請の期限は年度ごとに変わるので、最新の期限は資源エネルギー庁の公表情報や、契約先の電力会社・施工業者に確認しておくことをおすすめします。

太陽光発電の売電価格に関するよくある質問

次項より、太陽光発電の売電価格に関するよくある質問に順番に回答します。

Q. 売電価格は途中で変わる?

認定を受けた時点の単価が買取期間を通じて適用されるため、年度の改定によって途中で変わることはありません。

ただし、2026年度の住宅用は1〜4年目が24円、5年目以降が8.3円という階段型のため、同じ契約のなかで5年目に単価が下がる点には注意が必要です。

Q. 売電だけで元は取れる?

売電収入だけで判断するのは早計で、自家消費による電気代の節約まで含めて考えることが大切です。

とくに電気代が高い今は、売るより自分で使うほうが家計メリットは大きくなる可能性があります。

Q. 売電価格は地域で違う?

FITの売電単価は国が定めるもので、お住まいの地域によって変わることはありません。

ただし、同じ設備でも年間の発電量は日射量によって差が出るため、実際の売電収入は地域や設置条件で変わってきます

Q. 自家消費率が30%を下回るとどうなる?

住宅用10kW未満では、自家消費30%・余剰売電70%という比率はあくまで価格を算定するための前提であり、この割合を満たさないと売電できなくなるといった決まりではありません。

実際の自家消費率は生活スタイルで異なるため、昼間の電気の使い方や蓄電池の有無も踏まえて収支を試算しておくと安心です。

Q. 太陽光発電はいつ導入するのがよい?

売電価格だけで時期を判断するのではなく、設置費用や利用できる補助金も合わせて検討することが大切です。

年度をまたぐと適用される単価や補助金の条件が変わる可能性があるため、見積もりを取る時点で適用される最新の制度を確認しておくことをおすすめします。

まとめ

以上が、太陽光発電の売電価格に関する解説です。太陽光発電の売電価格は年度によって異なり、2026年度の場合は1〜4年目は24円/kWh、5〜10年目は8.3円/kWhとなっています。

電気料金単価は契約している電力会社や料金プランによって異なりますが、8.3円/kWhよりも安いことはありえません。

そのため、今から最初の4年間は売電を優先しても良いですが、売電価格が安くなる5年目以降は自家消費に切り替えて、電力会社から購入する電力量を減らした方が家計を抑えることが出来ます。

自家消費の割合を増やしたい場合は、電気で動く給湯器のエコキュートや電気自動車の購入、発電できない時間帯に電力を利用できる蓄電池の導入などを検討しましょう。

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