蓄電池
2023/07/28
家庭用蓄電池のタイプとは?ポータブルタイプと定置タイプの違いをわかりやすく解説
家庭用蓄電池は持ち運びが可能なポータブルタイプと、設置したら動かすことができない定置タイプに分かれています。どちらも電力を蓄えて、非常時に給電する機能を搭載していますが、メリットとデメリットが異なります。
そこで今回は、家庭用蓄電池のタイプについて解説します。ポータブルタイプと定置タイプの違いを知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
家庭用蓄電池とは?
蓄電池とは、外部から充電した電力を貯めておき、必要なときに住宅やEV(電気自動車)、電化製品などに供給できる二次電池のことを指します。
蓄電池の前に「家庭用」と付く場合は、主に住宅全体に給電できる設備で、防災や省エネなどに関する機能を搭載している傾向があります。
家庭用蓄電池のタイプ
家庭用蓄電池は大きく分けて、ポータブルタイプと定置タイプに分類されます。それぞれ、メリットとデメリットがあるので、順番に解説します。
ポータブルタイプのメリットとデメリット
ポータブルタイプの家庭用蓄電池は、緊急時の非常用電源として用いられ、機種によっては持ち運びが可能な蓄電池です。正式には「移動式蓄電池」と呼び、次のようなメリットとデメリットがあります。
ポータブルタイプ | |
---|---|
メリット | 携帯性に優れている 緊急時に給電が可能 小型の電化製品を動かしたいときに向いている |
デメリット | 蓄電容量が定置タイプに比べると少ない 事前に充電が必要太陽光発電システムとの連携が出来ない場合がある |
ポータブルタイプの最大のメリットは、持ち運びがしやすいことです。メーカーや商品によってサイズや形状は異なりますが、車に詰め込めたり、スーツケースのように車輪が付いたりしているので、アウトドアでも使える場合があります。
また、自宅が停電になっていても、ポータブルタイプの家庭用蓄電池があればスマホの充電や電気ポット、扇風機、冷蔵庫などの電化製品に給電できるので、万が一の事態に備えておくことができます。
ただし、ポータブルタイプの家庭用蓄電池は定置タイプに比べると貯めておける電力量が少ない傾向があります。そのため、停電が長期間になると対応できない可能性があります。
また、ポータブルタイプは事前に充電しておかないと給電できず、太陽光発電システムと連携できないスタンドアロン型が多いです。台風や大雨などの自然災害で停電する前に、充電しておく手間が発生するので注意しましょう。
定置タイプのメリットとデメリット
定置タイプの家庭用蓄電池は住宅や敷地内で固定されて設置されている蓄電池です。ポータブルタイプのように持ち運びはできませんが、次のようなメリットとデメリットがあります。
定置タイプ | |
---|---|
メリット | ポータブルタイプに比べて蓄電容量が多い 太陽光発電システムと連携しやすい 機種によってはV2H機器とも連携可能 |
デメリット | 持ち運びはできない 設置するためのスペースが必要 ポータブルタイプに比べて高額 |
定置タイプの最大のメリットは、ポータブルタイプに比べて蓄電容量が多いため、停電が長期間に渡っても安心できることです。また、機種によっては住宅全体に給電することが可能なので、停電が起きても普段通りに近い生活を送ることができます。
定置タイプは太陽光発電システムと連携しやすいこともメリットです。例えば、機種によっては停電時でも太陽光発電システムの余剰電力を蓄えて、発電できない時間帯に給電するといった使い方ができます。
ほかにも、EV(電気自動車)に充電や給電を行えるV2H機器とも連携が取れる多機能型(トライブリッド型)の定置タイプなら、住宅の電力コントロールを最適化して、電気代を最小化する効果を期待できます。
ただし、定置タイプはメーカーや機種、蓄電容量によって異なりますが大きいサイズの住宅機器です。地震や突風などで倒れる可能性があるので、住宅に取り付ける、あるいは敷地に設置するためポータブルタイプのように持ち運ぶことはできません。
また、メンテナンスや修理のためのスペースが必要になるので、狭小スペースでは設置できない可能性があります。
そして、定置タイプの最大のデメリットは、ポータブルタイプの家庭用蓄電池に比べて高額なことです。
ポータブルタイプはメーカーや機種によって価格は異なり、5万円~20万円程度で購入できます。なお、導入のために工事が必要ないので、かかる費用は本体価格のみです。
一方、定置タイプはメーカーや機種によって異なりますが、本体価格の相場が50万円~140万円で、導入のための工事費用が20万円~30万円発生するので、相場は80万円~160万円程度になります。
- ポータブルタイプ…5万円~20万円程度
- 定置タイプ…80万円~160万円程度
メーカーや機種、販売業者によって価格は異なりますが、定置タイプの家庭用蓄電池は高額だと覚えておきましょう。
ポータブルタイプと定置タイプの違い
家庭用蓄電池のポータブルタイプと定置タイプのメリット、デメリットは以下の通りです。
ポータブルタイプ | 定置タイプ | |
---|---|---|
メリット | 携帯性に優れている 緊急時に給電が可能 小型の電化製品を動かしたいときに向いている |
ポータブルタイプに比べて蓄電容量が多い 太陽光発電システムと連携しやすい 機種によってはV2H機器とも連携可能 |
デメリット | 蓄電容量が定置タイプに比べると少ない 事前に充電が必要 太陽光発電システムとの連携が出来ない場合がある |
持ち運びはできない 設置するためのスペースが必要 ポータブルタイプに比べて高額 |
上記のメリットとデメリットを比較すると、家庭用蓄電池のポータブルタイプと定置タイプは次の点で違います。
- ポータブルタイプ…短期間の停電やアウトドアなどに活躍する蓄電池
- 定置タイプ…日常的に蓄電池を活用する、あるいは長期間の停電に対応できる蓄電池
ポータブルタイプは太陽光発電システムと連携できないので停電に備えたい場合は事前に充電作業を行っておく必要があります。しかし、蓄電容量が少ない傾向があるので、長期間の停電に対応できるとは言えません。
一方、定置タイプは蓄電容量が多いので長期間の停電に対応でき、機種によっては停電用に電力を常に蓄えているので、突然の停電でもすぐに対応できます。
また、太陽光発電システムと連携が可能なので、停電中に発電した電力を充電しておけば、夕方や夜間でも電力が利用できます。
つまり、家庭用蓄電池のポータブルタイプは短期間の停電やアウトドアなどで活躍しますが、防災目的で家庭用蓄電池を購入するなら定置タイプがおすすめです。
ポータブルタイプの家庭用蓄電池を選ぶポイント
ポータブルタイプの家庭用蓄電池を選ぶポイントは以下の通りです。
- 携帯性
- 蓄電容量
- 充電方法
- 充電速度
- 付属機能
ポータブルタイプの家庭用蓄電池を選ぶ際は、携帯性と蓄電容量のバランスが重要になります。蓄電容量が多いほど停電が長引いても対応できますが、サイズが大きくなるので携帯性は悪くなります。
ポータブルタイプの使い道が防災用なら蓄電容量が多い機種を選び、アウトドアでの給電用として購入するなら携帯性に優れている機種を選びましょう。
また、ポータブルタイプは充電方法も機種によって異なります。一般的な充電方法は家庭用コンセントから電力を溜めますが、機種によってはUSBや別売りの小型ソーラーパネルから充電することも可能です。
ほかにも、ポータブルタイプの家庭用蓄電池によって充電速度や付属機能などが異なるので、選ぶ際にはじっくりと比較してみましょう。
定置タイプの家庭用蓄電池を選ぶポイント
定置タイプの家庭用蓄電池を選ぶ際のポイントは以下の通りです。
- 蓄電容量
- 価格
- 停電時の供給範囲
- 種類
定置タイプの家庭用蓄電池を選ぶ際に重要なポイントは、蓄電容量です。定置タイプは主に防災目的で購入するので、1日の消費電力量を上回る程度の蓄電容量の機種を選びましょう。
一般的な4人家族の1日の消費電力量は約9kWh~約13kWh程度と言われています。最近は10kWh前後の大容量蓄電池も増えてきているので、太陽光発電システムを設置しない場合は大容量蓄電池をおすすめします。
太陽光発電システムを設置しているなら、蓄電容量が9kWh以下の機種でも日中の余剰電力を蓄えて夜間のみの電力供給を行えば、長期間の停電に対応できます。
また、蓄電容量が多いと価格が高くなる傾向があるので、蓄電容量と価格のバランスを比較することも重要です
ただし、家庭用蓄電池は全負荷型と特定負荷型に分かれており、次のような違いがあります。
- 全負荷型…停電時に家全体に給電可能
- 特定負荷型…停電時に特定の部屋だけ給電可能
全負荷型の家庭用蓄電池なら、停電時にすべての部屋に給電ができ、IHクッキングヒーターやエアコンなどの200V機器も利用できます。ただし、全負荷型の家庭用蓄電池は高額な傾向があります。
特定負荷型の家庭用蓄電池は、停電時に設定した部屋に給電することは可能ですが、200V機器を動かすことはできません。特定の部屋や家電製品にしか給電できませんが、停電が長引いたときに対応できる可能性があります。
ほかにも、単機能型やハイブリッド型、多機能型(トライブリッド型)など、定置型家庭用蓄電池は選ぶ際に比較すべきポイントがあるため、ある程度の専門知識が求められます。
まとめ
以上が、家庭用蓄電池のタイプの違いの解説になります。
家庭用蓄電池のポータブルタイプは持ち運びがしやすく、キャンプやバーベキューなどのアウトドアで活躍できる蓄電池です。短時間の停電なら対応できますが、事前に充電しておく必要があるので、防災用としてはあまりおすすめできません。
一方、家庭用蓄電池の定置タイプは蓄電容量が多いため、停電が長引いても対応できる可能性があります。また、太陽光発電システムとの連携がしやすいので、日常生活から緊急時まで様々なシーンで活躍します。
ただし、家庭用蓄電池の定置タイプは高額な商品で、メーカーや機種によって特徴や機能、種類などが異なるので、選ぶ際にはある程度の知識が必要なので、信頼できる販売業者に相談してみましょう。
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