蓄電池
2021/12/08
蓄電池は数年後に安くなるの?今買う場合と将来買う場合のメリットも解説
蓄電池のような電化製品は開発技術の向上や価格競争により、将来購入する方が安くなると思われがちです。実際、家庭用蓄電池の販売価格は10年前と比べると大幅に下がっており、購入しやすい価格になっています。
しかし、家庭用蓄電池は数年後に安くなる可能性は低いと言わざるを得ません。そこで今回は、家庭用蓄電池は数年後に安くなる可能性について解説します。
家庭用蓄電池を今買う場合と、将来買う場合のメリットについても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
家庭用蓄電池の価格の内訳
家庭用蓄電池の価格は次の3つの要素によって構成されています。
- 蓄電池本体の材料費
- 蓄電池本体の組立費
- 蓄電池本体の設置費工事費用
蓄電池の価格の30%以上を占めているのが蓄電池本体の材料費になります。蓄電池の種類やメーカーによって材料費は異なりますが、蓄電池の販売価格は材料費によって決まります。
そのため、家庭用蓄電池の価格が安くなるとしたら、将来的に材料費が下がる可能性が高い場合になります。
なお、家庭用蓄電池を導入する際は設置費や工事費用にも注意しましょう。工務店によっては相場よりも高い料金を請求することがあるため、複数の業者から相見積もりを取って、料金を比較するべきです。
家庭用蓄電池の価格推移
一般的に家庭用蓄電池に使用されている蓄電池は「リチウムイオン蓄電池」になります。次の表は、2009年~2020年までのリチウムイオン蓄電池の価格推移になります。
1kWhあたりの価格 | |
---|---|
2009年 | 15.6万円 |
2010年 | 13.4万円 |
2011年 | 12.0万円 |
2012年 | 14.1万円 |
2013年 | 13.3万円 |
2014年 | 12.6万円 |
2015年 | 11.2万円 |
2016年 | 9.3万円 |
2017年 | 9.7万円 |
2018年 | 10.1万円 |
2019年 | 11.4万円 |
2020年 | 12.2万円 |
上記の価格は経済産業省生産動態統計におけるリチウムイオン蓄電池の出荷金額と容量から算出した数値です。なお、家庭用蓄電池以外の蓄電池に使用されるリチウムイオン蓄電池の価格も含まれているので、おおよその目安となります。
おおよその目安ではありますが、リチウムイオン蓄電池の価格推移を分析することは可能です。
表にあるように、リチウムイオン蓄電池は2009年頃が1kWhあたり約15万円だったのが、2015年頃には約11万円まで下がり、2016年以降は10万円前後が相場となっています。つまり、リチウムイオン蓄電池は2009年頃と比べると、価格は下がっていると分析できます。
価格が下がった要因として上げられるのは、リチウムイオン蓄電池の開発技術が向上したことと、メーカー間の価格競争です。しかし、リチウムイオン蓄電池の価格下落は2017年までで、2018年頃からは上昇しつつあります。
2018年頃から価格が向上しているのは、環境問題への対策として太陽光発電や蓄電池の需要が高まったことと、2020年は世界的に工業生産が難しくなったことで供給が減少したことが原因です。
そのため、社会情勢が落ち着いて需要と供給のバランスが釣り合えば、リチウムイオン蓄電池の価格は10万円のラインを下回るようになると専門家は分析しています。
実際、資源エネルギー庁は家庭用蓄電池の1kWhあたりの単価を9万円以下にすることを目標に掲げています。
また、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は2017年の時点で、蓄電池のコストが2030年までに最大66%低下するのではないかという予想を発表しています。
一方で、リチウムイオン蓄電池の需要は増えつつづけるため、価格は下がらないという分析もあります。
リチウムイオン蓄電池の需要は年々上昇している
リチウムイオン蓄電池は家庭用蓄電池以外にも、スマートフォンやタブレット、電気自動車のバッテリーとして使用されています。これらの商品の需要が高まると、リチウムイオン蓄電池の価値が高まり、結果として価格が上昇する可能性があります。
特に電気自動車は環境問題改善に役立つという理由から中国を中心に多くの国やメーカーが必要としています。ここ5年でリチウムイオン蓄電池の市場規模は増大しており、2022年の市場規模は約7兆3,900億円に達すると予想されています。
2015年には、リチウムイオン蓄電池を構成するレアメタルのリチウムの国際価格が1年間で3倍になり、当時の関係者は「2019年~2020年頃は供給不足に陥るだろう」と予想しており、実際に原材料の供給不足からリチウムイオン蓄電池の価格が上がっています。
リチウムイオン蓄電池に代わる蓄電池が普及しない限りは、価格高騰は避けられません。よって、リチウムイオン蓄電池の価格が下がりにくいと分析することもできます。
家庭用蓄電池の価格が安くなる可能性
家庭用蓄電池の販売価格で最も多くの割合を占めているリチウムイオン蓄電池の需要は年々高まっています。実際、リチウムイオン蓄電池の開発技術や価格競争が進んでいるのに、2019年頃から供給不足となり、価格高騰の傾向にあります。
将来的に見てもリチウムイオン蓄電池の重要性が下がることは考えにくく、レアメタルが大量に手に入らない限りは供給不足が解決することも難しいです。
以上のことから、家庭用蓄電池の価格が今後数年間で安くなる可能性は少ないと予想されます。これまでの価格推移やエネルギー資源庁の発表を見る限りでは、現在の相場が家庭用蓄電池の最安値付近とも言えます。
家庭用蓄電池は今買うべき? 将来買うべき?
家庭用蓄電池の価格が今後下がらないと考えた場合、蓄電池を今買うべきなのか、もっとスペックの高い商品が出るまで待つべきなのか、迷ってしまうかもしれません。
結論から申し上げますと、蓄電池は将来買うよりも今買っておく方がメリットは大きいです。蓄電池を今買う場合のメリットと、将来買う場合のメリットについて順番に解説します。
家庭用蓄電池を今買う場合のメリット
家庭用蓄電池を今買う場合のメリットは、政府の補助金を利用できる可能性があることです。
日本政府は災害対策や環境問題対策として、省エネ性能の高い家電製品の購入を推進しており、高額な補助金を出しているケースがあります。家庭用蓄電池も対象となっており、例えば東京都では上限60万円の蓄電池助成金が行われていました。
補助金制度は原則として予算が決まっており、毎年度の予算額が無くなれば終了となります。そして、補助金制度は毎年必ず行われるとは限りません。
一定の普及率に達すると補助金制度は行われなくなります。実際、政府が給付していた大規模な太陽光発電システムの補助金は2014年に終了しており、2021年時点で再開する情報はありません。
家庭用蓄電池を将来購入するメリット
家庭用蓄電池を将来購入するメリットは、現在販売している蓄電池よりも高性能・多機能な商品を購入できる可能性があることです。
家庭用蓄電池の価格を下げられないことはメーカーも承知しており、2015年頃から高性能・多機能な家庭用蓄電池が登場しています。
高性能・多機能の流れは今後も続くと予想されており、蓄電容量の大型化やサイクル回数の増加、AI機能と連携した新しい機能が搭載される可能性は高いです。
価格が現在販売している製品とそれほど変わらないなら、蓄電容量が増えたり、新しい機能が搭載されていたりする、付加価値の高い家庭用蓄電池の方がコストパフォーマンスは良いといえます。
今購入するのと将来購入するメリットを比較
家庭用蓄電池を今購入した場合と、将来購入した場合のメリットを比較すると次になります。
メリット | |
---|---|
今購入する | 補助金が利用できる |
将来購入する | スペックの高い蓄電池が購入できる |
2つのメリットを比較すると、やはり家庭用蓄電池は今購入するべきだと判断できます。
家庭用蓄電池は太陽光発電システムほど普及しているとは言えず、補助金制度がすぐに終了する可能性は高くありません。
しかし、卒FITが進めば、太陽光発電で生み出した電力は売電から自家消費へと切り替わるようになり、家庭用蓄電池の重要度が増していきます。重要度が増していけば、自然と普及率も高まっていくので、結果として蓄電池の補助金制度が終了してしまいます。
また、日本は災害が深刻化しており、これまで台風の被害が無かった、あるいは少なかった地域でも停電が起きています。蓄電池があれば、機種にもよりますが停電が数日に渡ったとしても、普段の日常に近い生活を送ることが可能です。
被害に遭ってから家庭用蓄電池を購入するよりも、有事に備えて前もって購入するのが望ましいです。
以上の理由から、家庭用蓄電池は将来購入するよりも、補助金制度が利用できる今のうちに購入するのがおすすめです。
ただし、補助金制度は全ての人が対象とは限りません。住んでいる自治体で家庭用蓄電池の補助金制度が無い可能性や、購入を考えている家庭用蓄電池が補助金制度の対象外という可能性があります。
補助金制度の利用を考えている方は、地方自治体の窓口や工務店に相談してみましょう。
まとめ
以上が、家庭用蓄電池は数年後に安くなる可能性についての解説になります。確かに、家庭用蓄電池はここ10年で価格が安くなっており、補助金制度もあって購入しやすくなっています。そのため、数年後には更に安くなるのではないかと思ってしまいます。
しかし、家庭用蓄電池の原材料であるリチウムイオン蓄電池は世界的に見ても需要が高まっており、2019年頃からは需要に対して供給が追いついておらず、価格が徐々にですが高くなっています。
家庭用蓄電池を販売しているメーカーも価格を下げるのは難しいと判断しており、蓄電池に様々な付加価値をすることで商品のクオリティを上げようとしています。以上の理由から、家庭用蓄電池を購入するなら今が望ましいといえます。
エコ突撃隊では、様々なメーカーの家庭用蓄電池を低価格でご提供しております。創業23年、総施工件数25,000件を突破しており、これまで多くのお客様に満足頂いております。家庭用蓄電池のことや補助金制度のことで疑問がございましたら、ぜひエコ突撃隊までご連絡ください。
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