蓄電池
2021/09/27
V2H機器の人気・売れ筋メーカーはどこ?V2H機器の特長を解説
停電時に住宅の電力を供給できるV2H機器は、電気自動車を運転している方にとって便利な製品です。しかし、国内のメーカーは驚くほど少なく、最近では三菱電機が撤退したことで数をさらに減らしています。
そこで今回は、V2H機器の人気・売れ筋メーカーについて解説します。V2H機器を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
V2H機器のメーカー
V2H機器は家庭用蓄電池に比べて製造しているメーカーが少なく、最近では2021年3月に三菱電機が新規受注を終了しています。
そのため、家庭用向けV2H機器を製造している主なメーカーは次になります。
- ニチコン
- デンソー
- 東光高岳
ニチコンのV2H機器
ニチコンは、V2H機器のトップシェアメーカーです。2020年の出荷台数の約7割を占めており、性能や特長を考えるとニチコンのV2H機器を選ぶのがおすすめです。
販売している製品は「EVパワー・ステーション」で、系統連系タイプになります。記事執筆時点ではスタンダードモデルが2種類、プレミアムモデルが1種類の合計3種類があります。
VCG-663CN3
(スタンダードモデル) |
VCG-663CN7
(スタンダードモデル) |
VCG-666CN7
(プレミアムモデル) |
|
---|---|---|---|
サイズ | W 809 × H 855 × D 337mm(突起物除く) | ||
本体質量 | 88kg | 91kg | |
ケーブル | 約3.7m | 約7.5m | |
充電部
(系統連系) |
単相3線式、AC202V、6kW未満 | ||
放電部
(系統連系) |
単相3線式、AC202V、6kW未満 | ||
放電部
(自立出力時) |
単相2線式、AC101V、3kVA未満 | 単相3線式、AC202
V、6kVA未満 |
|
運転時騒音 | 約45dB | ||
保証期間 | 2年 | 5年 |
最大の特徴は倍速充電に対応していることで、200V充電スタンドの約2倍のスピードで充電できます。
日産リーフ(40kW)を200V充電スタンドで充電するなら約13時間もかかりますが、EVパワー・ステーションなら最短8時間、日産リーフの初代モデルなら最短5.5時間で充電が完了します。
EVパワー・ステーションのスタンダードモデル
EVパワー・ステーションのスタンダードモデルはシンプルな基本機能を搭載し、業界でも屈指のリーズナブルな価格となっています。本体スイッチで簡単に操作でき、購入時に2年保証が付きます。
スタンダードモデルは2種類ありますが、機能は同じで違いはケーブルの長さになります。
- VCG-663CN3…ケーブルの長さが約3.7m
- VCG-663CN7…ケーブルの長さが約7.5m
EVから家庭に放電(給電)をしたり、太陽光発電の余剰電力をEVに充電したりするなどを考えていて、なおかつコストパフォーマンスを抑えたい方におすすめの製品です。
EVパワー・ステーションのプレミアムモデル
EVパワー・ステーションのプレミアムモデルは業界でも屈指の高性能なV2H機器です。
スタンダードモデルとプレミアムモデルの違いは次になります。
- 停電時に太陽光発電システムに対応している
- スマートフォンで操作可能
- 200V家電に対応
- 保証年数
スタンダードモデルとプレミアムモデルの大きな違いは、プレミアムモデルは停電時にバックアップ機能があることです。
スタンダードモデルは停電時だと出力が低下し、100Vの電化製品に合計3kVAまでしか給電できません。一方、プレミアムモデルは停電時でも200Vの電化製品に合計6kVAまで給電できます。
つまり、プレミアムモデルだと停電時でもエアコンやIHクッキングヒーターといった200V家電製品を使えるのです。
また、停電時でも太陽光発電と連携できるので、太陽光発電の余剰電力を電気自動車に充電することもできます。夜間は電気自動車に蓄えた電力を消費して暮らせます。
スタンダードモデルの操作はパネルで行いますが、プレミアムモデルはWi-Fiと接続することで、スマートフォンアプリから操作が可能になります。電気自動車の充放電をスタートさせる時間の設定や、過去の稼働履歴なども確認できます。
スタンダードモデルがリーズナブルな価格に対して、プレミアムモデルは価格設定が高くなっています。しかし、多機能高性能なV2H機器のため、停電時でも日常に近い生活を過ごすことができます。停電時の備えとしてV2H機器を検討している方におすすめです。
デンソーのV2H機器
デンソーは自動車開発分野ではトップクラスの技術力を持ったメーカーで、自動車メーカーの視点からV2H機器を開発しています。
製造している「V2H-充放電器」は系統連系タイプです。1種類しか販売されていませんが、夜間電力を活用して電気料金を低減し、停電時でも200V家電製品を動かせるハイスペックな機種になります。
次の表は、デンソーの「V2H-充放電器」の仕様をまとめたものになります。
型式 | DNEVC-D6075 |
---|---|
サイズ | W 809 × H 855 × D 337mm |
本体質量 | 91kg |
ケーブル | 7.5m |
充電部
(系統連系) |
単相3線式、AC202V、6kW未満 |
放電部
(系統連系) |
単相3線式、AC202V、6kW未満 |
放電部
(自立出力時) |
単相3線式、AC202V、6kVA未満 |
運転時騒音 | 40dB-A |
保証期間 | 5 年 |
基本的なスペックはニチコンの「EVパワー・ステーション」と同程度ですが、自立出力時(停電時)の性能は「EVパワー・ステーション」のプレミアムモデルに匹敵します。
そのため、停電時でも太陽光発電システムと連携可能で、200V対応のエアコンやIHクッキングヒーターなどを使用することができます。
また、デンソーではHEMSを別売りしており、「V2H-充放電器」と連携することで、天気予報や過去の発電量から最適なマネジメントを行ってくれます。
例えば、明日の天気が晴れの場合、夜間帯の購入電力でEVを充電しないようにストップし、日中の日差しで発電した電力でEVに充電するようにします。
反対に天気予報が雨の場合は夜間帯の購入電力で充電し、日中の住宅電力をEVから供給できるようにコントロールします。
このようにHEMSと連携すれば、電気代の高い昼間の購入電力量を抑えることができるので、結果として電気代の節約に繋がります。
住宅に太陽光発電を設置しており、売電と自家消費のバランスを自動でコントロールして欲しいと考えている方におすすめのV2H機器になります。
東光高岳のV2H機器
東光高岳は変圧器や配電機器を製造しているメーカーです。製造しているV2H機器は「SmanecoV2H」で系統非連系になります。
次の表はSmanecoV2Hの仕様をまとめたものになります。
型式 | CFD1-B-V2H1 |
---|---|
サイズ | W 580× H 724 × D 310mm |
本体質量 | 80kg |
ケーブル | 3.7m(標準)・7.5m(オプション) |
充電部
(系統連系) |
単相3線式、AC202V、3kW未満 |
放電部
(系統連系) |
単相3線式、AC202V、3kW未満 |
放電部
(自立出力時) |
不可 |
運転時騒音 | 45dB-A |
保証期間 | 不明 |
ニチコンやデンソーのV2H機器に比べると出力が弱いため、多くの家電製品に給電することは難しいです。また、系統非連系のため、停電時に太陽光発電システムから充電することはできません。
ただし、平常時に太陽光発電システムで発電した電力を充電することはできます。
SmanecoV2Hは太陽光発電システムとの相性は悪いですが、系統非連系の持つメリットがあります。
例えば、系統非連系は電力系統の影響を受けずに住宅に給電ができます。そのため、電力会社からの給電がストップしても、高速でV2H機器へと切り替わるので、停電時間が短いです。
また、生活に必要なエアコンやテレビ、冷蔵庫などが連続利用でき、起動時の瞬間的な過負荷にも対応しています。
平常時は家電製品に給電するのと同時に 、契約電力内での最適なEVへの充電ができるのもポイントで、FIT終了後の自家消費に活用できるV2H機器です。
人気・売れ筋メーカーはどこ?
V2H機器を販売している国内メーカーはニチコン、デンソー、東光高岳の3つです。そのなかで、人気・売れ筋メーカーなのはニチコンになります。
ニチコンの「EVパワー・ステーション」はシンプルな機能を搭載しつつコストパフォーマンスにこだわったスタンダードモデルと、停電時に活躍するプレミアムモデルの2種類があります。
どちらも高品質・高性能なこともあり、ニチコンは2020年メーカー別出荷台数シェアで全体の約69%を占めています。
当時の2位は約25%を占めた三菱電機ですが、三菱は2021年よりV2H機器の新規受注を終了しています。そのため、ニチコンは国内V2H機器シェアを独占しているといっても過言ではありません。
V2H機器に接続できる車種は限られており、年式によっては充電上限や放電下限に制限がかかります。しかし、ニチコンの「EVパワー・ステーション」は他のV2H機器と比べて条件が良く、どの車種と組み合わせても高効率を維持できます。
おすすめの組み合わせはEVパワー・ステーションと日産リーフe+との組み合わせです。蓄電容量が60kWhと、他の車種と比べても圧倒的に多いため、太陽光発電がなくても住宅の電力を3日~4日ほど供給できます。
V2H機器と普通充電器の違いは?
V2H機器は電気自動車の電力を住宅用に変換して供給する機器ですが、もう1つの特長もあります。それは、普通充電器(200V)に比べて出力が高いので、充電する時間が短くなることです。
電気自動車は自宅に普通充電器を設置して、自宅で充電をすることは可能です。その際に設置されるのは、200Vの普通充電器ですが、最大出力が3kWか6kWのどちらかになります。
次の表は日産リーフ(40kWh)を満充電するのに必要な時間を比較した物になります。
最大出力 | 満充電までの最短時間 | |
---|---|---|
V2H機器(EVパワー・ステーション) | 6kW | 約7時間 |
200V普通充電器 | 3kW | 約13時間 |
6kW | 約7時間 |
普通充電器で最大出力が6kWの製品もありますが、自宅に設置するケースは少ないため例外と言えます。例外を除くと、V2H機器と200V普通充電器の満充電までの時間差約6時間はかなり大きいです。
停電に備えるためだけでなく、充電時間の短縮を目的としてV2H機器を購入するケースは珍しくありません。
まとめ
以上が、V2H機器の人気・売れ筋メーカーの解説になります。V2H機器で最も勢いがあり、人気の高い製品を販売しているのはニチコンです。販売しているV2H機器は2種類あり、価格や性能が異なるため、自分にとってメリットのある方を選びましょう。
エコ突撃隊ではニチコンのEVパワー・ステーションの販売から設置までを行っています。正規品を低価格でご提供しており、他社とは違うこだわりの施工技術により、多くの方に満足して頂いております。
V2H機器やニチコンのEVパワー・ステーションについてご相談がありましたら、ぜひエコ突撃隊までご連絡ください。
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