オール電化
2024/12/24
深夜電力割引は廃止される?今後の見通しや高騰する電気料金の対策を解説
電力消費は、平均的に見ると朝6時頃から増え始め、19時~21時をピークとして以降翌日早朝まで減少する傾向にあります。エコキュートや電気温水器といった夜間蓄熱機器を設置している家庭に対して、上記の時間帯の電気料金を割引する制度が深夜電力割引です。今回は、この深夜電力割引について解説いたします。ぜひ最後までご覧下さい。
深夜電力とは
深夜電力とは、おもに夜間の時間帯に使用される電力を指します。平均的に見ると電力消費は朝6時頃から増え始め、19時~21時をピークとして以降翌日早朝まで減少する傾向があります。
エコキュートや電気温水器といった夜間蓄熱式給湯器を設置した家庭に対して、上記の時間帯の電気料金高を安く提供する割引制度が深夜電力割引です。
なお、電力会社によって名称は異なり、夜間蓄熱式機器に対する割引サービスや通電制御型夜間蓄熱式機器割引と呼びます。
深夜電力割引の目的
火力発電や原子力発電など発電方法は様々ありますが、基本的に発電所は電力の最大需要時間の電力を満たせるように発電計画を立てています。
しかし、日々の時間帯別の電力需要に対して、柔軟に発電量を変更することは非常に難しく現実的ではありません。
結果として、発電された電力は需要の減る夜間になると、最大需要時間の発電量との差額分だけ余ってしまう事になります。
この問題を解消するべく、日中の電気代を上げ、夜間の電気代を下げることによって深夜電力の使用を促し、余剰電力の消費を促すために作られたのが深夜電力割引です。
この割引は、夜間電力を何らかの形で蓄え、日中に使用できる機器を対象としています。なお、季節や時間帯で電気料金単価が変動するプランとは別物として扱っている電力会社もあるので、混同しないようにしましょう。
深夜電力割引を受けるための条件
深夜電力割引を受けるためには、エコキュートや電気温水器といった夜間蓄熱式機器を設置していることが条件です
エコキュートや電気温水器などの電気を使って湯沸かしをする給湯機器にはお湯を貯蔵するタンクがあります。
深夜電力割引を受けられると、夜間の電気が安い時間帯にお湯を沸かし、日中の電気代が高い時間帯は湯沸かしをせず貯まったお湯を消費していくことで電気代の節約が可能です。
電力会社によって金額は異なりますが、30%~60%程電気代を節約出来る割引がありました。
深夜電力割引の廃止が進んでいる
深夜電力割引はお得であったため、夜間蓄熱式機器を使用した家庭やオール電化住宅などを中心に急激に広まりました。
しかし、2019年ごろから深夜電力割引の廃止が進んでいます。
深夜電力割引の廃止が進む理由は主に2つあります。
- 夜間蓄熱式機器の普及
- 太陽光発電システムの普及
上記を順番に解説します。
夜間蓄熱式機器の普及
深夜電力割引の廃止が進む理由のひとつとして、エコキュートや電気温水器といった夜間蓄熱式機器の普及が挙げられます。
エコキュートは、2001年に日本で始めて製品化されてから、2021年には国内累計出荷台数が800万台を超えました。
元々、深夜電力割引は日中と夜間の電力需要の差を埋めることを目的としており、エコキュートを対象としていたのも普及させることが狙いです。
目的は果たされ、エコキュートの台数は年々増加傾向にあり、夜間電力の需要が激増しました。
当初に比べて電力会社の負担が大きくなっているため、深夜電力割引の廃止が進められています。
参考:一般財団法人 ヒートポンプ・蓄熱センター(https://www.hptcj.or.jp/individual/tabid/149/Default.aspx)
参考:東北電力(https://ecolife-project.tohoku-epco.co.jp/night/)
太陽光発電システムの普及
太陽光発電システムの普及も、深夜電力割引に影響しています。
日本では2020年10月にカーボンニュートラル宣言を行い、温室効果ガスの大幅削減、脱炭素社会の実現を目指しています。
実現のための一環として近年、再生可能エネルギーの導入拡大を進めています。
中でも太陽光発電システムの普及を強く推進しており、2017年段階でも全国平均7.5%の世帯が太陽光発電システムを導入しています。
深夜電力割引が設立した大きな要因として、日中と夜間の電力需要の差を埋める事が目的であることは前述の通りですが、太陽光発電の普及によって日中の電力需要が下がった事も深夜電力の扱いの変化に関わってきます。
太陽光発電システムによって、各家庭が日中太陽光を用いた発電を行い、電力を自家消費し余った電力を電力会社に売電を行う、あるいは蓄電池を用いて電力を蓄え、太陽光発電の発電時間外に使用する、といった事が広まるにつれ、電力需要のピーク時間においても買電需要が減ってきているのです。
以上の事柄から、電力会社は値上げによって収支のバランスを取るため、深夜電力割引廃止に踏み切るケースが出てきています。
参考:環境省(https://www.env.go.jp/earth/ondanka/kateico2tokei/2017/result3/detail3/index.html)
深夜電力割引は今後も廃止されていくのか
2024年12月時点で、次の旧電力会社で深夜電力割引が終了しています。
- 東北電力
- 東京電力
- 中部電力
- 北陸電力
- 関西電力
- 中国電力
現時点でエコキュートや電気温水器などの夜間蓄熱式機器を設置していて割引を受けられるのは、旧電力会社のなかでは四国電力と九州電力、沖縄電力の3社のみです。
また、季節や時間帯で電気料金単価が変動する料金プランの多くが2019年以降新規受け付けを終了、廃止、あるいは値上げなどを行っており、以前に比べると電気料金が高騰している可能性があります。
特に、オール電化住宅は自由料金のため、燃料費調整額に上限がなく、社会情勢や為替の影響によっては電気料金が極端に行とする恐れがあるため、注意が必要です。
高くなっていく電気代にどのように対応していくか
電気料金の高騰の対策は以下の通りです。
- 電力プランや電力会社の見直し
- 電化製品の使用方法の見直し
- 省エネ設備の導入
- 太陽光発電システムや蓄電池の導入
上記を順番に解説します。
電力プランや電力会社の見直し
契約している電力会社が大きな値上げをしてきた場合、電力プランの変更を検討してみると良いでしょう。
プランを検討してみて、それでも良いプランが見つからなかった場合は思い切って電力会社を変更してみるのも一つの手です。
基本料金や安くなる時間等、ご自身の生活スタイルに最もあった電力会社が見つかれば大きく電気代を節約することが出来るかもしれません。
また、大手電力会社と料金は変わらなくても、ポイント還元やスマホ保証といった付帯サービスがつく電力会社も存在しますので、結果的に得になる場合もあります。
ご自身と電力会社の条件をよく見定めてみると良いでしょう。
電化製品の使用方法の見直し
電気料金は電力使用量によって増える可能性があるため、まずは電化製品の使用方法を見直すことから始めましょう。
例えば、エアコンは電気使用量が多い家電製品のため、次の方法で節電すると良いです。
- 冷房温度を下げすぎない、暖房温度を上げすぎない
- 一時間以内の離席なら電源を切らない
- 扇風機やサーキュレーターで空気を循環させる
- 空調機器のフィルターを清掃し、無駄なく運用する
- エアコン等冷暖房使用時は、窓や扉を締め、厚手のカーテンや断熱シートで外気温を防ぐ
エアコンは設定温度を1℃変更するごとに、消費電力が10%増減します。そのため、夏の冷房は28℃、冬の暖房は20℃程度にしてみましょう。
また、エアコンは起動時に一番多く電力を消費します。短い時間にオンオフを繰り返すと、かえって電気料金が高くなる原因になるので、一時間程度の離席なら電源を消さないほうが節約になります。
ほかにも、扇風機やサーキュレーターを併用する、フィルターを定期的に掃除する、窓や扉を閉めて断熱効果を高めるなどの方法でも、節電効果を得られます。
エアコンは家電製品のなかで電力使用量が大きいので、まずはエアコンの節電から始めましょう。
省エネ設備の導入
家電製品によっては、省エネ性能に優れており、ランニングコストの節約に繋がる可能性があります。
例えば、エコキュートは電気と空気の熱を利用してお湯を沸かします。お湯を沸かすために電気が必要な点は電気温水器に似ていますが、空気の熱を用いているため、お湯を沸かすためのランニングコストを大幅に抑えることが可能です。
次の表は、お湯を沸かすためのランニングコストをまとめたものになります。
エコキュート | 電気温水器 | ガス給湯器 | 石油給湯機 | |
---|---|---|---|---|
北海道電力エリア | 約54,000円 | 約184,800円 | 約104,400円 | 約78,000円 |
東北電力エリア | 約48,000円 | 約189,600円 | 約98,400円 | 約70,800円 |
北陸電力エリア | 約42,000円 | 約166,800円 | 約112,800円 | 約70,800円 |
東京電力エナジーパートナーエリア | 約37,200円 | 約158,400円 | 約73,200円 | 約81,600円 |
中部電力エリア | 約25,200円 | 約100,800円 | 約81,600円 | 約67,200円 |
関西電力エリア | 約20,400円 | 約87,600円 | 約75,600円 | 約63,600円 |
中国電力エリア | 約43,200円 | 約176,400円 | 約108,000円 | 約67,200円 |
四国電力エリア | 約44,400円 | 約193,200円 | 約93,600円 | 約66,000円 |
九州電力エリア | 約20,400円 | 約84,000円 | 約102,000円 | 約64,800円 |
沖縄電力エリア | 約27,600円 | 不明 | 約62,400円 | 約55,200円 |
実際のランニングコストは給湯器の性能や家族の人数によって異なりますが、電気温水器やガス給湯器よりも、エコキュートの節約効果は高いです。
10年以上使用していれば、初期費用の差額を回収でき、節約効果を得られる可能性があるので、省エネ設備を導入するならエコキュートを検討しましょう。
太陽光発電システム、蓄電池の導入
電気料金の高騰には太陽光発電システムと蓄電池の導入が有効です。
お住まいの地域によって発電効率は異なりますが、太陽光発電システムによって日中電気を発電し、余剰電力を蓄電池に蓄えて発電外の時間に使用するようにすれば、大幅な電気代の削減が見込めるでしょう。
初期投資が非常に高額なのが問題ですが、今後電気料金が上がり続けた場合、発電設備を自家設置するのが最も賢い選択肢なのかもしれません。
まとめ
以上が深夜電力割引に関する見通しと対策となります。エコキュートや電気温水器などの夜間蓄熱式機器を持っていることで受けられた深夜電力割引は、2024年12月時点で終了している電力会社が多いです。
一部の電力会社では割引制度を行っていますが、受けるための条件が厳しい場合もあるので、内容をしっかりと確認しましょう。
また、将来的に電気料金が高騰する可能性があるので、今のうちに省エネ設備や太陽光発電の導入をおすすめします。
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