太陽光発電
2015/07/12
いくらで買い取ってもらえるの?売電のすべて!
太陽光発電システムを導入予定の人には特に気になる売電について、複雑な制度や2015年最新の売電価格、開始から今までの売電価格の推移など、売電について詳しくご紹介していきます。
そもそも売電とは?
正式名称は「再生可能エネルギー固定価格買取制度」、通称「売電」と呼ばれ、太陽光発電システムを導入している一般家庭や企業が、余った電力を電力会社に売ることを指します。
もともとはクリーンエネルギーの普及を目的としてはじまった制度です。
売電の種類!余剰買取と全量買取
電気を電力会社に買い取ってもらう「売電」には、「余剰買取」と「全量買取」の2種類が存在します。
「余剰買取」とは、10kW未満の主に住宅向けの売電の制度で、発電システムで作った電力のうち、家庭で使い切れなかった「余った電力」を電力会社に買いとってもらうことを言います。
太陽光発電の場合、太陽が出ている日中に発電をします。
日中に電気を使うことが少ない家庭では、発電した電力の殆どを電気を売電出来るため、多くのメリットを得ることが出来ます。
「全量買取」とは、10kW以上の主にマンションや工場などの広い屋根や、太陽光専用の土地といった「産業用太陽光発電」と呼ばれる大規模なシステム向けの売電の制度で、発電した電気をすべて買い取ってもらえる売電制度です。
それぞれの売電方法には条件がありますので、以下に書き出します。
- 余剰買取
ソーラーパネル総出力:10kW未満/固定買取期間:10年間/一般家庭向け - 全量買取
ソーラーパネル総出力:10kW以上/固定買取期間:20年間/企業・学校・メガソーラー向け
ソーラパネル総出力が10kW未満だと余剰電力買取になりますが、一般的な家庭は全て10kW未満なので、おのずと余剰買取制度になります。
最新売電価格と遷移 ※平成22年度(2010年度)~平成27年度(2015年度)
残念なことに、売電価格は年々下がっている傾向にあります。
もともとがクリーンエネルギー促進のために作られた制度のため、太陽光発電システムの普及にともない価格が引き下げられていくのは仕方がないことなのかもしれません。
以下は、平成22年度から今年度にかけての売電価格データです。
平成22年度:48円
平成23年度:42円
平成24年度:42円(全量買取:40円+税)
平成25年度:38円(全量買取:36円+税)
平成26年度:37円(全量買取:32円+税)
平成27年度:33円/kWh(出力制御対応機器無し)、35円/kWh(出力制御対応機器有り)(全量買取:27円 ※7/1~)
なお、10kW未満の余剰買取の場合、売電価格は設置してから10年間、設置した時の価格で固定となります。
固定売電価格は値下がり傾向にありますので、できるだけ早く設置したほうが、高い金額で売電できることになります。
1ヶ月の削減電気料金と売電収入
太陽光発電システムの導入により、毎月どのくらいの利益があるのでしょうか?
売電によって得られる利益には、毎月の電気料金が安くなる「削減電気料金」と、純粋に電気会社へ売ることによって得られる「売電収入」があります。
まず削減電気料金ですが、一世帯あたりの平均電気使用料金は1ヶ月で約13,000円と言われています。
太陽光発電システムの導入によって、平均するとここから毎月約4,000円電気代が安くなります。
次に売電収入ですが、一般家庭の余剰買取制度を前提に考えると、一般家庭の太陽光電池容量を4kWと見込み、1kWシステムあたりの年間発電量を1,000kWhとすると、年間の総発電量は以下のようになります。
4kW/容量×1,000kWh/年=4,000kWh/年
ここから、年間の日中使用電気量1,700kWhを差し引くと、売電することができる年間の余剰発電量は2,300kWhになります。
4,000kWh/年-1,700kWh/年(日中使用電気量)=2,300kWh/年(余剰発電量)
余剰発電量は月平均230kWhとなり、毎月約7,000円の売電収入を見込むことができます。
結論は
削減電気料金4,000円+売電収入7,000円=11,000円
が、平均的な毎月の売電利益ということになります。
ただしこの数字は平均的なものであり、ご自宅の環境や太陽光発電の種類等に左右されるので、あくまでも太陽光発電システム導入のための目安としてお考えください。
売電のお金は国民が払っている?
既にご存知の方も居られるかもしれませんが、実は売電のとき電力会社が払うお金は、我々国民が支払っているのです。
「え、うそっ?払った記憶がない!」
と思う方もいるかもしれませんが、電力会社から届く電気代の明細に「再エネ発電賦課金等」という名前で、毎月数百円を支払っているのです。
私達が払うこの「再エネ発電賦課金等」は、正式には「再生可能エネルギー促進賦課金」という名前で、電力会社が太陽光発電等の電力を買い取る資金源となっているのです。
国(地方の電力会社)だけじゃない!電気の売り先
おうちで発電して、「余った電力」を買い取ってもらうところは、国(地方の電力会社)だけではありません。最近では「プレミアム売電」と呼ばれる、新電力業者へ買い取ってもらう方法が現れはじめました。
プレミアム売電の大きな特徴でありメリットは、「売電価格が国(地方の電力会社)よりも高くなる」という点です。
したがって、新電力業者へ売電するプレミアム売電へ切り替えることで、売電収入を増加させることができます。
売電のお申し込み方法
売電契約を行うためには、太陽光発電システムの工事完了後、施工業者・電力会社・設置者(受給契約者)の3者が立ち会い、設備の確認を行う必要があります。
電力受給契約の申込は、施工業者が電力会社へ行うのが一般的です。
売電契約を結ぶためには、以下の2つの条件を満たす必要があります。
- 国から「設備認定」を受けている太陽光発電システムであること。
- 年度末までに、系統連系契約の申込み手続きを済ませること。
(参考)一般社団法人太陽光発電協会
http://www.fit.go.jp/
この条件をクリアし、年度内に売電契約を結ぶためには、
最低でも一ヶ月かかる「設備認定」を、少なくとも2月中旬までに申し込む必要があります。
また一般家庭にはあまり関係がありませんが、50kWを超える産業用太陽光発電システムの場合、売電契約の前に「接続検討」を申し込む必要があります。
接続検討とは企業などの大規模な電力買い取りの場合に、電力会社が専門的な調査を行うことで、2~3ヶ月の期間と諸経費20万円が必要です。
売電収入の受取方法
余剰電力を売って得た売電収入は、電力受給契約時に「電力受給契約申込書」にて指定した銀行口座に振り込まれます。
また、電気使用料金の支払いと同じ口座を指定していたとしても、双方の料金が相殺はされることはなく、それぞれ別に請求、支払いが行われます。
売電で確定申告が必要?
サラリーマンの方は年間20万円を超える雑所得がある場合確定申告が必要ですが、売電による収入はこの雑所得にあたります。
しかし、多くの場合太陽光発電で発生した売電収入では、確定申告をする必要がありません。
その理由として、設備費用によって求められる経費が重要になります。
経費は、設置費用×償却率×按分率によって求められます。
その経費を売電収入から引くと、多くの場合、確定申告が必要な20万円を下回ります。
よって、確定申告が不要な場合が多いのです。
用語説明
- 償却率=1÷耐用年数(※一般的な耐用年数は17年)
- 按分率=売電にまわる余剰電力の割合
- 経費=設置費用×償却率×按分率
- 所得=売電収入-経費
例として、売電収入が年間23万円だった場合で考えてみましょう。
その他の数値は一般的なものを使います。なお、耐用年数は17年とします。
経費=200万円(設置費用)×0.058(償却率)×0.8(按分率)=92,800円
次に、売電収入から経費を引きます。
売電収入:230,000円 - 経費:92,800円 = 137,200円
その結果、雑所得は137,200円となり20万円を下回るので、確定申告は不要です。
なお、売電以外で雑所得を得ている方は、雑所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要になりますので注意してください。
まとめ
- 売電とは「再生可能エネルギー固定価格買取制度」の俗称で、電力会社に余剰電力を買い取ってもらうことをいいます。
- 売電には余剰買取と全量買取があり、一般家庭は余剰買取、企業や学校などは全量買取なのが一般的です。
- 売電価格は年々値下がりしており、平成27年度は出力制御対応機器無しで33円/kWhとなっています。
- 平均的な毎月の売電収入は約7,000円で、削減電気料金とあわせた売電による利益は、毎月約11,000円となります。
- 電力会社が私達から電力を買う資金は、再エネ発電賦課金等という形で国民全員が支払っています。
- 最近では地方電力会社以外にも、プレミアム売電といって、新電力業者に販売することも可能になっています。
- 売電収入は指定した銀行口座に振り込まれます。
- 売電収入は経費が引かれるので、ほとんどの場合確定申告は必要ありません。
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