太陽光発電
2019/11/21
太陽光発電システムに必須アイテム・パワーコンディショナーとは?
ほぼ全ての太陽光発電システムに必須のパワーコンディショナーを知ることによるメリットを解説していきます。太陽光発電の発電量を左右するパワーコンディショナーのそもそもの役割や、種類、選び方、寿命などに関して解説していきます。
パワーコンディショナーとは?
まずパワーコンディショナーとは、太陽光発電システムを設置する際にほぼ必ず必要なものです。役割を簡潔に説明すると、太陽光発電パネルで発電した電気を、一般家庭の家電製品が使えるような電気に変換している機械です。
具体的にはどういうことか?
まず太陽光発電は「システム」で構成されています。そのため「太陽光発電システム」と一般的には言います。このシステムは、一般住宅であれば屋根の上に並べた太陽光発電パネルに、日光が当たって発電をして電気を作ります。
この太陽光発電パネルで発電して作った電気は「直流」の電気になります。この直流電気は一般家庭ではそのまま使用することができず、家庭で使用できる「交流」に変換する必要があり、その役割を担っているのがパワーコンディショナーになります。
そのため太陽光発電システムは、太陽光発電パネルと、このパワーコンディショナー、その周辺機器や屋根にパネルを固定する屋根架台等とのセットで初めて成り立ちます。
太陽光発電パネルの製造メーカーと、パワーコンディショナーの製造メーカーは必ずしも合わせなくても稼働できる場合があります。ただし、保証の関係もあるため基本的にはパネルとパワーコンディショナーは同一メーカーでシステムを組んだ方が無難です。
系統連携の調整もする
パワーコンディショナーは電力会社と太陽光発電で作った電気のやりとりの調整も行ってくれています。この機能は「系統連系」を行う際に非常に重要な役割です。
「系統連携」とは、太陽光発電システムを設置する家庭は、太陽光発電で作った電気は
1、自分の家で消費する
2、発電量>消費量となった場合、余剰電力を電力会社へ売電する(電気を逆流させる)
という優先順位で、電気のやりくりをリアルタイムに行います。太陽光発電はその特性上、天気によって刻々と発電量が変化します。電力会社から来ている系統電源(電線から来る電気)は基本的には安定している電気がきますが、この系統に不安定な太陽光発電の電気を直接つないでしまうと、自分の家だけでなく周辺の家や電線等のシステムに故障や事故を招く恐れがあるため、このパワーコンディショナーで調整をかけています。
どんな形をしている?
パワーコンディショナーの外形や大きさは、メーカーや容量によっても異なりますが、概ね分電盤より1~2まわりぐらい大きい箱です。(シルバーや白色等が多いです)
パワーコンディショナーの種類に関して
パワーコンディショナーには様々な種類があります。
「集中型」?「マルチストリング型」?
まず大きく分類がわかれるのが「集中型」と「マルチストリング型」になります。
この説明は太陽光発電パネルの接続方法が大きく関わっています。
まず太陽光発電パネルは、1枚1枚を直列で繋いで1本になるように繋がれます。メーカーや機種にもよりますが、住宅用太陽光発電システムであれば大体3枚~多くても7、8枚までを1本として繋ぎます。
集中型の場合は、この直列で繋いだ太陽光発電パネルの枚数を全て合わせる必要があります。
例えば4回路接続できるパワーコンディショナーであれば、5枚直列で繋いだ回路を4回路にして、5枚×4回路で合計20枚という具合に接続します。
そのため住宅用の集中型パワコンを使う場合は、大体3、4、5のいずれかの倍数の総枚数のパネルで構成されることがほとんどです。
それに対して、屋根の形が歪であったり、1枚でも多く屋根に載せたい等の場合は「マルチストリング型」を使います。
集中型との違いは、この回路ごとに枚数を合わせなくても良い、という点です。
仕組みとしては、「昇圧機能」がパワーコンディショナーに内蔵されており、各回路に接続されている枚数が異なって、出力が全然違う電気を同時に受け取ることができる機能です。
「マルチストリング型」は集中型に比べて価格が割高になりますので、基本的には集中型を採用することが多いです。
「室内用」?「室外用」?
そしてメーカーや機種によっては、「室内用」もあれば「室外用」もあります。
結論から言えば、どちらが良くてどちらが悪いということはありません。
室内用であれば、洗面所や納戸、玄関や廊下等の居室でない箇所の壁面に設置されるケースが多いです。理由としては、パワーコンディショナーはメーカー等によっては低周波の音が出ます。(キーンという低い音で、聴こえるか聴こえないかぐらいの小さい音)
この低い音が聴こえない人の方が多いのですが、小さいお子さんや、音に敏感な方は聴こえるケースがあるため、リビングや寝室での設置は基本的には避けます。
洗面所での湿気を心配される方もいらっしゃいますが、直接水をかけたりしない限りは問題ないので、ご心配不要です。
屋外用については、直射日光が当たりにくい北面の外壁に設置されることが多いです。屋外用のため雨や紫外線には強いように設計されていますが、真夏の直射日光などで熱くなりすぎると内部の基盤等に悪影響が考えられるため、北側などの直射日光はあまり当たらないところへの設置をおすすめしています。
ただし、先ほどの低周波の音が隣地の方から気になる、というクレームを受けることがまれにあるため、設置場所は隣地の方の間取りや配置を気にして設置することをおすすめします。
パワーコンディショナーの選び方
基本的には、お施主さんが自分でパワーコンディショナーを選択することはほとんどないと思われますが、上記の種類を理解していると効率の良い設置ができます。
パワーコンディショナーの性質をしっかり理解していると、ご自身の家の屋根に最適なパワーコンディショナーはどれか?がわかります。
まずは屋根の形と大きさ、屋根の方位ごとに太陽光発電パネルを何枚並べれるかが重要になってきます。
先ほどの集中型の説明に記載通り、大体1台ごとに3、4、5の倍数の太陽光発電パネルが接続できます。メーカー等にもよりますが、1台に通常で接続できる限界は25枚前後としているメーカーがほとんどです。(最も一般的な5kw前後パワコン)
コツとしては、1台あたり20万円台~50万円前後するパワーコンディショナーは初期費用に大きく関わってきますが、効率よく設置することです。
例えば30枚載せる面積がある住宅があるとします。
採用メーカーでは1台あたり25枚接続できるパワーコンディショナーが最大だったとします。
1、1台のパワーコンディショナーで25枚だけ設置するケース
2、30枚屋根に載るので、どうしても30枚設置したいケース
1の場合は、1台のパワーコンディショナーに対して最大積載しているため、1枚あたりのパワコンに掛かる費用は最も割安になります。
2の場合は、2台のパワーコンディショナーに30枚を分けて繋ぐため1枚あたりに掛かるパワコンの費用が割高になります。(その場合、容量の小さいパワコンで選択するが、それでも割高になるケースが多い)
このため、太陽光発電システムはパワーコンディショナーの接続枚数に左右されます。
新築の場合(屋根形状がこれから計画できる場合)
新築で屋根形状が計画できる場合は、ご自身が搭載したい容量とパネル枚数から屋根の面積や形を決定することができます。
リフォームや新築分譲住宅で後付けの場合(屋根形状が決まって変えられない場合)
屋根形状があらかじめ決まっている場合は、集中型もしくはマルチストリング型どちらが最適か?は業者の方に屋根面積や方位を確認してもらって、ベストな設置枚数のバランスがありますので提案をもらって決定してください。
「変換効率」と「最大定格出力」とは?
性能の指標になる2つのポイントです。
「変換効率」はその名の通り、太陽光発電パネルの電気を、ロスがなく変換できる効率です。この効率が各社95%前後のところが現在は多いですが、この変換効率が良いと使える電気が多くなる、ということになります。
「最大定格出力」とは、住宅用パワーコンディショナーでは3kW~5.9kW前後が主流ですが、簡潔に説明すると1台で一気に作れる電気の最大量です。そのため、例えば5.5kwのパワーコンディショナーに太陽光発電パネルを6kw繋いでいても、概ね5。5kwぐらいまでしか電気が作れないということです。
ただ、実際は発電時のロスや気温、日射量、日射角度、大気の状況等の様々な要因で6kw接続していても6kw発電することは1年でも稀のため、太陽光発電の容量が多少多くてもほとんど問題はありません。
自立運転に関して
系統(電力会社からの電気)が停電をした際に、自立運転という形で系統から切り離して発電した電気をそのまま使うことができます。
機種にもよりますが、切り替えはリモコンや本体から行い、本体やあらかじめ決まっているコンセントから電気を取り出すことができます。
最大で1500Wの電気が取り出すことができますが、天候によって左右されることと、安定した電気でない為モーター等を使う家電はうまく動かない可能性がありますが、それでも非常用にはなる便利な機能です。
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