オール電化
2023/04/22
沖縄電力の値上げは幾らになる?規制料金と自由料金の値上げについて分かりやすく解説
2023年4月1日より、大手電力会社の規制料金は値上げする予定でしたが、審査が長引いているため4月上旬時点でいつ実施されるかは不明です。 一方、沖縄電力は自由料金の値上げを2023年4月1日より実施しています。今回の値上げによる影響はかなり大きいため、沖縄電力の自由料金を契約している方は注意しましょう。
そこで今回は沖縄電力の値上げについて解説します。なお、本記事は2023年4月上旬時点での情報に基づいて作成しているので、最新の情報と異なる場合があります。
沖縄電力は2023年4月1日に自由料金の値上げを実施した
沖縄電力は燃料価格の高騰や電力市場価格の上昇、社会情勢の変化などを受けて2023年4月1日に自由料金の値上げを実施しています。
自由料金とは、事業者の判断で自由に設定できる料金プランのことです。燃料費調整額に上限がなく、料金プランごとにメリットや電気料金の仕組みなどが異なります。
値上げ幅や値上げ率はプランによって異なりますが、家庭向け自由料金の場合は40%程度の値上げが予想されるため、家計に大きな影響を与える可能性が高いです。
そのため、沖縄電力で自由料金を利用している方は、値上げ率の確認や電気料金の見直しなどを検討しましょう。
沖縄電力の規制料金の値上げはいつ実行される?
規制料金とは、電気料金の値上げを行うには国の認可が必要になる料金プランのことです。
沖縄電力の場合は従量電灯と低圧電力などが該当し、本来なら自由料金と同時に次のような値上げが実行される予定でした。
1ヵ月の使用電力量 | 値上げ前 | 値上げ後 | 値上げ額 | 値上げ率 | |
---|---|---|---|---|---|
従量電灯 | 260kWh | 8,847円 | 12,320円 | 3,473円 | 39.3% |
低圧電力 | 560kWh 夏季:196kWh その他季:364kWh |
22,738円 | 30,219円 | 7,481円 | 32.9% |
実施されれば、自由料金の値上げと同様に家計への深刻な影響が予想されますが、2023年4月上旬時点で、規制料金の値上げがいつ実行されるかは不明です。
規制料金の値上げは政府の審査によって認められないと実施できません。
今回、沖縄電力を含めた大手電力会社7社が30%~40%程度の値上げを申請しており、国民への影響が不安視されているため、審査が長引いています。
また、燃料価格は電力会社が値上げの申請を行った時点からある程度減少傾向にあるため、政府は電力会社に申請した値上げ率の引き下げを要求しており、北陸電力を除いた6社は新しい値上げ率を再申請しています。
沖縄電力の場合は、平均43.8%の値上げが平均40.9%の値上げ率に引き下げられています。現在は、再申請された内容に基づいて審査が行われていますが、記事執筆時点ではいつ規制料金の値上げが実施されるかは不明です。
沖縄電力の値上げで電気料金は幾らになった?
沖縄電力は自由料金の大幅な値上げを実行しており、使用電力量によっては電気料金が高額になる可能性があります。沖縄電力の自由料金を契約している方は、2023年4月1日以降の電気料金を確認しましょう。
なお、正確には電気料金の見直しなので、見直し前・後と記載するべきですが、本記事では理解のしやすさを優先して、値上げ前・値上げ後としております。
従量電灯plus
「従量電灯plus」は規制料金「従量電灯」と同じ料金単価で、電気料金に応じて会員サイト「おきでんmore-E」にて使用できるポイントが貯まる自由料金です。電気量料金は使用電力量に応じて割高になるので、節約したい方は使用電力量を減らすようにしましょう。
なお、ポイントは200円に付き、1ポイント付与されます。
区分 | 単位 | 値上げ前 | 値上げ後 | |
---|---|---|---|---|
最低料金 | 最初の10kWhまで | 1契約 | 442.18円 | 661.32円 |
電力量料金 | 10kWh~120kWhまで | 1kWh | 26.93円 | 42.13円 |
120kWh~300kWhまで | 32.47円 | 47.67円 | ||
300kWh~ | 34.45円 | 49.65円 |
例えば、1カ月の使用電力量が260kWhの家庭の場合、値上げ前の電気料金が8,868円だったのに対して、値上げ後は12,435円に上がり、値上げ率は40.02%で、値上げ額は3,567円です。
グッドバリュープラン
「グッドバリュープラン」は使用電力量によって電気量料金が変動する自由料金です。「従量電灯plus」に似ている料金設定ですが、120kWh~300kWhと300kWh~の電力量料金が若干安いです。
区分 | 単位 | 値上げ前 | 値上げ後 | |
---|---|---|---|---|
最低料金 | 最初の10kWhまで | 1契約 | 442.18円 | 661.32円 |
電力量料金 | 10kWh~120kWhまで | 1kWh | 26.93円 | 42.13円 |
120kWh~300kWhまで | 31.99円 | 47.19円 | ||
300kWh~ | 33.32円 | 48.52円 |
例えば、1カ月の使用電力量が260kWhの家庭の場合、値上げ前の電気料金が6,960円だったのに対して、値上げ後は10,981円に上がり、値上げ率は57.77%で、値上げ額は4,021円です。
プレミアムバリュープラン
「プレミアムバリュープラン」は使用電力量が一定段階までは電気料金が一定の自由料金です。沖縄電力の「プレミアムバリュープラン」の場合、400kWhまでは基本料金で、400kWhからは1kWhあたりの従量制料金になります。
区分 | 単位 | 値上げ前 | 値上げ後 | |
---|---|---|---|---|
基本料金 | 400kWhまで | 1契約 | 12,182.00円 | 18,329.10円 |
電力量料金 | 400kWh~ | 1kWh | 30.35円 | 45.55円 |
プレミアムバリュープランの基本料金の値上げ率は50.46%で、値上げ額は6,147円です。なお、グッドバリュープランで1ヵ月の使用電力量が400kWhの場合の電気料金は月額17,225円になり、プレミアムバリュープランの基本料金より抑えられています。
一方で、1ヵ月の使用電力量が500kWhの場合、グッドバリュープランは21,723円、プレミアムバリュープランは21,114円となります。
つまり、プレミアムバリュープランは毎月500kWh以上消費する家庭におすすめの料金プラです。
時間帯別電灯
時間帯別電灯とは、時間帯によって電気量料金が変動する自由料金です。沖縄電力の場合、毎日午前7時から午後11時までは従量制料金、午後11時から翌午前7時までは常に同じ料金となります。
区分 | 単位 | 値上げ前 | 値上げ後 | ||
---|---|---|---|---|---|
最低料金 | 1契約 | 858.00円 | 925.10円 | ||
電力量料金 | 昼間時間 | 90kWhまで | 1kWh | 30.57円 | 45.69円 |
90kWh~230kWhまで | 37.00円 | 52.12円 | |||
230kWh~ | 39.29円 | 54.41円 | |||
夜間時間 | 1kWh | 16.03円 | 31.59円 | ||
5時間通電機器割引 | 1kW | 220.00円 | 220.00円 | ||
通電制御型夜間蓄熱式機器割引 | 1kW | 165.00円 | 165.00円 | ||
最低月額料金 | 1契約 | 462.00円 | 462.55円 |
例えば、1カ月の使用電力量が260kWhの家庭で昼間時間の割合が多い場合、値上げ前の電気料金が6,459円だったのに対して、値上げ後は10,513円に上がり、値上げ率は62.76%で、値上げ額は4,054円です。
Eeホームホリデー
Eeホームホリデーは季節と時間帯によって電力量料金が変動する自由料金です。平日午前10時から午後5時までを昼間時間として、7月1日~9月30日までを夏季、残りの期間をその他季とします。
また、平日午前7時から午後10時と午後5時から午後11時までは生活時間、午後11時から翌午前7時までを夜間時間として、電気量料金が異なります。
区分 | 単位 | 料金単価 | |||
---|---|---|---|---|---|
値上げ前 | 値上げ後 | ||||
最低月額料金 | 1契約 | 1,650.00円 | 1717.10円 | ||
電力量料金 | 昼間時間 | 夏季 | 1kWh | 57.35 円 | 58.47円 |
その他季 | 53.86 円 | 54.98円 | |||
生活時間 | 45.18円 | 46.30円 | |||
夜間時間 | 29.16円 | 30.72円 | |||
Eeプラン割引 | 1契約 | 割引対象額×10% | 割引対象額×10% | ||
Eeプラン割引上限額 | 1契約 | 3,300.00 | 3,300.00 |
例えば、1カ月の使用電力量が260kWhの家庭で昼間時間の割合が多い場合、値上げ前の電気料金が20,615円だったのに対して、値上げ後は20,805円に上がり、値上げ率は0.92%で、値上げ額は190円です。
なお、沖縄電力にはEeホームホリデーに似ている料金プランとして、EeホームフラットとEeビジネスがあります。
【Eeホームフラット】
区分 | 単位 | 料金単価 | ||
---|---|---|---|---|
値上げ前 | 値上げ後 | |||
最低月額料金 | 1契約 | 1,650.00円 | 1717.10円 | |
電力量料金 | 昼間時間 | 1kWh | 47.13円 | 48.25円 |
夜間時間 | 29.16円 | 30.72円 | ||
Eeプラン割引 | 1契約 | 割引対象額×10% | 割引対象額×10% | |
Eeプラン割引上限額 | 1契約 | 3,300.00 | 3,300.00 |
【Eeビジネス】
区分 | 単位 | 料金単価 | |||
---|---|---|---|---|---|
値上げ前 | 値上げ後 | ||||
最低月額料金 | 1契約 | 1,650.00円 | 1717.10円 | ||
電力量料金 | 昼間時間 | 夏季 | 1kWh | 58.22円 | 59.34円 |
その他季 | 54.73円 | 55.85円 | |||
生活時間 | 45.49円 | 46.61円 | |||
夜間時間 | 30.03円 | 31.59円 | |||
5時間通電機器割引 | 1kW | 220.00円 | 220.00円 | ||
通電制御型夜間蓄熱式機器割引 | 1kW | 165.00円 | 165.00円 | ||
Eeプラン割引 | 1契約 | 割引対象額×10% | 割引対象額×10% | ||
Eeプラン割引上限額 | 1契約 | 3,300.00 | 3,300.00 | ||
最低月額料金 | 1契約 | 462.00円 | 858.55円 |
沖縄電力の自由料金の値上げ率と値上げ額
1ヵ月の使用電力量が260kWhの家庭での値上げ率と値上げ額は以下の通りです。
値上げ前 | 値上げ後 | 値上げ率 | 値上げ額 | |
---|---|---|---|---|
従量電灯plus | 8,868円 | 12,435円 | 40.02% | 3,567円 |
グッドバリュープラン | 6,960円 | 10,981円 | 57.77% | 4,021円 |
プレミアムバリュープラン | 12,182円 | 18,329円 | 50.46% | 6,147円 |
時間帯別電灯 | 6,459円 | 10,513円 | 62.76% | 4,054円 |
Eeホームホリデー | 20,615円 | 20,805円 | 0.92% | 190円 |
上記の電気料金はあくまでもシミュレーションの結果であり、実際の電気料金とは異なる可能性があります。しかし、沖縄電力の自由料金の値上げはEeホームホリデーを除けば、どれも値上げ率が高いです。
政府の補助金により実際に支払う金額は異なる
政府は2023年1月から2023年10月までの電気料金の負担軽減策として、1kWhあたり7円の補助金を出しています。補助金は政府から電力会社に直接支払われているので、利用者の元に届く請求書の金額は補助金額が差し引かれたものになります。
例えば、グッドバリュープランに契約していて、1ヵ月の使用電力量が260kWhの家庭の場合、電気料金は10,981円ですが、政府の補助金1,820円(7円×260kWh)が差し引かれて、実際に支払う金額は9,161円です。
電気料金の値上げの対策
政府の補助金が支給されているとはいえ、沖縄電力の自由料金の値上げによる負担は大きいです。政府の補助は10月までなので11月以降に実際に支払う電気代は1kWhあたり7円の増額となるので、将来的に負担は増します。
また、規制料金も平均40.9%の値上げを行う予定を考えると、沖縄電力を契約している方は電気料金の値上げの対策を行うと良いでしょう。
電気料金の値上げの主な対策は以下の通りです。
- 使用電力量を減らす
- 契約しているプランや電力会社を乗り換える
- 省エネ性能の高い住宅機器を導入する
上記を順番に解説します。
使用電力量を減らす
電気料金を節約するなら、使用電力量を減らすことが重要です。基本的に使用電力量が少ないほど、電気料金は安くなります。
例えば、グッドバリュープランに契約している場合、1ヵ月の使用電力量を170kWhまで減らせば、値上げ前の260kWhの電気料金と同程度になります。
そのためには、照明をつける時間を短くする、エアコンの設定温度や時間に注意するなどの節電を試してみましょう。
また、使用電力量を減らすなら太陽光発電や蓄電池などを導入して、自家発電による使用電力量の減少も選択肢の1つです。
契約しているプランや電力会社を乗り換える
節電だけでは使用電力量が減らない、あるいは太陽光発電や蓄電池を設置できないなどの場合は、契約している料金プランを見直してみましょう。
沖縄電力の自由料金はそれぞれ特徴が異なり、ライフスタイルや電気の使い方によっては割高になってしまうことがあります。
電力の自由化により別の電力会社への乗り換えがしやすくなっています。料金プランを比較して、家庭に合ったプランへの乗り換えを検討してみると良いです。
省エネ性能の高い住宅機器を導入する
使用電力量を減らす方法として、省エネ性能の高い住宅機器を導入する方法もあります。
例えば、エコキュートは電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器です。ほかの給湯器に比べてお湯を沸かすための年間ランニングコストが次の表にように抑えられています。
エコキュート | 電気温水器 | 石油給湯機 | ガス給湯器 | |
---|---|---|---|---|
北海道電力エリア | 約32,400円 | 約108,000円 | 約81,600円 | 約109,200円 |
東北電力エリア | 約21,600円 | 約80,400円 | 約73,200円 | 約104,400円 |
北陸電力エリア | 約20,400円 | 約82,800円 | 約72,000円 | 約118,800円 |
東京電力エナジーパートナーエリア | 約24,000円 | 約102,000円 | 約67,200円 | 約78,000円 |
中部電力エリア | 約24,000円 | 約99,600円 | 約68,400円 | 約87,600円 |
関西電力エリア | 約20,400円 | 約86,400円 | 約64,800円 | 約81,600円 |
中国電力エリア | 約22,800円 | 約91,200円 | 約68,400円 | 約112,800円 |
四国電力エリア | 約26,400円 | 約126,000円 | 約67,200円 | 約99,600円 |
九州電力エリア | 約18,000円 | 約78,000円 | 約66,000円 | 約108,000円 |
沖縄電力エリア | 約10,800円 | 不明 | 約56,400円 | 約54,000円 |
実際のランニングコストはエコキュートの性能や家族の人数によって異なりますが、沖縄電力エリアでガス給湯器から買い替えれば、年間約43,200円の節約が期待できます。
自由料金の時間帯別電灯やEeビジネスにはエコキュートを使用していると電気料金の割引が受けられるので気になる方は電気料金のシミュレーションを行ってみましょう。
まとめ
以上が、沖縄電力の値上げの解説です。2023年4月1日より、沖縄電力の自由料金は40%以上の値上げを実施しており、契約しているプランによっては電気料金が高額になる可能性が十分に考えられます。
また、記事執筆時点では未定ですが、規制料金も平均40.9%の値上げを予定しているため、多くの方に影響を与えます。そのため、沖縄電力を契約している方は、プランを変更するか、節電のために太陽光発電や蓄電池、エコキュートなどの導入を検討してみましょう。
「エコ突撃隊」では、太陽光発電や蓄電池、エコキュートなどの電気料金の値上げ対策になる住宅機器を販売しています。電気料金の値上げを抑えたいと考えている方は、ぜひご相談ください。
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