オール電化
2026/06/24
マンションの電気温水器の寿命は何年?交換時期やエコキュートへの変更について解説

マンションの電気温水器は、10~15年程度が一般的な寿命の目安とされています。故障や不具合が増えてくると、マンションオーナーの方は修理だけでなく交換も検討しなければなりません。そこでこの記事では、電気温水器の寿命や交換時期のサイン、エコキュートへの変更について詳しく解説していきます。
1.オール電化マンションが増えている理由とは?

近年、ガスを併用せず電気のみで生活をまかなうオール電化マンションが増えています。まずは、オール電化マンションが増えている理由や、メリット・デメリットなどを押さえましょう。
1-1.オール電化マンションとは?
オール電化マンションとは、給湯設備や調理器具、冷暖房などに使用するエネルギーのすべてを、電気でまかなうマンションのことです。以前はガスと電気を併用する住宅が大部分だったものの、近年オール電化のマンションが増加傾向にあります。
1-2.オール電化マンションが増えた理由とは?
オール電化マンションが増えている背景としては、省エネ性能の向上や安全性への関心の高まりがあります。また、電力会社による深夜電力料金プランの普及によって、給湯にかかるランニングコストを抑えた仕様になったことも、普及を後押ししました。
近年では、省エネ設備を導入したマンションの需要が高まっており、オール電化仕様を採用する物件も増えています。
1-3.オール電化マンションのメリット
オール電化マンションのメリットは、火災やガス漏れのリスクを軽減できる点です。また、光熱費を電気料金に一本化できるため、管理しやすい利点もあります。
さらに、深夜の割安な電力を活用する給湯設備を導入することで、ランニングコストの削減が期待できる場合もあります。
1-4.オール電化マンションのデメリット
オール電化マンションには多くのメリットがある一方で、停電時には給湯設備や調理機器が使用できなくなる可能性があります。また、給湯設備の更新時にはまとまった費用が必要になるため、計画的な設備管理が重要です。
2.オール電化マンションの給湯設備は電気温水器とエコキュートが中心
給湯器には、エネルギー源としてガスを使用するものもありますが、オール電化マンションで採用できるものは電気温水器またはエコキュートの2種類が主流です。電気温水器とエコキュートはどちらも電気を利用してお湯を作る設備ではあるものの、仕組みやランニングコストなどに違いがあります。
2-1.電気温水器の仕組み
電気温水器は、タンク内に設置されたヒーターで直接的に水を温める給湯設備です。お湯を使うたびに瞬間的に必要量だけお湯を沸かす「瞬間式」と、あらかじめ沸かしておいたお湯をタンクにためておく「貯湯式」がありますが、貯湯式が主流です。
電気温水器は比較的シンプルな構造で耐久性が高く、マンションにおいても多く採用されてきました。一方で、お湯を作るのに電気を使用するため、消費電力が大きくなりやすいのは避けられません。
2-2.エコキュートの仕組み
エコキュートも、電気温水器と同様に電気を使用してお湯を沸かす給湯設備です。ところがエコキュートは、電気だけでなく、空気中の熱エネルギーも使ってお湯を沸かす点に特徴があります。省エネ性能に優れた給湯器として、近年は新築マンションや設備更新の際に採用されるケースが増えています。
2-3.電気温水器とエコキュートの違い
電気温水器とエコキュートの大きな違いは、お湯を作る方法です。電気温水器はヒーターの熱だけでお湯を沸かすのに対し、エコキュートは空気中の熱エネルギーも活用するため、エコキュートの方が電気代を抑えやすい点がメリットです。ただし、導入費用はエコキュートの方が高額になる傾向にあり、設置スペースも必要です。
そのため、電気温水器とエコキュートのどちらを採用するかは、ランニングコストだけでなく、設置スペースや管理規約なども含めて総合的に検討する必要があります。
3.マンションに電気温水器を設置するメリットとは?
近年ではエコキュートの普及も進んでいるものの、電気温水器は、長年にわたってオール電化マンションの給湯設備として採用されてきました。そこでここでは、マンションの給湯設備として、電気温水器を採用するメリットを紹介しましょう。
3-1.火災のリスクを抑えられる
電気温水器はガスを使用しないため、ガス漏れや不完全燃焼による事故の心配がありません。火を使わずにお湯を作れることから、安全性の高い給湯設備として評価されています。とくにマンションでは多くの住戸が同じ建物内にあるため、設備の安全性は入居者の安心感につながります。
3-2.ガス設備が不要になる
電気温水器を採用すれば、ガス配管やガス設備を設置する必要がなくなります。ガス配管などのメンテナンスの手間や費用が省けるほか、毎月の基本使用料も発生しません。
3-3.深夜電力を活用できる
電気温水器の多くは、電気料金が比較的安い深夜帯にお湯をまとめて沸かしてタンクにためておく仕組みが採用されています。電力会社に深夜帯が安い料金プランがあれば、昼間にお湯を沸かすよりも光熱費を抑えられる場合があり、ランニングコスト削減が期待できます。
3-4.設備構造がシンプルで管理しやすい
電気温水器は、ヒーターでお湯を沸かして貯湯しておく比較的シンプルな構造です。そのため、複雑な機構を持つ設備と比較して故障のリスクが低く、長期間使用しやすいと言われています。
また、長年にわたって多くのマンションで採用されてきた実績があり、交換時にも同等機種を選びやすい点は電気温水器だからこそのメリットです。
4.マンションに電気温水器を設置するデメリットとは?
電気温水器には、安全性の高さや管理のしやすさといったメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。それらを理解したうえで、電気温水器を導入することが大切です。
4-1.シャワーの水圧が弱い場合がある
電気温水器の多くは貯湯タンクにためたお湯を給湯する仕組みのため、機種によってはシャワーの水圧が弱く感じられることがあります。近年の製品は改善が進んでいるものの、ガス給湯器と比べると物足りなさを感じる入居者も想定されるため、入居者満足度を考えるうえでは注意したいポイントです。
4-2.湯切れの可能性がある
電気温水器の大部分はあらかじめ沸かしたお湯をタンクにためて使用するため、想定以上にお湯を使った日には、湯切れを起こす可能性があります。とくにファミリー向け物件の場合、お湯やシャワーを多く使うことで湯量が不足するケースも考えられます。タンク容量が適切でない場合は、湯切れの頻発によって入居者の不満につながる可能性もあるでしょう。
4-3.貯湯タンクの設置スペースが必要
貯湯式の電気温水器はお湯をためておくためのタンクが必要です。そのため、一定の設置スペースを確保しなければなりません。マンションではパイプスペースや専用の設備置き場に設置されることが一般的ではあるものの、交換時には既存スペースに収まる機種を選ぶ必要があります。
4-4.電気代が高くなりやすい
電気温水器は電気だけをエネルギーにお湯を沸かすため、エコキュートと比較しても電力消費量が大きくなる傾向にあります。そのため、近年はランニングコスト削減を目的に、電気温水器からエコキュートへの交換を検討するマンションオーナーも増えています。とくに設備の老朽化が進んでいる場合には、新しい電気温水器に交換するか、エコキュートに変更するか比較検討することが重要です。
5.マンションの電気温水器の寿命は何年?
電気温水器は長期間使用できる設備ではあるものの、永久に使い続けられるわけではありません。突然お湯が出なくなって入居者に不便をかけないためにも、寿命の目安や交換時期を把握しておくようにしましょう。
5-1.一般的な電気温水器の寿命は10~15年
電気温水器の寿命は、一般的に10~15年だと言われています。適切なメンテナンスを行いながら使用すれば15年以上使えるケースもあるものの、経年劣化によって故障リスクは高まっていきます。
また、本体だけでなく、ヒーターや制御基板、配管などの部品も劣化していくため、使用年数が長くなるほど修理が必要になるケースも高くなるのは避けられません。
5-2.使用環境によって寿命は変わる
電気温水器の寿命は、使用環境や使用頻度によっても異なります。たとえば、家族世帯向けの住戸で毎日大量のお湯を使用する場合と、単身者向けの住戸では、設備への負荷が異なるのです。
また、設置場所の環境によっては、タンクや配管の劣化が早まることも考えられます。そのため、使用年数だけでなく、設備の実際の状態もあわせて確認することが重要です。
5-3.築20年前後のマンションは交換が増える時期
マンションでは、新築時に設置された電気温水器が一斉に寿命を迎えるケースが少なくありません。とくに築15~20年以上が経過したマンションでは、給湯設備の交換事例が増える傾向にあるでしょう。
設備が完全に故障してから交換を検討したのでは、入居者がお湯を使用できない期間が発生してしまいます。そのため、使用年数が10年を超えたあたりから設備の状態を確認し、修理や交換を検討し始めることが望ましいでしょう。
6.電気温水器交換の目安となる症状とは?
電気温水器は、寿命が近づくとさまざまな不具合が現れるようになります。トラブルが発生してから慌てて対応するのではなく、交換のサインを早めに把握しておくことが大切です。
6-1.お湯が出ない
蛇口をひねってもお湯が出ない場合は、電気温水器に何らかの不具合が発生している可能性があります。ブレーカーや設定の問題であれば比較的簡単に解決できることもあり得るものの、本体やヒーターの故障が原因のケースも少なくありません。
とくに使用年数が10年以上経過している場合には、修理したとしてもまた別の不具合が起こる可能性も少なくありません。そのため、修理だけでなく交換も視野に入れて検討する必要があるでしょう。
6-2.お湯の温度が安定しない
給湯中にお湯がぬるくなったり、設定温度まで上がらなくなったりする場合も、注意が必要です。ヒーターや温度センサーの劣化によって、本来の性能を発揮できなくなっている可能性があるのです。
一時的な不具合であれば修理で対応できることもありますが、同じ症状を繰り返す場合は交換時期が近付いているサインだと考えられます。
6-3.タンクや配管から水漏れしている
電気温水器のタンクや配管から水漏れが発生している場合は、早めの対応が必要です。長年の使用によって部品が劣化して、パッキンや配管の接続部から水漏れすることがあるからです。また、タンク本体が腐食している場合は修理が難しく、設備の交換が必要なケースもあります。
6-4.異音や異臭が発生している
運転中にこれまで聞いたことのない音がしたり、焦げ臭いにおいがしたりする場合も注意が必要です。内部部品の劣化や故障が進行している可能性もあるのです。そのまま使用し続けると症状が悪化することがあるため、点検を依頼して、必要に応じて修理や交換を検討しましょう。
6-5.メーカーの部品供給が終了している
電気温水器の修理を依頼しても、部品が手に入らなければ修理してもらえません。製造から長期間が経過した機種の場合、メーカーによる部品供給が終了していることも少なくないので、注意しましょう。
部品が入手できなければ修理できないため、結果的に交換が必要になります。使用年数が長い機種については、故障してしまう前に交換を検討しておくと安心です。
7.マンションオーナーが交換前に検討したいポイントとは?

電気温水器の交換を検討する際は、単に故障した設備を新しいものに取り替えればよいというわけではありません。修理と交換のどちらが適しているか、また電気温水器とエコキュートのどちらを選ぶべきなのかなどを検討できる、よい機会だといえます。
7-1.修理と交換のどちらが適しているか?
電気温水器が故障した場合、まず検討したいのが修理で対応できるかどうかです。比較的新しい機種であれば、部品交換によって不具合が改善することもあります。
しかし10年以上経過している機種の場合は、修理しても別の箇所が故障する可能性があります。修理を繰り返せば費用がかさみ、「交換の方が安くついた」ということにもなりかねません。設備の状態や使用年数を踏まえて、修理と交換のどちらが適しているか判断しましょう。
7-2.電気温水器を継続するのか?
現在と同じ電気温水器へ交換する方法は、既存設備との互換性を確保しやすい点がメリットです。設置スペースや配管を大きく変更する必要がない場合も多く、比較的スムーズに交換工事を進められるでしょう。
また、管理規約や設備条件の制約があるマンションの場合、同タイプの電気温水器への交換が現実的な選択肢となることもあります。
7-3.エコキュートへ変更するのか?
交換のタイミングで、電気温水器からエコキュートへ変更するオーナーも増えています。エコキュートは省エネ性能に優れており、ランニングコスト削減が期待できるためです。
一方で導入費用は高くなる傾向にあり、設置スペースや搬入経路などの条件も確認しなければなりません。交換後のメリットだけでなく、初期費用や設置可否も含めて検討することが重要です。
7-4.長期的なランニングコストを比較する
設備を選ぶ際は、本体価格だけで判断せず、長期的なランニングコストにも注目しましょう。一般的に、導入費用は電気温水器の方が抑えやすい一方で、毎月の電気代はエコキュートの方が安くなる傾向にあります。そのため、今後どの程度設備を使用する予定なのかも踏まえて、トータルコストを比較することが大切です。
7-5.入居者満足度への影響を考える
給湯設備は、入居者が毎日使用する設備の一つです。そのため、交換する設備によっては住み心地や満足度に影響を与える可能性があります。
たとえば、光熱費の負担軽減や快適性の向上につながる設備は、入居者にとっても魅力的です。空室対策や物件価値の維持という観点からも、給湯設備の更新方法を検討するとよいでしょう。
8.電気温水器からエコキュートへ交換するメリットとは?
近年、電気温水器の交換を機にエコキュートを選択するマンションオーナーも増えています。エコキュートは初期費用が高くなる側面がある一方で、長期的な視点で見るとさまざまなメリットがあります。
8-1.電気代の削減が期待できる
エコキュートの最大のメリットは、省エネ性能の高さです。空気中の熱エネルギーを利用してお湯を作るため、電気温水器と比較して消費電力を抑えやすいメリットがあります。そのため、毎月の電気代を削減できる可能性があり、長期間使用するほどランニングコストの差が大きくなるケースもあります。
8-2.省エネ性能の向上につながる
エコキュートは少ない電気で効率よくお湯を作れるため、省エネ性能に優れています。近年はエネルギー価格の上昇もあり、設備の省エネ化を重視するオーナーが増えています。
マンションの設備更新にあわせてエコキュートを導入することで、マンションの省エネ化にも貢献できるでしょう。
8-3.環境負荷を軽減できる
エコキュートは少ない電気でお湯を沸かせるため、電気温水器と比較してエネルギー使用量の削減につながり、環境負荷の軽減も期待できます。
近年は省エネや環境保全への関心が高まっており、マンション設備においても環境性能を重視する入居者も少なくありません。将来的な資産価値の維持という観点からも、エコキュートへの交換を検討する価値はあるでしょう。
8-4.入居者への訴求力向上につながる
近年は光熱費節約への関心が高まっており、設備の省エネ性能を重視して物件を選ぶ入居者も増えています。エコキュートを導入することで、ランニングコストを抑えやすい住まいとしてアピールできる可能性があります。設備の充実は物件の競争力向上、魅力の向上につながるため、空室対策の一環として検討する価値があるでしょう。
9.マンションでエコキュートへ交換できる条件とは?
エコキュートには多くのメリットがあるものの、すべてのマンションで設置できるとは限りません。電気温水器からエコキュートへの交換を検討する場合は、事前に設置条件を把握しておくことが重要です。
9-1.設置スペースが確保できる
エコキュートは、貯湯タンクに加えてヒートポンプユニットを設置する必要があります。そのため、電気温水器より広い設置スペースが求められる場合もあります。
マンションによっては、パイプスペースや設備置き場の広さが限られているため、希望の機種を設置できないケースもあるでしょう。まずは既存設備の設置状況を確認し、十分なスペースを確保できるか確認する必要があります。
9-2.搬入経路を確保できる
エコキュートは大型の設備であるため、本体を設置場所まで運搬できるかも重要なポイントです。エレベーターのサイズや共用廊下の幅、階段の形状などによっては搬入が難しい場合があります。とくに高層マンションでは、事前の現地調査が欠かせません。
9-3.管理規約で設置が認められている
マンションでエコキュートへ交換する際は、管理規約や建物の設備基準を確認する必要があります。とくに区分所有マンションでは、共用部分との取り合いや設備の設置方法について制限が設けられている場合があります。
工事を進める前に、管理組合や管理会社、施工業者と相談しながら、交換工事が可能か確認しましょう。
9-4.電気設備の条件を満たしている
エコキュートを設置するためには、建物の電気設備が対応している必要があります。機種によって必要な電源仕様が異なるため、既存設備の状況を確認しなければなりません。
また、築年数の古いマンションでは、電気設備の改修が必要になるケースもあります。設置の可否については、専門業者による現地調査を受けたうえで判断する必要があります。
9-5.マンションへの設置実績がある業者に相談する
マンションへのエコキュート設置には、戸建て住宅とは異なる確認事項があります。管理規約や搬入経路、設置スペースなどを総合的に判断しなければなりません。
そのため、マンションでの施工実績が豊富な業者へ相談するのがおすすめです。現地調査を依頼することで、設置の可否や最適な機種について具体的なアドバイスを受けられるでしょう。
10.マンションの電気温水器交換は業者への相談がおすすめ
電気温水器の交換やエコキュートへの変更を検討する際は、専門業者へ相談するのがおすすめです。マンションの給湯設備は戸建て住宅と異なる確認事項も多いため、現地調査を受けたうえで、適切な方法を検討するようにしましょう。
10-1.マンションは確認事項が多い
マンションでは、設置スペースや搬入経路、管理規約などを確認しながら交換計画を進める必要があります。また、既存設備の仕様によっては、希望する機種を設置できない場合もあります。
そのため、カタログやインターネットなどの情報だけで判断するのではなく、専門業者による現地調査を受けて、設置条件を確認することが大切です。
10-2.最適な交換方法を提案してもらえる
専門業者に相談することで、現在と同じ電気温水器に交換するべきか、エコキュートへ変更するべきかといった判断材料を得られます。設備の使用年数や設置環境、予算などを踏まえて提案を受けられるため、交換後の後悔を防ぎやすくなるでしょう。
10-3.補助金や最新機種の情報も得られる
給湯設備の交換に関しては、エコキュート導入を中心に、補助金制度を利用できる場合があります。また、最新機種は省エネ性能や使い勝手が大きく向上しているケースも少なくありません。
専門業者に相談すれば、利用できる制度や機種ごとの特徴についても案内してもらえます。電気温水器の交換やエコキュートへの変更を検討している場合は、まずは信頼できる専門業者に相談してみましょう。
11.まとめ
マンションの電気温水器は、寿命や故障のサインを見極めながら、メンテナンスをしつつ適切なタイミングで交換を検討することが大切です。交換時には電気温水器とエコキュートの特徴を比較し、建物の条件や将来的なコストも踏まえて、専門業者に相談しながら最適な設備を選びましょう。
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