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蓄電池

2026/04/17

蓄電池は停電対策に本当に使える?選び方・使い方・補助金までをわかりやすく解説

蓄電池は停電対策として非常に有効です。

ただし、容量や出力、給電タイプなどを自宅の状況に合わせて選ばなければ、「いざという時に思ったほど使えなかった」という事態にもなりかねません。

この記事では、蓄電池で停電時にどの家電をどのくらい使えるのかの目安から、失敗しない選び方、太陽光発電との併用メリット、2026年度に活用できる補助金情報まで、停電対策に必要な知識をまとめて解説します。

停電対策になぜ蓄電池が注目されているのか


地震や台風による大規模停電が相次ぐなか、家庭で電力を自前で確保できる蓄電池への注目度が年々高まっています。
背景として大きいのは、近年の災害が「電気のない生活」の深刻さを突きつけたことです。

2018年の北海道胆振東部地震では、日本初のブラックアウト(全域停電)が発生し、北海道全域の約295万戸が最大約45時間にわたって電気を使えない状態に陥りました。

翌2019年の台風15号では千葉県を中心に最大約93万軒が停電し、倒木や電柱損壊の影響で完全復旧まで約3週間を要した地域もあります。

こうした被害が繰り返されるなかで、特に影響が大きいのがオール電化住宅です。IHクッキングヒーターやエコキュートを採用した住宅では、停電すると調理・給湯・暖房がすべて止まり、ガス併用住宅以上に生活が立ち行かなくなります。

新築戸建てにおけるオール電化の採用率は4割を超えており、停電リスクへの備えは以前にも増して切実な課題になっています。

さらに、太陽光発電のFIT(固定価格買取制度)の買取期間が終了する「卒FIT」世帯が2019年以降増え続けていることも追い風です。

売電単価が大幅に下がるため、発電した電気を売るよりも自宅で消費するほうが経済的に有利となり、余剰電力を貯められる蓄電池の実用的な価値が高まりました。

加えて、国のDR補助金や自治体の助成制度を併用することで導入費用の実質負担を抑えやすい環境が整っている点も、蓄電池の普及を後押ししています。

蓄電池があると停電時にどこまで生活できるのか

蓄電池を導入すれば停電中も電気を使い続けられますが、「どの家電を」「どのくらいの時間」使えるかは蓄電池の容量やタイプによって大きく変わります。

ここでは使用時間の目安と、停電時の給電方式の違いを解説します。

停電時に使える家電と使用時間の目安

停電時にどのくらい電気が持つかは、蓄電池の容量(kWh)と使用する家電の消費電力(W)で決まります。まず、主な家電の消費電力の目安を把握しておきましょう。

家電 消費電力の目安
冷蔵庫(400Lクラス) 100〜200W
LED照明(1灯) 7〜30W
スマートフォン充電 10〜15W
液晶テレビ(42型) 約100W
エアコン(冷房時) 400〜900W
電子レンジ 1,000〜1,500W
ドライヤー 約1,200W

これらを踏まえ、蓄電池の容量別にどの程度使えるかの目安を示します。

  • 5kWhの場合:冷蔵庫+LED照明2灯+スマホ充電(合計約250W)で約半日〜1日程度
  • 8〜10kWhの場合:上記に液晶テレビを加えても1日以上の稼働が見込める

ただし、エアコンや電子レンジといった高消費電力の家電を動かすと、使用可能時間は数時間まで縮まります。

必要な容量は「使いたい家電の消費電力(W)×使用時間(h)÷1,000」で計算できます。

たとえば、冷蔵庫(150W)とLED照明2灯(合計40W)、スマホ充電(15W)を12時間使う場合、合計205W×12h÷1,000=約2.5kWhです。

この最低限の構成なら5kWhの蓄電池でも対応可能ですが、家族人数が多い世帯や夏冬にエアコンが欠かせない家庭では必要電力量が大きく変わるため、自宅の条件に合わせたシミュレーションが欠かせません

特定負荷型と全負荷型の違い

家庭用蓄電池には、停電時の給電範囲が異なる「特定負荷型」と「全負荷型」の2タイプがあります。両者の違いは以下のとおりです。

項目 特定負荷型 全負荷型
給電範囲 事前に選定した一部回路のみ 家全体の回路
対応電圧 100Vのみが多い 100V+200V対応
使える家電の例 冷蔵庫・照明・スマホ充電など 左記に加えエアコン・IH・エコキュートも可
導入コスト 比較的抑えやすい やや高め

特定負荷型は、冷蔵庫や照明など「これだけは使いたい」という機器(部屋)を事前に指定して給電するしくみです。給電先が限られるぶん電力消費を抑えやすく、小〜中容量の蓄電池でも長時間の運用が見込めます。

一方、200V家電には対応しないことが多く、エアコンやIHクッキングヒーターは停電時に使えなくなる点に注意が必要です。

全負荷型は、停電時でも家全体に電気を送れるため、普段に近い生活環境を維持できるのが強みです。200V家電にも対応しており、真夏にエアコンを使いたい場合やオール電化住宅に適しています。

ただし、家中のコンセントに電気が供給されるぶん使用機器が増えやすく、蓄電池の残量が想定より早く減ることがあります。停電時は使わない部屋のブレーカーを落とすなど、消費を抑える工夫が求められます。

小さな子どもや高齢者がいてエアコンを止められない家庭であれば全負荷型が安心ですし、最低限の家電で長時間運用したいならコストを抑えやすい特定負荷型も有力な選択肢です。

停電時の蓄電池の使い方と自立運転モード

蓄電池は設置しただけで停電時に自動的に電気が使えるとは限りません。停電が発生した際には「自立運転モード」への切り替えが必要であり、その方式や事前準備の有無によって、いざという時に使えるかどうかが分かれます。

自動切替と手動切替の違い

停電が発生すると、蓄電池は通常の系統連系モードから「自立運転モード」に切り替わり、蓄電池に貯めた電力を家庭内に供給し始めます。この切り替え方式には自動と手動の2種類があります。

自動切替型は、蓄電池が停電を検知すると自動で自立運転モードへ移行するしくみです。切り替えまでの時間は数秒〜十数秒程度の製品が多いものの、メーカーや機種によって差があります。夜間や就寝中の停電でも操作なしに電力供給が再開されるのが大きな利点です。

一方、手動切替型は停電時に利用者自身がパワーコンディショナを操作して切り替える必要があります。

操作自体は難しくないものの、停電直後の暗闇のなかで手順を思い出せず、結局蓄電池を使えなかったという事例も報告されています。購入前に自動切替対応かを必ず確認し、手動型の場合は取扱説明書を手元に準備して家族全員が操作手順を把握しておきましょう。

停電時に蓄電池が使えない主な原因と事前対策

せっかく蓄電池を導入しても、停電時に使えなければ意味がありません。「蓄電池があるのに電気を使えなかった」というケースには、いくつかの共通した原因があります。

  • 残量不足
  • 切替操作の未把握
  • 定格出力の超過
  • 設置環境による性能低下

残量不足は最も多い原因です。日常的に充放電を繰り返していると、夕方〜夜間に残量がほとんどない状態で停電が起きることがあります。

対策としては、台風接近や大雨予報が出た時点で「充電優先」や「災害優先」モードに切り替え、満充電を確保しておくことが有効です。気象警報を受信すると自動で充電優先に切り替わる機能を搭載した製品もあります。

切替操作の未把握は、手動切替型で起こりやすいトラブルです。年に1回程度は操作手順を確認しておくと安心です。

定格出力の超過は、複数の家電を同時に使いすぎた場合に発生します。蓄電池の定格出力を超える負荷がかかると安全装置が作動し、給電がストップします。同時使用する機器の優先順位を事前に決めておくことが大切です。

設置環境による性能低下も見落とされがちです。リチウムイオン電池の推奨動作温度は一般的にマイナス10℃〜40℃程度で、真夏の直射日光が当たる場所や極寒地域では十分な性能を発揮できないことがあります。

設置場所は導入時に施工業者と相談のうえ選定しましょう。

太陽光発電との併用で長期停電にも対応できる

蓄電池は停電時の心強い備えですが、単体では「貯めた電気を使い切ったら終わり」という弱点があります。停電中は電力会社からの送電が止まるため、蓄電池への再充電ができません。

たとえば、10kWhの蓄電池でも、家族で普段どおりに電気を使えば1〜2日で底をつく計算です。

この弱点を補えるのが、太陽光発電との併用です。太陽光パネルがあれば日中に発電した電力で蓄電池を充電し、夜間はその電力を使うというサイクルを繰り返せるため、停電が数日〜1週間以上に及んでも電気を確保し続けられます。

太陽光発電と蓄電池を組み合わせる際に押さえておきたいのが、蓄電池のタイプによる充電効率の違いです。

項目 ハイブリッド型 単機能型
パワコン構成 太陽光と蓄電池で1台を共用 太陽光用と蓄電池用が別々
充電の仕組み 太陽光の直流電力をそのまま蓄電池に充電 直流→交流→直流と2回変換して充電
変換ロス 少ない やや大きい
停電時に太陽光から使える電力 パワコンの出力に応じて最大限活用可能 最大1.5kW程度に制限される場合がある
導入パターン 太陽光と蓄電池の同時導入に向く 既設の太陽光に蓄電池だけ後付けする場合に向く

ハイブリッド型は太陽光で発電した直流電力を交流に変換せずそのまま蓄電池に充電できるため、変換ロスが少なく、停電時にも太陽光の発電電力を効率よく活用できます。太陽光発電と蓄電池をこれからセットで導入する場合はハイブリッド型が合理的です。

単機能型は、既設の太陽光発電に蓄電池だけを追加したい場合に、既存のパワコンを交換せずに導入できるのが利点です。

ただし、電力を2回変換するぶんロスが生じるほか、停電時に太陽光から取り出せる電力が最大1.5kW程度に制限される点は理解しておく必要があります。既存のパワコンが老朽化で交換時期を迎えている場合は、ハイブリッド型への切り替えも検討しましょう。

なお、太陽光発電は天候に左右されるため、曇天や雨天が続くと発電量は大幅に落ち込みます。長期停電時には、発電量が少ない日を想定して電力消費の優先順位をあらかじめ決めておくことが重要です。

停電対策に適した蓄電池の選び方

蓄電池は容量や出力、対応電圧など、製品ごとにスペックが異なります。停電時に「思ったほど使えなかった」という後悔を避けるために、購入前に確認しておきたいポイントを解説します。

①必要な容量(kWh)を計算する

蓄電池の容量は「どれだけの電気を貯められるか」を示す指標で、この数値が大きいほど停電時に長く電気を使えます。

消費電力(W)×使用時間(h)÷1,000で、自宅に必要なkWhを算出するのが基本です。
目安として、4人家族が長期停電も視野に入れるなら8〜10kWh級が検討候補になります。

ただし、世帯人数が少なければ5〜6kWhでも十分ですし、オール電化住宅で200V家電も動かしたい場合は10kWh以上が必要になることもあります。

なお、カタログの「定格容量」と実際に使える「実効容量」には差があり、実効容量は定格の約80〜90%程度になるのが一般的です。定格10kWhの製品でも実際に使えるのは8〜9kWh程度と考えておくと、容量不足を防ぎやすくなります。

容量が大きいほど安心感は高まりますが価格も上がるため、自宅の使用量に見合ったサイズを選ぶほうが費用対効果は高くなるでしょう。

②出力(kW)を確認する

容量と並んで見落とされやすいのが「出力」です。容量が「貯められる電気の総量」であるのに対し、出力は「一度に取り出せる電力の大きさ」を表します。

たとえば、定格出力が2kWの蓄電池であれば、同時に使える家電の合計消費電力は2,000Wまでです。

冷蔵庫+照明+テレビ程度なら余裕がありますが、ここに電子レンジ(1,300W)やドライヤー(1,200W)を同時に加えると出力上限を超え、安全装置が作動して給電が強制停止します

そのため、蓄電池を選ぶ際は定格出力も確認しましょう。

また、出力不足による強制停止を防ぐには、停電時に使う家電の優先順位を決め、「冷蔵庫と照明は常時稼働、電子レンジは食事時だけ単独で使う」といったルールを家族で共有しておくことが大切です。

なお、200V家電(エアコン・IH等)を停電時にも使いたい場合は、200V対応の全負荷型蓄電池を選ぶ必要があります。

蓄電池以外の停電対策手段との比較

停電対策の手段は定置型の家庭用蓄電池だけではありません。ポータブル電源やEV+V2Hなど、それぞれの特徴を把握したうえで自宅に合った組み合わせを検討しましょう。

ポータブル電源との違い

ポータブル電源は、設置工事が不要で購入後すぐに使い始められる手軽さが最大の強みです。定置型蓄電池との主な違いを整理すると、以下のようになります。

項目 定置型蓄電池 ポータブル電源
容量 5〜16kWh程度 0.5〜2kWh程度が主流
設置工事 必要(専門業者が施工) 不要
持ち運び 不可 可能
初期費用 100万〜200万円以上 数万〜30万円程度
太陽光連携 系統連携で効率的に充放電 ソーラーパネル付きセットで屋外充電可能
長期停電への対応 太陽光併用で数日以上対応可能 容量が小さく1日以内が目安

 

容量が定置型の数分の一にとどまるため長時間の使用には向きませんが、避難先に持ち運べる点は据え置き型にないメリットです。定置型蓄電池と併用して「自宅+持ち出し」の二段構えにするのが、停電対策としては理想的です。

EV(電気自動車)+V2Hという選択肢

V2H(Vehicle to Home)機器を導入すれば、EVのバッテリーを家庭の非常用電源として活用できます。EVのバッテリー容量は40〜80kWhクラスが主流で、家庭用蓄電池の数倍にあたります。

仮に60kWhのEVから家庭に給電した場合、節電を意識すれば4〜5日分の電力をまかなえる計算です。

太陽光発電+蓄電池+V2Hの「トライブリッド連携」を構築すれば、停電対策としては最も手厚い構成になり、平常時も電気代の大幅な削減効果が期待できます。

V2H機器の導入費用は80〜150万円程度が目安ですが、国のCEV補助金や自治体の助成を活用すれば自己負担を抑えられます

ただし、V2Hに対応しているEVは日産・三菱などの国内メーカーが中心で、海外メーカーの一部車種では非対応のモデルもあるため、EV購入時に対応の有無を確認しておきましょう。

蓄電池の導入費用と活用できる補助金

家庭用蓄電池の導入費用は容量・機種・工事条件によって幅があります。おおまかな目安は以下のとおりです。

蓄電池の容量帯 導入費用の目安(機器+工事費)
5〜7kWh 100万円台前半〜後半
8〜10kWh 150万〜200万円前後
10kWh超 200万円以上

同じ容量でもメーカーや販売業者によって数十万円の差が出ることは珍しくないため、必ず複数社から見積もりを取って比較することが重要です。

また、高額な蓄電池を購入する際は補助金制度の活用を検討しましょう。補助金制度によって金額や条件は異なりますが、蓄電池をお得に購入できる可能性があります。

ただし、いずれの補助金も共通して言えるのは、「予算がなくなり次第終了」という点です。制度の有無だけでなく、申請のタイミングが導入コストを大きく左右します。

蓄電池の導入を検討している方は、補助金の公募開始前に見積もりを取り、必要書類を準備しておくことが、補助金を確実に活用するためのカギとなります。

次項より、2026年度に活用できる主な補助金制度を見ていきましょう。

国のDR家庭用蓄電池事業(SII)

経済産業省の管轄のもと、SII(一般社団法人 環境共創イニシアチブ)が執行する補助金制度です。

DR(デマンドレスポンス)に対応した蓄電池を新規導入する個人・法人が対象で、補助金の上限は1申請あたり最大60万円。基本の補助単価は初期実効容量1kWhあたり3.45万円で、蓄電池の性能評価によって単価が加算されるしくみです。

公募期間は2026年3月24日〜12月10日ですが、予算額に達した時点で受付終了となります。前年度(2025年度)はわずか2ヶ月で予算満了に達しており、今回も早期終了のリスクが高い点に注意が必要です。

東京都の蓄電池補助金

東京都は「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」の一環として、家庭用蓄電池に対する独自の補助を行っています。
令和8年度(2026年4月〜)は補助単価が10万円/kWhに見直され、1戸あたり上限120万円が設定されました。さらに、DR(デマンドレスポンス)実証への参加を条件に10万円が加算されます。

国のDR補助金との併用が可能なため、たとえば12kWhの蓄電池を導入しDRにも参加した場合、東京都の補助が最大130万円、国の補助が最大60万円で、合計最大190万円の補助が見込める計算です。

みらいエコ住宅支援事業(住宅省エネ2026キャンペーン)

国土交通省・環境省・経済産業省の3省が連携する補助金制度で、蓄電池単体での申請はできません。

窓・ドアの断熱改修など必須のリフォーム工事と組み合わせる場合に限り、蓄電池の設置費用も補助対象に含めることが可能です。断熱リフォームをあわせて検討している方は、この制度の活用も視野に入れるとよいでしょう。

まとめ

以上が、蓄電池における停電対策の解説になります。蓄電池は、地震や台風などによる停電から家族の暮らしを守るための有力な対策です。

ただし、「設置すればそれだけで安心」というわけではなく、効果を最大限に発揮するには自宅の状況に合った製品選びと、平常時からの備えが欠かせません。

自宅に合ったスペックを選び、太陽光発電との併用を検討し、平常時から使い方を把握しておきましょう。また、高額な蓄電池や太陽光発電システムを購入する場合は、国の補助金制度がおすすめです。

「エコ突撃隊」では、蓄電池や太陽光発電システムの販売や施工を請け負っております。メーカー正規品を低価格で販売しておりますので、停電対策を考えている人は、ぜひご相談ください。

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