蓄電池
2026/01/19
蓄電池は後付けできる?できるケースやメリット、注意点などをわかりやすく解説

太陽光発電システムを導入している家庭は、蓄電池を後付けするかどうか決めましょう。蓄電池があれば、卒FIT後の電気料金の節約につながり、停電時の対策に役立ちます。
そこで今回は、蓄電池が後付けできるケースやメリット、注意点などを解説します。ぜひ最後までご覧ください。
蓄電池は後付けできる?

既存の太陽光発電システムに対して蓄電池を追加導入することは、ほとんどのケースで可能となっています。
後付けとは、現在稼働中の太陽光発電システムに後から家庭用蓄電池を組み合わせ、昼間に生み出された電力を貯蔵して夜間や悪天候時にも活用できるようにする方法です。電気の自家消費率を大幅に高められます。
ただし、導入の際には、現在使用しているパワーコンディショナーの型番や設置年数といった機器仕様の確認が欠かせません。
また、屋外または屋内の設置スペース確保や既存配線との接続可否、分電盤の対応状況なども重要な検討事項となります。
これらの条件次第では、配線工事の追加やパワーコンディショナー本体の交換が求められるケースもあり、初期費用が当初の想定より増加する可能性があります。
蓄電池が後付けできるケース
蓄電池の後付けをスムーズに進めるには、次のいくつかの条件が整っている必要があります。
- 屋外または屋内に十分な設置スペースが確保できる
- 蓄電池本体を運び込める搬入経路が確保できる
- 分電盤や配線ルートに余裕があり、電気設備の制約が少ない
- 既存太陽光発電システムの機器が極端に古くない
まず、屋外または屋内に適切な設置スペースを確保できるかが最初の判断基準です。エアコン室外機1~2台分程度の本体スペースに加えて、メンテナンス作業を行うための前面スペース50センチ以上が求められます。
屋外設置の場合はコンクリート基礎の施工も必要となるため、水はけや日当たりといった環境条件も考慮しなければなりません。
次に搬入経路の確認も欠かせず、自転車を押して通れる程度の幅約80センチが通路や門扉周辺で確保できることが重要です。
さらに電気設備面では、分電盤から蓄電池設置場所までの配線ルートに余裕があり、配線工事に伴う大きな制約がない状況が望ましいといえます。
既存の太陽光発電システムのパワーコンディショナーが極端に古い場合は機器交換が必要です。ただし、仕様が合致すれば追加工事を最小限に抑えられるケースもあるため、事前の互換性確認が設置成否を左右します。
蓄電池が後付けできないケース
蓄電池の後付けが困難となるケースは、主に以下のような条件に該当する場合です。
- 蓄電池を設置できる十分なスペースが確保できない
- 本体や周辺機器の搬入経路が確保できない
- 分電盤や配線システムに大きな制約がある
- 既存のパワーコンディショナーが古すぎる、または仕様が合致しない
蓄電池の設置スペースは敷地条件として隣家や道路境界線との離隔距離が法令で定められており、これを満たせない場合は設置を断念せざるを得ません。
また、屋外設置では排熱と騒音への配慮も求められるため、周辺環境によっては設置場所の選択肢が極端に限られます。搬入面では、機器が大型であるがゆえに狭い通路や急な段差、門扉の幅制限などが障害となり、物理的に運び込めないケースも存在します。
なお、メーカーや機器によって蓄電池のサイズは異なり、屋外設置や搬入が難しい場合は小型の蓄電池やポータブル型の製品を検討しましょう。
分電盤や配線に関する制約もあり、大規模な電気工事が必要になる場合は費用対効果の観点から導入を見送るケースもあります。
既存パワーコンディショナーが著しく古い、あるいはメーカー間の互換性がなく接続できない状況では、システム全体の刷新が必要となり初期投資が膨らむため、専門業者による事前の現地調査と互換性確認が必須となります。
蓄電池を後付けした場合のメリット
蓄電池を後付けした場合のメリットは、主に以下のとおりです。
- 太陽光発電システムの余剰電力を蓄えられる
- 停電時の対策に役立つ
それぞれ、順番に解説します。
太陽光発電システムの余剰電力を蓄えられる
太陽光発電システムは日中に集中的に発電する特性を持ちます。そのため、日中の在宅時間が少ない世帯では「昼間に電力が余り、夜間に不足する」という電力需給のアンバランスが起こりがちです。
蓄電池を後付けで導入すれば、日中に生み出された余剰電力を蓄電池に充電し、太陽が沈んだ夕方から夜間の時間帯に自家消費として利用できます。
本来であれば電力会社から購入しなければならなかった電気を自家発電分で賄えるため、月々の電気料金を大幅に削減できることがメリットです。
特に固定価格買取制度の適用期間が終了した卒FIT世帯では、売電単価が1kWhあたり7円~10円程度まで下落します。
一方、電力会社から購入する電気代は1kWhあたり25円~35円程度と高額なため、余剰電力を安価で売却するよりも自宅で消費する方向へシフトした方が節約効果を期待できます。
太陽光発電システムを導入して10年が経過し、FIT期間が終了した家庭では、蓄電池の後付けを検討しましょう。
停電時の対策に役立つ
停電対応機能を備えた蓄電池を選択すれば、災害や事故による停電発生時でも一定の電力供給を継続できます。
たとえば、冷蔵庫や照明器具、スマートフォンの充電用コンセント、インターネット接続のためのWi-Fiルーターといった生活の基盤となる機器を稼働させられるだけでも、日常生活の安定度は大きく変わります。
なお、蓄電池には「特定負荷型」と「全負荷型」という2つのタイプがあり、前者はあらかじめ指定した特定の回路や機器にのみ電力を供給する方式で、後者は家全体のすべての電気機器に電力を供給できる方式となります。
特定負荷型は必要最小限の範囲に電力供給を絞り込むため、同じ蓄電容量でも全負荷型より長時間の電力確保が可能となる一方、200ボルト機器であるエアコンやIHクッキングヒーターは停電時に使用できない可能性があります。
停電対策を重視する場合は、「停電時に何を、どの程度の時間動かしたいのか」を事前に明確にしておくことが蓄電池選びの重要なポイントです。
蓄電池を後付けする場合の注意点
蓄電池を後付けする場合の注意点は、主に以下のとおりです。
- 太陽光発電システムとの組み合わせによっては追加費用が発生する
- 目的に応じた機器の選定が必要
それぞれ、順番に解説します。
太陽光発電システムとの組み合わせによっては追加費用が発生する
蓄電池を既存の太陽光発電システムに後付けする際には、当初の予算を上回る追加費用が発生するケースがあります。
追加費用が出やすい代表的な事例として、まずパワーコンディショナーの交換が挙げられます。
パワーコンディショナー(パワコン)とは、太陽光発電システムで作った直流の電気を家庭で使える交流の電気に変換する機器です。
既存の太陽光発電システムにはパワコンが付いており、後付けする蓄電池にも電気を直流で溜めておくためのパワコンが必要になります。
そのため、太陽光発電システム側のパワコンの仕様や設置年数によってはハイブリッド型への交換が必要です。本体価格に加えて撤去費用や交換工事費として20万円から30万円程度が加算される可能性があります。
次に分電盤の改修工事も追加費用の要因となり、特に全負荷型の蓄電池を選択した場合には停電時の給電切替盤や分電盤更新が必須となるケースがあります。配線延長や配管工事、コンクリート基礎の打設といった施工面での追加工事も見逃せません。
施工業者によって異なりますが、標準工事では配線長が10メートル前後、壁貫通が1カ所から2カ所程度までが想定されています。
しかし、設置場所と分電盤の距離が遠い場合や天井裏・床下を通す配線経路が複雑な場合には人件費と材料費が増加します。
さらに設置環境を整備するための架台設置や防振対策、スペース確保のための周辺工事なども追加費用となるかもしれません。
見積もりを取得する際には「標準工事に含まれる範囲」と「追加工事になりやすい項目」を業者に明確に確認し、総額ベースで複数社を比較できる状態にしておくことが重要となります。
目的に応じた機器の選定が必要
蓄電池を後付けする際には、導入目的によって優先すべきスペックが大きく変わるため、自宅の利用シーンを明確にした上で機器を選定しましょう。
たとえば、電気料金削減を主な目的とする場合には、昼間の余剰電力をどれだけ夜間に回せるかが経済効果を左右します。
そのため、蓄電容量と変換効率が最優先となり、太陽光発電システムの発電量に対して適切な容量を選び、ハイブリッド型で変換ロスを抑える構成が効果的です。
一方で停電対策を主目的とする場合には、停電時の供給方式と最大出力が重要な判断材料になります。
供給方式には特定負荷型と全負荷型があり、特定負荷型はあらかじめ指定した部屋や家電のみに給電するため容量を抑えられますが、停電時に使える範囲が限定されます。また、全負荷型は家全体に給電できるものの大容量が必要となり初期費用も高くなります。
さらに最大出力も見落とせないポイントで、一般的な自立運転モードでは複数の家電を同時に使用する際にブレーカーが落ちる可能性があり、冷蔵庫や照明、スマートフォン充電といった優先機器を事前にリストアップしておく必要があります。
電気代削減と停電対策の両方を目的とする場合には、供給方式・停電仕様・蓄電容量をバランス良く設計しましょう。
家族構成や日中の在宅状況、地域の災害リスクなどを総合的に考慮したうえで、専門業者による現地調査とシミュレーションを受けて最適な機種を選定することが後悔しないための鍵となります。
蓄電池を後付けするための費用の相場
経済産業省資源エネルギー庁の資料によれば、蓄電容量が1kWhあたり22.6万円となっているため、一般的な家庭用蓄電容量5kWh~10kWhの場合、約113万円~226万円が相場です。
ただし、蓄電池は蓄電容量や方式、停電時の仕様によって費用が変動します。
たとえば、蓄電容量が同じ5kWhでも、単機能型で特定負荷型の蓄電池に比べると、ハイブリッド型で全負荷型の蓄電池の初期費用は40万円~90万円ほど高くなる可能性があります。
後付けする蓄電池を選ぶポイント

後付けする蓄電池を選ぶ際のポイントは、主に以下のとおりです。
- 単機能とハイブリッドの違い
- 停電時の機能
- 蓄電容量
それぞれ、順番に解説します。
単機能とハイブリッドの違い
蓄電池を後付けする場合、最も重要なポイントが単機能型とハイブリッド型の違いを知っておくことです。
次の表は、それぞれの違いをまとめたものになります。
| 単機能型 | ハイブリッド型 | |
|---|---|---|
| パワーコンディショナー | 太陽光発電用と蓄電池用で2台必要 | 1台で両方を制御 |
| 変換ロス | 約18%(変換回数3回) | 約6%(変換回数1回) |
| 設置スペース | 2台分のスペースが必要 | 1台分で省スペース |
| 既存機器の扱い | 既存パワコンをそのまま活用可能 | 既存パワコンを撤去・交換が必要 |
| 本体価格 | 比較的安価 | 単機能型より20万円~50万円程度高い |
| 停電時の出力 | 約1.5kW | 約3kW~5kW |
| 導入しやすさ | 後付けが容易 | 既存設備の交換工事が必要 |
単機能型は既存の太陽光発電システムを活かして導入しやすい点が最大のメリットとなります。すでに設置済みの太陽光発電用パワーコンディショナーをそのまま使用できるため、撤去費用がかからず、保証期間が残っている場合にはその保証も継続して受けられます。
また、本体価格も比較的安価で、蓄電池専用のパワーコンディショナーを追加するだけで導入が完了するため工事の手間も最小限に抑えられるのが特徴です。
ただし、機器が増えることで設置スペースの確保が課題となり、パワーコンディショナー2台分のスペースをブレーカー付近に確保する必要があります。
さらに電気を変換する工程が増えるため変換ロスが約18%程度発生し、太陽光発電で作られた電力が蓄電池に充電される際や家庭で使用される際に効率が落ちてしまう点も見逃せません。
一方でハイブリッド型はパワーコンディショナーを1台に集約できるため省スペースで設置が可能となり、屋外機器の設置場所が限られている住宅でも導入しやすくなっています。
なおかつ電気を変換するロスが約6%程度に抑えられ、太陽光発電システムで発電した電力を直接蓄電池に充電できるため発電効率が非常に高くなります。
この変換効率の高さは長期的な電気代削減効果に直結するため、費用対効果を重視する場合には大きなアドバンテージとなるでしょう。
また。停電時の出力も3kW~5kW程度と高く、エアコンやIHクッキングヒーターといった消費電力の大きい家電も同時に使用できるため災害時の生活の質が大きく向上します。
ただし、既存のパワーコンディショナーを撤去して新しいハイブリッド型パワーコンディショナーに交換する必要があり、交換工事により本体価格に加えて撤去費用と交換工事費用を含めた初期費用が単機能型より高額になる点がデメリットとなります。
つまり、費用を節約して蓄電池を後付けしたい場合は単機能型が、変換ロスを抑えたい場合はハイブリッド型がおすすめです。蓄電池を後付けする際は、単機能型とハイブリッド型の違いを把握し、ご自身の状況や目的に適した機器を選びましょう。
停電時の機能
停電時の対策として蓄電池を選ぶ際は、どの範囲まで電力を供給できるかが重要なポイントです。
次の表は、特定負荷型と全負荷型の違いをまとめたものになります。
| 特定負荷型 | 全負荷型 | |
|---|---|---|
| 停電時の給電範囲 | 事前に指定した特定の回路のみ | 家全体のすべての回路 |
| 200V家電の使用 | 多くの機種が非対応 | ほとんどの機種が対応 |
| 電力の持続時間 | 使用範囲が限定されるため長時間使える | 蓄電容量にもよるが、消費電力が大きく短時間で消耗 |
| 設置費用 | 比較的安価 | 特定負荷型より10万円~20万円程度高い |
特定負荷型は停電時に使用できる回路をあらかじめ指定しておくことで、特定の部屋や家電製品のみに電力を供給する方式です。一般的には冷蔵庫やリビングの照明、スマートフォン充電用のコンセントなど、生活に最低限必要な場所を選んで設定します。
給電範囲が限定されるため電力を使いすぎる心配がなく、待機電力のロスも最小限に抑えられるため蓄電池に貯めた電気を長時間使い続けられるのが最大のメリットです。
ただし、多くの特定負荷型蓄電池は停電時に100ボルト家電にしか対応できず、200ボルトで動作するエアコンやIHクッキングヒーター、エコキュートといった大型家電は停電時に使用できません。
一方で全負荷型は停電時に家全体のすべての回路に電力を供給できるため、まるで停電していないかのような普段通りの生活を維持できる点が最大の特徴です。
どの部屋でも自由に電気を使用でき、200ボルトに対応していればオール電化住宅で使われるエアコンやIHクッキングヒーター、エコキュートなども停電時に使用可能となります。
ただし、家全体に電力を供給するため消費電力が大きくなり、待機電力などで意図せず電気を消費してしまうことも多く、蓄電池の電気が特定負荷型に比べて短時間で消耗してしまう点には注意が必要です。
つまり、停電時に全ての部屋で電気を使いたい場合には全負荷型を選ぶべきで、特にオール電化住宅では熱源の確保が生活に直結するため全負荷型が推奨されます。
家族構成や電力使用状況、オール電化かガス併用か、予算とのバランスを考慮したうえで、停電時にどの程度の生活レベルを維持したいかを明確にして選択しましょう。
蓄電容量
蓄電容量とは蓄電池に蓄えておける電力量を示す指標で、単位はkWh(キロワットアワー)で表されます。
「1kWの消費電力の機器を何時間(h)使用できるか」を意味しており、5kWhの蓄電池であれば、消費電力1kWのIHクッキングヒーターを5時間使用できる計算です。
蓄電池を選ぶ際には、目的に応じた蓄電容量の機種を選びましょう。
たとえば、電気料金対策を主な目的とする場合には、夕方から就寝までの時間帯に必要な電力量をカバーできる容量を選ぶことが基本となります。
一般的な家庭では夕方18時頃から就寝する23時頃までの約5時間が電力消費のピークです。ピーク時間帯で消費される電力量は平均して5kWh~7kWh程度とされているため、この範囲の蓄電容量の蓄電池を選ぶことで、夜間の電気料金の節約が可能です。
一方で停電対策を主な目的とする場合には、停電時にどれだけの家電製品を何時間動かしたいかという観点から逆算して容量を決定します。
まず停電時に最低限使用したい家電をリストアップし、冷蔵庫や照明、スマートフォン充電といった生活に不可欠な家電の消費電力と使用時間を計算しましょう。
たとえば、消費電力40Wの冷蔵庫を24時間、10WのLED照明を8時間、スマートフォン充電を1回行うのに必要な電力量は1日あたり3kW~5kWh程度です。
さらに快適な生活を目指して、エアコンやIHクッキングヒーター、電子レンジを利用したい場合は、合計で10kWh以上の蓄電容量が必要になります。
しかし、機種やメーカーによって異なりますが、蓄電容量5kWhの蓄電池と、10kWh以上の蓄電池では、初期費用で100万円程度の差が生じる可能性があります。
つまり、蓄電容量は自宅の電力使用状況・家族構成・ライフスタイルを踏まえつつ、電気料金の削減と停電対策のどちらを優先するかを明確にして選びましょう。
まとめ
以上が、蓄電池を後付けする場合の解説です。蓄電池は既存の太陽光発電システムに後付けできますが、現在の状況や機器によって費用が異なります。
また、後付けする目的が電気料金の節約なのか、停電対策なのかによって適切な機器が違う点にも注意しましょう。
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