オール電化
2023/04/04
関西電力の値上げはどれぐらい?関西電力の電気代値上げ率をプランごとにわかりやすく解説
2023年4月1日より、関西電力は料金プランの値上げを実行します。値上げの対象はすべての料金プランとなっているので、契約している方は値上げ率や値上げ額を把握しておくと良いです。
そこで今回は、関西電力の値上げについて解説します。主要なプランの電気代値上げ率や値上げ額を紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
関西電力の値上げは託送料金の見直しが原因
関西電力は2023年4月1日より、託送料金の見直しにより、すべての料金プランの電気料金が値上げします。
託送料金とは、電気を送る際に小売電気事業者が利用する送配電網の利用料金のことです。値上げした分の料金は再生可能エネルギーの導入拡大による送配電網の投資や設備の更新などに充てられます。
関西電力の値上げ後の値上げ率や支払額
関西電力はすべてのプランで電気料金の値上げを行います。主要な料金プランの値上げ率や支払額などを順番に解説します。
なお、厳密には託送料金の見直しなので、見直し前・見直し後と表記するべきですが、本記事では分かりやすさを優先して値上げ前・値上げ後と表記します。
従量電灯A
「従量電灯A」とは主に一般的な家庭向けの規制料金プランです。使用電力量によって電力量料金単価が段階的に上昇する仕組みとなっています。なお、基本料金はありませんが、最初の15kWhまでは最低料金が設定されています。
区分 | 単位 | 料金単価 | ||
---|---|---|---|---|
値上げ前 | 値上げ後 | |||
最低料金(最初の15kWhまで) | 1契約 | 341.01円 | 433.41円 | |
電力量料金 | 15kWhを超え 120kWhまで |
1kWh | 20.31円 | 20.31円 |
120kWhを超え 300kWhまで |
25.71円 | 25.71円 | ||
300kWh超過分 | 28.70円 | 28.70円 |
例えば、1カ月の使用電力量が260kWhの家庭の場合、値上げ前の電気料金が月額6,017円だったのに対して、値上げ後は6,110円に上昇しており、値上げ率は1.55%で、値上げ額は93円です。
従量電灯B
「従量電灯B」とは、主に商店や事務所、飲食店、家庭などで電灯や小型機器を多く使う方向けの規制料金プランです。「従量電灯A」と同様に使用電力量に応じて電力量料金単価が上昇しますが、基本料金が設定されています。
区分 | 単位 | 料金単価 | ||
---|---|---|---|---|
値上げ前 | 値上げ後 | |||
基本料金(最初の15kWhまで) | 1kVA | 369.00円 | 416.94円 | |
電力量料金 | 120kWhまで | 1kWh | 17.91円 | 17.91円 |
120kWhを超え300kWhまで | 21.12円 | 21.12円 | ||
300kWh超過分 | 23.63円 | 23.63円 |
例えば、契約容量が11kVAで1ヵ月の使用電力量が1,180kWhの場合、値上げ前の電気料金が月額31,046円だったのに対して、値上げ後は31,046円に上昇しており、値上げ率は0.74%で、値上げ額は230円です。
低圧電力
「低圧電力」とは主に商店や事務所、飲食店で業務用冷蔵庫や大型エアコンなどの機器を使用している方向けの規制料金プランです。基本料金が設定されていることと、毎年7月1日~9月30日までの期間を夏季とし、電力量料金が上昇する特徴があります。
区分 | 単位 | 料金単価 | ||
---|---|---|---|---|
値上げ前 | 値上げ後 | |||
基本料金 | 1kW | 1,078.00円 | 1,100.84円 | |
電力量料金 | 夏季 | 1kWh | 14.43円 | 14.43円 |
その他季 | 12.95円 | 12.95円 |
例えば、契約電力が8kWで力率が90%、1ヵ月の使用電力量が490kWhの場合、値上げ前の電気料金が14,538円だったのに対して、値上げ後は14,711円に上昇し、値上げ率は1.19%、値上げ額は173円です。
はぴeタイムR
「はぴeタイムR」とは、主にエコキュートを設置している方が加入できる料金プランで、使用する季節や時間帯によって電力量料金単価が異なります。また、IHクッキングヒーターを設置すると電化割引が適用され、電気料金がさらに5%お得になります。
区分 | 単位 | 料金単価 | |||
---|---|---|---|---|---|
値上げ前 | 値上げ後 | ||||
基本料金 | 最初の10kWまで | 1契約 | 2,200.00円 | 2409.40円 | |
10kWを超えて1kWにつき | 1kW | 396.00円 | 416.94円 | ||
電力量料金 | デイタイム | 夏季 | 1kWh | 28.96円 | 28.87円 |
その他季 | 26.33円 | 26.24円 | |||
リビングタイム | 22.89円 | 22.80円 | |||
ナイトタイム | 15.20円 | 15.37円 |
例えば、契約電力が10kWで、1カ月の使用電力量が610kWhの家庭の場合、値上げ前の電気料金が月額13,863円だったのに対して、値上げ後は14,067円で、値上げ率は1.47%、値上げ額は204円です。
はぴeタイム
「はぴeタイム」とは、主にエコキュートを設置している方が加入できる料金プランで、使用する季節や時間帯によって電力量料金単価が異なります。現在は新規加入を停止しているプランですが、停止前に加入している方は継続して利用できます。
区分 | 単位 | 料金単価 | |||
---|---|---|---|---|---|
値上げ前 | 値上げ後 | ||||
基本料金 | 最初の10kWまで | 1契約 | 2,200.00円 | 2409.40円 | |
10kWを超えて1kWにつき | 1kW | 396.00円 | 416.94円 | ||
電力量料金 | デイタイム | 夏季 | 1kWh | 28.96円 | 28.87円 |
その他季 | 26.33円 | 26.24円 | |||
リビングタイム | 22.89円 | 22.80円 | |||
ナイトタイム | 15.20円 | 15.37円 |
「はぴeタイム」と「はぴeタイムR」は基本料金や電力量料金などがすべて同じです。そのため、値上げ後の基本料金や電力量料金も同じなため、値上げ率や値上げ額も似たような結果となります。
時間帯別電灯
「時間帯別電灯」とは、主にエコキュートや電気温水器などの夜間蓄熱式給湯器を使用している方を対象とした電気料金プランです。時間帯によって電力量料金が異なり、昼間の使用電力量によって段階的に料金が上昇する特徴があります。
なお、「はぴeタイム」と同様に新規加入を停止しており、停止前に加入している方は継続して利用できます。
区分 | 単位 | 料金単価 | |||
---|---|---|---|---|---|
値上げ前 | 値上げ後 | ||||
基本料金 | 最初の10kWまで | 1契約 | 1,210.00円 | 1,419.40円 | |
10kWを超えて1kWにつき | 1kW | 396.00円 | 416.94円 | ||
電力量料金 | 昼間時間 | 90kWhまで | 1kWh | 21.22円 | 21.13円 |
90kWh超え230kWhまで | 26.80円 | 26.71円 | |||
230kWh越え | 29.91円 | 29.82円 | |||
夜間時間帯 | 15.20円 | 15.37円 |
例えば、契約電力が10kWで、1カ月の使用電力量が480kWhの家庭の場合、値上げ前の電気料金が月額10,613円だったのに対して、値上げ後は10,846円で、値上げ率は2.20%、値上げ額は233円です。
eおとくプラン
「eおとくプラン」は、使用電力量が多くなりやすい家庭向けの料金プランです。「従量電灯A」と同様に使用電力量によって段階的に電力量料金が上昇しますが、第1段階の上限が120kWhから180kWhに増えていることが特徴になります。
区分 | 単位 | 料金単価 | ||
---|---|---|---|---|
値上げ前 | 値上げ後 | |||
基本料金 | 最初の6kWまで | 1契約 | 1,210.00円 | 1302.40円 |
6kWを超え、1kWにつき | 1kW | 396.00円 | 416.94円 | |
電力量料金 | 180kWhまで | 1kWh | 15.31円 | 15.31円 |
180kWhを超え300kWhまで | 24.48円 | 24.48円 | ||
300kWh超過分 | 28.41円 | 28.41円 |
例えば、契約電力が6kWで、1カ月の使用電力量が350kWhの場合、値上げ額の電気料金が月額8,323円だったのに対して、値上げ後は8,416円で、値上げ率は1.12%、値上げ額は93円です。
なっトクでんき
「なっトクでんき」とは、関電ガス「なっトクプラン」とセットになっている家庭向けの電気料金プランです。使用電力量によって電力量料金が上昇します。
区分 | 単位 | 料金単価 | ||
---|---|---|---|---|
値上げ前 | 値上げ後 | |||
最低料金(最初の15kWhまで) | 1契約 | 285.00円 | 377.40円 | |
電力量料金 | 15kWhを超え
120kWhまで |
1kWh | 20.31円 | 20.31円 |
120kWhを超え
300kWhまで |
24.10円 | 24.10円 | ||
300kWh超過分 | 27.80円 | 27.80円 |
例えば、1カ月の使用電力量が260kWhの家庭の場合、値上げ前の電気料金は月額5,791円だったのに対して、値上げ後は5,883円で、値上げ率は1.59%、値上げ額は92円です。
関西電力の値上げ率の一覧
関西電力の主要な電力プランの値上げ率は以下の通りです。
値上げ率 | 値上げ額 | |
---|---|---|
従量電灯A | 1.55% | 93円 |
従量電灯B | 0.74% | 230円 |
低圧電力 | 1.19% | 173円 |
はぴeタイムR | 1.47% | 204円 |
はぴeタイム | 1.59% | 240円 |
時間帯別電灯 | 2.20% | 233円 |
eおとくプラン | 1.12% | 93円 |
なっトクでんき | 1.59% | 92円 |
上記の値上げ率や値上げ額はシミュレーション上の結果であり、実際の電気料金を保証するものではありません。しかし、託送料金の見直しによる値上げの影響は限りなく少ないと言えます。
電気料金の値上げの対策は?
東京電力や東北電力が予定している電気料金の値上げ率は30%前後となっており、使用電力量によっては1カ月3,000円前後の上昇もあります。
一方で、2023年3月末時点で関西電力は東京電力や東北電力のような大規模な値上げを予定していません。また、託送料金の見直しによる値上げの影響は1%前後と非常に少ないので、すぐに対策を行う必要はありません。
しかし、最近の世界情勢や経済環境を考えると、関西電力が将来的に大規模な値上げを行わないとは断言できないので、次のような対策を実行しておくと良いです。
- 節電を行う
- プランを乗りかえる
- キャンペーンやセット割などを検討してみる
- 太陽光発電システムや蓄電池を設置する
- エコキュートを導入してみる
上記の対策を順番に解説します。
節電を行う
今回のような小規模な値上げでは、節電対策を行うことで影響を抑えることは可能です。例えば、次のような節電方法を試してみましょう。
- エアコンは必要なときだけ点けて、シーズン前にフィルターを掃除する
- 電球はLEDに交換して不要な灯りは小まめに消す
- テレビやパソコンは使わない時に電源を切り
- 不要な家電製品や充電機器などはコンセントから抜く
- 遮熱カーテンを設置して熱の出入りを防ぐ
- 冷蔵庫の開閉時間を短くして商品を詰め込みすぎない
- 炊飯器の保温を止める
- 食器洗浄機の乾燥機能を控えるなど
節電だけで電気料金の値上げに完全に対応することは難しいですが、試す価値はあります。
プランを乗りかえる
電気料金の値上げが苦しい時は料金プランの乗りかえを検討してみましょう。
関西電力や東京電力などの旧一般電力事業者とは別に、ライフスタイルや電気の使い方に合わせた自由料金プランを提供する新電力事業者があります。
旧一般電力事業者とは料金システムやサービス内容が異なるので、状況によっては乗りかえることで電気料金の節約に繋がる可能性はあります。
ただし、乗りかえ先によっては電気料金が高額になってしまうケースもあるので、乗りかえ先はしっかりと確認しましょう。
キャンペーンやセット割などを検討してみる
電力会社によってはガスや水道とセットで申し込むと割引になったり、携帯電話会社やインターネット回線サービスとのキャンペーンでお得になったりします。
例えば、関西電力の「なっトクでんき」と、関電ガス「なっトクプラン」はセット割が適用され、電気料金を節約できます。
キャンペーンやセット割の内容や条件は電力会社ごとに異なり、すべての人が当てはまるとは限りません。しかし、電気料金が安くなる可能性があるので、気になる方はチェックしてみましょう。
太陽光発電システムや蓄電池を設置する
太陽光発電システムや蓄電池を設置すれば、使用電力量を減らすことができ、結果として節電に繋がります。
例えば、太陽光発電システムは太陽光を電気に変換することで、日中の使用電力量を減らしたり、余剰電力を電力会社に売電するので電気代の節約ができたりします。
蓄電池と併用すれば、余剰電力を蓄えておき、夜間の使用電力量を減らすといった使い方が可能です。また、蓄電池単体でも、関西電力の「はぴeタイムR」のような電力量料金が安い夜間に買電して、日中に使用するといった使い方もできます。
太陽光発電システムの発電量はシステムの性能や位置、周りの環境、季節、発電容量などによって異なりますが、平均すると1日あたり2.5~3.8kWhで、1カ月当たりの発電量は80kWh~120kWhです。
1カ月の使用電力量が260kWhの家庭なら、140kWh~180kWhまで減らすことができます。節電だけでは電気料金が節約できない場合は、太陽光発電システムや蓄電池の設置も検討してみましょう。
エコキュートを導入してみる
エコキュートは電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器システムで、ガス給湯器や電気温水器に比べてお湯を沸かすための年間ランニングコストが抑えられます。
また、エコキュートは太陽光発電システムや蓄電池との相性が良いので、一緒に運用すれば電気料金の大幅な値上げに対抗できる可能性があります。
なお、エコキュートや太陽光発電システム、蓄電池などは高額な機器のため、購入する時は補助金制度を活用してみましょう。
例えば、経済産業省資源エネルギー庁が主導している「給湯省エネ事業」では、省エネ性能の高いエコキュートの購入に対して、1台あたり5万円の補助金を支給しています。
全国が対象のため、住んでいる地域によって制限されることはありません。また、住んでいる地方自治体によっては、給湯省エネ事業と別の補助金制度を併用できる可能性もあります。
ただし、補助金制度は予算が尽きてしまうと支給されないので、利用したい方は早めに行動すると良いです。
まとめ
以上が、関西電力の値上げの解説です。2023年4月1日より、関西電力は託送料金の見直しを行います。すべての料金プランが対象で、使用電力量によって異なりますが、値上げ率は1%前後です。
関西電力の値上げは、東京電力や東北電力が予定している大規模な値上げとは異なります。しかし、将来的に関西電力が大規模な値上げを行わないと限らないので、今のうちにエコキュートや太陽光発電システム、蓄電池などの導入を検討してみましょう。
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