太陽光発電
2023/06/23
太陽光パネルって本当に猛毒が出るの?太陽光パネルの危険性や処分時の注意点などを解説
太陽光パネルの危険性として猛毒が含まれていることが挙げられます。確かに、太陽光パネルには危険な物質が含まれているので、一般ごみではなく、産業廃棄物での処理が義務付けられています。 しかし、すべての太陽光パネルが猛毒を含んでいる訳ではありません。また、普通に使用するなら安全性は高い機器です。
そこで今回は、太陽光パネルの猛毒について解説します。太陽光パネルの危険性や処分時の注意点なども解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
太陽光パネルの猛毒とは?
結論から申し上げますと、太陽光パネルに猛毒な物質が使用されていることは事実です。
太陽光パネルは最小単位である太陽電池セルが複数枚集まって構成されており、太陽電池セルは半導体ウェハと呼ばれる素材で出来ています。
メーカーや商品によって半導体ウェハの種類は異なり、主に次の3種類に分かれています。
概要 | |
---|---|
シリコン系 | 発電効率に優れており、住宅用に使用されるケースが多い |
化合物系 | 低価格で生産でき、高温時の出力ロスが抑えられている |
有機物系 | 軽くて薄い素材だが、現時点では研究段階 |
素材によってコストパフォーマンスや発電効率は異なり、資源エネルギー庁の調査によれば現在普及している太陽光パネルの95%以上はシリコン系です。
ただし、市場で販売されている太陽光パネルのシリコン系には鉛が、化合物系にはヒ素、セレン、カドミウムなどの有害物質が含まれています。
太陽光パネルの猛毒が人体に与える影響
次の表は、太陽光パネルに含まれる猛毒が人体に与える影響をまとめたものです。
影響 | |
---|---|
鉛 | 造血系や中枢・末梢神経、腎臓などの機能に障害が見られる 体内に蓄積すると慢性中毒の症状が現れる |
ヒ素 | 短期間に大量に摂取すると発熱や嘔吐、脱毛などの症状が現れる 長期間に渡って摂取すると、皮膚組織の変化やがんの発生などある |
セレン | 震えや立ち眩み、脱毛、胃腸障害などの症状が現れる |
カドミウム | 骨がもろくなる、がんの発生などの症状が現れる |
有害物質は短期間に大量に摂取するか、長期間に渡って摂取すると上記のような症状が現れる可能性があります。
本当に太陽光パネルは使用していても大丈夫なの?
太陽光パネルに有害物質が含まれていることは事実ですが、基本的に問題ありません。
シリコン系半導体ウェハのパネルの表面を走る縦線に鉛は使用されています。縦線は光エネルギーによって発電された電力を運ぶためのケーブルで、主に銀や銅、鈴などが使用されています。
鉛はケーブルの添加剤として1990年代~2000年代に1枚につき数グラム程度使用されていましたが、現在は使用されていないケースが増えています。シリコン系半導体ウェハには鉛以外の有害物質は現時点で一切使用されていません。
シリコン系半導体ウェハの普及率は約95%以上なので、ほとんどの太陽光パネルは使用しても問題ないといえます。
化合物系の太陽光パネルは注意が必要
化合物系の太陽光パネルを使用することは問題ありませんが、処分する際には注意が必要です。
化合物系半導体ウェハは3種類あり、それぞれで含まれている有害物質が異なります。
- GaAs系…ヒ素
- CIS/CIGS系…セレン
- Cd-Te系…カドミウム
GaAs系は変換効率が非常に高いですが、製造コストもかなり高価で、人工衛星のような限られた用途でしか使われません。一方で、CIS/CIGS系やCd-Te系は発電効率が高く、コストを抑えられることもあり、海外メーカーでは研究や販売をしています。
海外メーカーの太陽光パネルを日本の住宅で使用することは可能なので、場合によってはCIS/CIGS系やCd-Te系を購入する可能性はありますが、有害物質が含まれていても、破損や老朽化しない限りは問題ありません。
しかし、普及率が高いシリコン系の処理方法は認知されていますが、上記のような化合物系は対応できない場合があります。太陽光パネルの廃棄業者で処理できないときは、購入したメーカーに依頼する可能性があるので注意しましょう。
有害物質が拡散する可能性はあるの?
普通に使用していて有害物質が拡散される可能性は限りなく低いです。
太陽光パネルは封止材で密封されており、ガラスとバックシートで保護されています。そのため、日常的に使用していても半導体ウェハに含まれている有害物質が流出したり、拡散したりする恐れはありません。
ただし、太陽光パネルが自然災害や事故などで破損した状態で何年も放置されていると、有害物質が拡散する可能性は否定できません。そのため、壊れてしまったり、老朽化したりした太陽光パネルは速やかに処分しましょう。
太陽光パネルの処分方法
原則として、太陽光パネルの処分は産業廃棄物扱いです。ご自身で分解したとしても、家庭ごみとして処分はできません。また、太陽光パネルを屋根の上から外して撤去する業者と、廃棄物処理業者が別々というケースがあります。
そのため、太陽光パネルを処分する場合は次のような手順になります。
- 設置した施工業者に解体撤去を依頼する
- 産業廃棄物処理業者に廃棄を依頼する
屋根の上にある太陽光パネルを廃棄できるのは、太陽光パネルを施工した業者やハウスメーカー、工務店などと法律で定められています。そのため、まずは太陽光パネルを設置した業者に解体撤去を依頼しましょう。
次に、産業廃棄物処理業者を探します。太陽光パネルを専門的に販売している業者なら産業廃棄物処理業者を知っている場合もあるので、解体撤去を依頼した段階で同時に依頼できる可能性があります。
あとは、業者に任せて太陽光パネルを処分するだけです。なお、太陽光パネルの撤去費用だけなら20万円~30万円程度ですが、撤去費用とは別に太陽光パネルを設置した部分の補修として数万円~100万円程度の出費がかかる可能性があります。
転居や家屋の取り壊しで太陽光パネルを撤去する場合は問題ありませんが、撤去後も同じ家屋に住む場合は、撤去費用が高額になる可能性があると覚えておきましょう。
災害で破損した太陽光パネルの処分は注意が必要
上記の処分方法は屋根の上に設置されている太陽光パネルの場合です。台風や突風、地震などで太陽光パネルが地面に落ちた場合は、産業廃棄物ではなく一般廃棄物として扱われます。
一般廃棄物となった太陽光パネルの処分方法は自治体によって異なります。粗大ごみと同じ扱いで処分する自治体があれば、宝塚市のように専門の業者に依頼することを求められるケースもあります。
太陽光パネルは浸水や破損をしても太陽光が当たると発電するので、むやみに近づくと感電する恐れがあります。そのため、素手で触らず、ゴム手袋やゴム長靴などを装着してブルーシートで覆うか、パネル面を地面に向けるなどの対処をしましょう。
太陽光パネルの寿命は?
太陽光パネルには寿命が2種類あります。
- 法定耐用年数…税法上で定められている寿命
- 期待寿命…メーカーが想定している寿命
太陽光パネルの法定耐用年数は17年ですが、期待寿命は30年以上と言われています。法定耐用年数を大きく上回る要因は、太陽光パネルが一般的な家電製品と違って可動部が少ないためです。
一般的な家電製品は稼働部が多いため、10年程度で故障するか、トラブルが発生する可能性が高くなります。一方で、太陽光パネルは稼働する部分が少ないため、経年劣化以外のトラブルが起きにくいです。
また、太陽光パネルは2009年に始まった余剰電力買取制度(後に固定価格買取制度に変更)によって住宅用が普及し始めてから、14年程度しか経っていません。
仮に、2009年に購入していても、2023年時点では法定耐用年数を迎えていないため、太陽光パネルの正式な寿命はメーカー側でも把握できていません。実際、国内には30年以上稼働する事例が幾つか報告されています。
太陽光パネルの寿命が30年以上なら、30代で購入した場合、処分を検討するのは60代です。60代となれば、老後を見据えて自宅の売却やリフォームを考える時期となっているので、太陽光パネルの撤去後の修繕費を考えずに済む可能性があります。
太陽光パネルは電気料金の高騰を抑えられる
太陽光パネルの最大のメリットは自家発電が可能になることです。
例えば、東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bに契約しており、1カ月の使用電力量が400kWhの場合、電力量料金だけで約14,257円になります。仮に、太陽光パネルを設置して使用電力量を300kWhに抑えた場合は、約10,188円です。
電気料金は従量課金制を採用しており、使用電力量が増えると料金が高額になります。特に従量電灯Bのような規制料金プランは使用電力量が増えるほど料金単価が割高です。
太陽光パネルを設置することで自家発電が可能になれば、使用電力量が減るので電気料金の大幅な節約ができます。
2023年6月1日より、大手電力会社7社は20%から40%程度の大幅な値上げを実施しています。20%ならまだしも、40%の値上げを節電だけで対処するのは難しいです。
しかし、太陽光パネルは商品や設置枚数、周りの環境にもよりますが、1kWあたりの1カ月の平均発電量は約83kWhです。一般的な太陽光パネルの発電量が5kWh前後なので、計算上では1カ月の平均発電量は約415kWhになります。
実際は、天気や屋根の向きなどによって発電量は増減しますが、太陽光パネルを設置すれば電気料金の大幅な節約が期待できます。また、太陽光パネルは蓄電池やエコキュートなどの、創エネ・省エネ住宅機器との相性も良いです。
電気料金の節約を考えている方は、太陽光パネルや蓄電池、エコキュートなどの設置を検討してみましょう。
まとめ
以上が、太陽光パネルの猛毒についての解説です。太陽光パネルは有害物質を含んでいますが、シリコン系半導体ウェハの鉛の含有率は年々下がっており、基本的に安全です。
化合物系半導体ウェハにはセレンやカドミウムなどが含まれていますが、密封されているので普通に使用する分には問題ありません。
つまり、太陽光パネルの安全性は非常に高く、安心して使用できます。ただし、太陽光パネルは処分方法が厳しく定められているので、購入前に業者に確認しておくと良いでしょう。
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