蓄電池
2023/01/26
V2H対応車種の特徴を徹底解説!V2H導入のメリットやデメリットまで
近年、エコ需要の高まりからマイカーなどを電気自動車にする方もいます。電気自動車はガソリン車に比べてメリットがあり、これから乗り換えを検討する方もいるでしょう。 電気自動車は走行する以外にもバッテリーを有効活用して自家用に使うこともできます。ただし、自家用として使うにはV2Hに対応する車種にする必要があります。
本記事ではV2Hの概要や対応車種などを解説します。
V2Hとは?
V2Hは「Vehicle to Home(ビークル・トゥ・ホーム)」の略称であり、電気自動車のバッテリーへの充電やバッテリーからの電力供給を可能にする設備です。具体的には大容量バッテリーを家庭でも有効活用するためのシステムを意味します。
近年の電気自動車に搭載されているバッテリーは、数百㎞の移動に対応できるほど大容量になっています。しかし、走行しないときに置いておくだけではもったいなさがあります。
そこでV2Hを導入して、大容量バッテリーを家庭用電源として使う方法があるのです。
V2Hが使える車種
V2Hが使える車種は次にご紹介する3種類です。
BEV
BEVは「Battery Electric Vehicle(バッテリー・エレクトリック・ビークル)」の略称であり、完全な電気自動車を意味します。そのため、エンジンがなくガソリンを一切使用しません。ガソリン車と違い電気のみで走行するため、二酸化炭素の排出がなく環境にも優しい車種です。
BEVのメリットはガソリン車に比べて燃料代がかからないことです。また、BEVはモーターでの動作になるため、始動や走行中の静かさも特徴です。
一方で充電環境によっては充電に時間がかかるため、航続距離が限られる場合があります。
バッテリーの寿命にも注意する必要があります。
HEV
HEVは「Hybrid Electric Vehicle(ハイブリッド・エレクトリック・ビークル)」の略称であり、エンジンとモーターを組み合わせて走行するハイブリッド型の自動車です。モーターを駆動させるには電気が必要ですが、エンジンの駆動によって発電した電気を活用できるモーターを利用するため充電が必要ありません。
HEVのメリットはガソリン車に比べて燃費がいいことや減税対象になることが挙げられます。始動時はモーター駆動のため静かに走り出すことも可能です。
ただし、BEVと同様でバッテリーの劣化が挙げられます。加えてハイブリッドシステムは複雑であるため、故障すると費用が割高になることもあるでしょう。バッテリーで車体重量が重くなる点もデメリットです。
PHEV
PHEVは「Plugin Hybrid Electric Vehicle(プラグイン・ハイブリッド・エレクトリック・ビークル)」の略称であり、エンジンとモーターで走行する自動車です。HEVと同様の仕組みですが、大きな違いは外部電源からの充電が可能な点です。
また、HEVの車種よりも大きなバッテリーを積んでいることから、電気だけで走行できる距離が長くなっています。もちろん、ガソリン車よりも燃費の良さがあります。
しかし、モーターとエンジンの両方を搭載していることや、大き目のバッテリーを搭載していることで価格が高い傾向にあります。それから、EV走行を多用するとガソリンタンクに入っているガソリンの劣化につながります。
V2H導入のメリット・デメリット
V2H導入のメリットとデメリットを簡潔にまとめました。
メリット
メリットとしては対応車種のバッテリーを電源として有効活用できることです。先述のとおり、V2Hに対応している車種のバッテリーは大容量であり、場合によっては数日間の電力の供給が可能です。
太陽光発電を設置している家庭であれば、BEVやHEVなどに蓄えた電力を夜間に供給することができます。災害発生時にも電気が使えるようになるでしょう。
また、電気代の節約にも効果的です。例えば、夜間の時間帯の電気代が安いプランに契約しているならば、夜間にBEVなどに充電して昼間に使うようにする方法があります。
太陽光発電を設置しているならば余剰電力をBEVなどに供給して利用すれば、FIT制度の期間が終了した家庭でもお得に利用できるでしょう。
他にもV2H機器は通常の家庭用コンセントに比較して充電完了までの時間を短縮できます。V2H対応車種を頻繁に使う場合は重宝します。
デメリット
V2Hにはいくつかデメリットがあるため、対策を考えてから導入しましょう。まずは導入費用がかかることです。昨今、主流の機器は高いと100万円前後かかります。最低でも50万円前後はかかるため、予算の確保が必要です。
また、機器代金だけではなく設置工事にかかる費用もあります。ケースバイケースで工事費用が異なるため、事前の見積もりを確認しましょう。費用に関しては補助金が利用できる場合があります。後述しますので参考にしてください。
それから、V2H機器は設置場所が限定されます。V2H機器はシステムの特性上、BEVなどと自宅の中間に位置する必要があります。具体的な設置場所としてはガレージに設置することが多いです。
よって、ガレージが狭いとV2H機器が設置できない可能性があります。V2Hを導入する際は、機器が設置できるかどうかを確認のうえで進めてください。
もう一つデメリットをご紹介するとすれば、輸入車の対応車種が少ないことです。ブランドにこだわる場合は、V2Hの導入に至らない可能性があります。
V2H対応車種と特徴
ここからはV2Hの対応車種の一部をご紹介します。なお、対応車種は2023年1月時点の内容です。
【トヨタ】bZ4X
トヨタが初めて純粋な電気自動車として開発した車種が「bZ4X」です。電気自動車らしい静かな始動、スタイリッシュなSUVボディが特徴です。バッテリーの配置を考慮したため、車内空間にも余裕があります。
【トヨタ】プリウスPHEV
トヨタの電気自動車として代表的な車種がプリウスでしょう。プリウスの車種でもPHEVモデルのご紹介です。充電がMAXの状態で60㎞までのEV走行ができます。長距離移動ではなければ、EV走行でも十分です。オプションで屋根に太陽光パネルを設置できます。
【トヨタ】MARIA
MARIAは水素を燃料とした車種です。実際は水素と酸素を利用し電気によってモーターを動かします。車体価格は高いものの、独自のスタイルに魅力を感じる方もいるでしょう。航続距離はグレードによって異なりますが、750~850㎞ほどです。
【三菱】ekクロス EV
ekクロス EVは軽自動車の電気自動車です。独自の調査により軽自動車の走行距離が1日50㎞とし、ekクロス EVにおいて航続可能距離で180㎞を実現しました。バッテリーは床下に配置し低重心になっています。
【三菱】アウトランダーPHEV
三菱を代表するSUVと言えるのがアウトランダーPHEVです。S-AWCを採用し4輪駆動を最適に制御して高い操縦性能を実現しました。バッテリーやガソリンタンクの容量を大きくし900~1000㎞ほどの航続距離となっています。
【三菱】エクリプスクロスPHEV
エクリプスクロスPHEVもアウトランダーPHEVと並び、三菱を代表するSUVです。バッテリー残量がなくなったときもエンジンから発電して電力供給をします。蓄電容量が13.8kWhであり、一般家庭の1日分の電力を供給できます。
【三菱】i-MiEV
i-MiEVは三菱が世界各国で量産した初めての電気自動車です。丸くて可愛らしいデザインだけではなく、軽自動車では初めての電気自動車として注目を集めました。現在、生産を終了していますが、気になる場合は中古市場でチェックしてみるといいでしょう。
【三菱】MINICAV-MiEV
MINICAV-MiEVは商用電気自動車として販売されています。そのため、街中などで頻繁に見かけることがない車種でしょう。航続可能距離が133㎞となっており、毎日同じルートを走行する場合などには向いているでしょう。
【日産】リーフ
国産電気自動車としても有名な車種がリーフです。コンパクトカークラスの電気自動車であり、快適性や力強い走行を実現しています。蓄電容量を40kWhと62 kWhから選べます。
【日産】アリア
アリアはSUVタイプの電気自動車です。最高グレードである「e-4ORCE」は動力性能に優れています。バッテリーには温度調整システムが採用されており、劣化の進行を抑えることが可能です。
【日産】サクラ
サクラは日産の軽電気自動車です。豊富なカラーバリエーションが特徴で、好みに合った1台が見つかるでしょう。航続可能距離が180㎞であることから、日常生活では十分な走行ができます。運転モードも選べるため、快適な走行につながるでしょう。
【日産】e-NV200
e-NV200はワンボックスタイプの電気自動車です。すでに生産は終了していますが、商用として人気の車種です。パワープラグのコンセントが2つ搭載されているため、家電を利用することができます。
【ホンダ】Honda e
Honda eはホンダが初めて量産した電気自動車です。ダッシュボードに5つのモニターが広がっていたりレトロ感があるデザインだったり個性的な車種となっています。航続可能距離は283㎞で普段使いには問題ありません。35.5kWhの蓄電容量も魅力です。
【スバル】ソルテラ
ソルテラはスバルが初めて量産した電気自動車です。SUVの力強さと電気自動車の先進性を兼ね合わせたデザインが特徴です。航続可能距離が487~567㎞であり蓄電容量が71.4kWhと大型バッテリーも強みとなっています。
【マツダ】MX-30 EV MODEL
MX-30 EV MODELはコンパクトSUVタイプの電気自動車です。フリースタイルドアに物珍しさを感じるでしょう。ラゲッジスペースとフロントコンソールにAV100V/1500Wの電源が装着されています。
【マツダ】CX-60 PHEV
CX-60 PHEVはマツダ史上最高級とも言われる電気自動車です。スムーズな加速と操縦安定性などさまざまな魅力が詰まった車種です。ノーマルやEVなどモード選択が可能で、バッテリー残量が規定値になるまではEV走行となります。
【メルセデス・ベンツ】EQE
EQEはメルセデス・ベンツのミドルクラスのセダンEVとして開発されました。高級車の風格だけではなく、走行性や静粛性などを兼ね備えています。ラインナップにはFRと4WDがあります。
【メルセデス・ベンツ】EQS
EQSはメルセデス・ベンツの最高峰と言われる電気自動車です。大型サイズでありながらリアアクスルステアリングによって後輪蛇行が可能です。航続可能距離は601~700㎞、蓄電容量は他を圧倒する107.8khWとなっています。
V2H導入に活用できる補助金
V2H導入には国が整備する補助金制度を利用できます。下記に一例をご紹介しますので、制度内容を確認しましょう。
- CEV補助金
- クリーンエネルギー自動車導入促進補助金
- クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金
いずれも各年度で予算などが決まっているため、適宜、最新情報を確認のうえで申請してください。
まとめ
V2Hは電気自動車の充電だけではなく、電気自動車のバッテリーを家庭で使える設備です。V2Hに対応している車種も各メーカーから販売されています。
V2Hを導入すれば、電気自動車のバッテリーの電気を有効活用できます。さらに太陽光発電などを併用すれば、より効率的な充電や電力の消費につながります。
エコ突撃隊では太陽光発電を含めた住宅設備の情報発信を定期的に行っています。V2Hや太陽光発電などにご興味のある方は、ぜひご相談ください。
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