蓄電池
2022/01/15
テスラのパワーウォールとは?パワーウォールの特長や注意点について詳しく解説
テスラが販売しているパワーウォールは、コストパフォーマンスに優れた大容量蓄電池で、スマートでコンパクトなデザインも相まって注目を集めています。
しかし、海外メーカーが独自のビジネスモデルで販売している商品なので、国内の蓄電池と比べて購入する際に注意すべきポイントがあります。
そこで今回は、テスラのパワーウォールについて解説します。パワーウォールのスペックや特長、注意点について詳しく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
なお、記事執筆時点までに幾度かのアップデートを行っており、アメリカで販売中の最新機種はバージョン3(パワーウォール3)ですが、本記事では日本で販売しているバージョン2(パワーウォール2)について解説します。
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目次
テスラ社製パワーウォールとは?
パワーウォール(Powerwall)とは、2020年よりテスラ社(Tesla, Inc.)が日本で販売を開始した家庭用蓄電池のことです。
テスラ社と言えば、電気自動車のイメージが強いですが、自動車とは別にソーラーパネルやソーラールーフなどのグリーンエネルギー関連製品の製造と販売を行っています。
大規模な自然災害により停電に見舞われた南オーストラリア州の蓄電施設の建設や、パナソニックと提携してリチウムイオン電池の量産に着手するなど、グリーンエネルギー関連で実績を獲得し、欧米を中心にテスラのグリーンエネルギー関連製品は高い評価を得ています。
なお、日本で販売されているパワーウォールはバージョン2(パワーウォール2)ですが、国内では初めての販売のため流通している商品に2を付けず、「パワーウォール(Powerwall)」の名称となっています。
パワーウォールの価格やスペックは?
パワーウォールの主な仕様やスペックは以下の表の通りです。
蓄電容量 | 13.5kWh |
定格出力 | 5kW(充放電) |
最大出力 | 7kW(充放電,10秒間) |
充放電効率 | 90% |
定格交流電圧 | 100V/200V |
接続様式 | 単相三線式 |
サイズ(高さ×幅×奥行) | 1150 mm x 753 mm x 147 mm |
重量 | 114kg |
保証 | 10年間 |
設置方式 | 床置き・壁掛け |
設置環境 | 屋内・屋外 |
動作温度 | -20℃~50℃ |
パワーウォールの動作温度は-20℃~50℃と広く設定されているので、北海道や青森といった寒い地域や、沖縄や鹿児島のような暑い地域でも問題なく使用できます。
サイズも奥行が147mmとスリムなため、狭小スペースにも設置しやすく、屋内・屋外のどちらでも設置可能となっています。
蓄電容量とは、蓄電池に貯めておくことができる電力量のことで、13.5kWhもあれば4人家族の1日分の電力を賄うことができます。使用する家電製品の数を減らせば、数日程度は持つようになるので、もしもの時に備えられます。
また、パワーウォールは停電時に自動で電力供給に対応しており、太陽光発電があれば日中に発電した電力を蓄えておくことができます。
運転モードは複数あり、ライフスタイルに合わせて変更できます。また、専用のアプリによりモードの変更が可能なので、外出先から操作できます。
運転モード | 内容 |
バランスモード | 自家消費と節約のバランスが最も取れたモード |
自家消費モード | 太陽光発電の余剰電力を蓄電し、不足した場合に放電 |
節約モード | 電気料金が安い時間帯に蓄電し、高い時間帯に放電することで節電効果を高める |
バックアップ専用モード | 常に蓄電しており、停電時のみ放電 |
パワーウォールは単機能型・全負荷型蓄電池です。単機能型のため、太陽光発電システムを設置していなくても運用でき、連係する際のメーカーを選びません。
全負荷型の蓄電池は停電時に全ての部屋に電力を給電できます。200Vに対応しているため、停電時でもエアコンやIHクッキングヒーターなどの家電製品を動かすことが可能です。
つまり、パワーウォールは多くの電力を貯めることができ、高出力なので停電時でも多くの家電製品を動かすことができるなど、幾つものメリットを兼ね備えている高性能な蓄電池と言えます。
パワーウォールの特長
パワーウォールの独自の特長は次の2つです。
- 大容量ながら価格が安い
- 無料のアップデートにより機能や性能が進化する
上記の特徴を順番に解説します。
大容量ながら価格が安い
パワーウォールの最大の特徴は、13.5kWhの大容量蓄電池でありながら、価格が他の蓄電池と比べて安いことです。次の表は、主要蓄電池メーカーの蓄電容量とメーカー希望価格を比較した物です。
メーカー | 蓄電容量 | メーカー希望価格(税込) |
テスラ | 13.5kWh | 1,089,000円 |
オムロン | 9.8kWh | 3,170,000円~ |
シャープ | 8.4kWh | 3,278,000円~ |
田淵電機 | 14.08kWh(2台分) | 2,200,000円~ |
ニチコン | 16.6kWh | 4,400,000円~ |
上記の価格はメーカー希望価格で、設置工事費や手続などの費用を含めていないので、実際に販売店で購入する場合の値段と異なる可能性もあります。
しかし、テスラのパワーウォールは国内主要メーカーの蓄電池と比べて蓄電容量が多く、れでいてメーカー希望価格が安く設定されているのが分かります。
パワーウォールが他の蓄電池に比べて割安なのは、卸業者や商社を介さず、直接売買する直販モデルだからです。また、パワーウォールに使用されているバッテリーは電気自動車に採用されている製品と同じなので、大量生産が可能なのも安さの理由として挙げられています。
無料のアップデートにより機能や性能が進化する
パワーウォールのもう1つの特徴が、専用のアプリ「パワーウォール・コントロール」により、無料のアップデートが行われることです。
アプリに繋げることで電力の発電量・消費量を計測したり、運転モードを切り替えたりできるのは、他のメーカーでも対応しています。しかし、テスラのパワーウォールはアプリを介してアップデートを無料で行い、新たな機能を増やすことができます。
例えば、パワーウォールには上記で説明した運転モード以外に、台風や大雨などの停電リスクが高まると充電を優先する「ストームウォッチモード」があります。
停電リスクに対するモードですが、このモードはアメリカで販売された時は搭載されておらず、無料のアップデートによって更新・追加されました。
テスラによれば、アプリを介したアップデートは継続的に行われるため、常に最新の機能を利用できるのは魅力的です。
パワーウォールの注意点
パワーウォールは高性能でコストパフォーマンスに優れた蓄電池ですが、次の点に注意しましょう。
- 認定施工会社は限られている
- バッテリー寿命が不明
- テスラの太陽光発電システムは購入できない
- V2H機能はない
- 補助金はない
上記の注意点について、しっかりと確認しましょう。
認定施工会社は限られている
パワーウォールは直販モデルのため、テスラの認定施工会社より購入できます。ただし、認定施工会社は限られており、発売当初は8社しかありませんでした。
2021年に入り認定施工会社の数は増えていますが、それでも多くはありません。パワーウォールに興味がある方は、認定施工会社に問い合わせてみましょう。
バッテリー寿命が不明
蓄電池にはバッテリー寿命(サイクル)が設定されており、使用し続けると貯めておける電力量が減っていきます。メーカーによってはサイクル数を公表していますが、テスラは公表していないので、バッテリー寿命が不明です。
海外向けのパワーウォールの情報を参考にした場合、サイクル数は5,000~7,000です。仮に1日1サイクルの放充電をした場合、約13年半でバッテリー寿命を迎える計算になります。
バッテリー寿命は実際の使用頻度によって変動するため、13年を下回る可能性もあります。しかし、保証期間が10年となっているのを考えると、少なくとも10年以上は一定の品質を保つ製品だと分析できます。
テスラの太陽光発電システムは購入できない
テスラは独自の太陽光発電システムを扱っていますが、日本国内に向けて販売はしていません。そのため、太陽光発電システムと蓄電池のメーカーをテスラで揃えることは記事執筆時点だと不可能です。
なお、パワーウォールは単機能型の蓄電池のため、太陽光発電システムを設置しなくても運用できます。また、他のメーカーと連係することは可能となっていますので、パワーウォールを設置する際は太陽光発電システムの導入も検討してみましょう。
V2H機能はない
V2H(Vehicle to Home:VtoH)機能とは、電気自動車から建物に電力を供給するシステムのことです。蓄電池によっては電気自動車と建物の間で、電力の橋渡しを行うことができますが、パワーウォールにはV2H機能が搭載されていません。
そのため、パワーウォールがあっても「テスラの電気自動車」の電力を建物に給電するといった使い方はできないので注意しましょう。
補助金はない
記事執筆時点では、パワーウォールは地方自治体が行っている補助金制度の対象外のため、補助金はありません。
補助金制度は日本産業規格(JIS)の基準とS-JET認証の両方を満たす必要があるのですが、パワーウォールはどちらもクリアしていません。そのため、補助金制度を利用してパワーウォールを安く購入することはできません。
蓄電池の種類によっては大規模な補助金制度の対象となり、購入に必要な費用がかなり抑えられるケースがあります。補助金を活用して、蓄電池をお得に購入したい方は、別の製品を探してみましょう。
まとめ
以上が、パワーウォールに関する解説になります。パワーウォールは大容量蓄電池を安く買いたいという方におすすめの商品になります。高性能な品質で、単機能型・全負荷型のため停電にも強く、無料のアップデートにより最新の機能を利用できるなどのメリットが揃っています。
ただし、パワーウォールを購入できる認定施工会社は数が少なく、住んでいる地域によっては設置までに時間が掛かる場合があります。
エコ突撃隊ではパワーウォール以外の高性能な蓄電池を扱っています。創業23年、総施工件数25,000件を突破しており、正規メーカー製品を低価格で販売しております。蓄電池のことでご相談がありましたら、ぜひエコ突撃隊までご連絡ください。
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