太陽光発電
2015/12/09
太陽光発電の故障・不具合とメンテナンス
太陽光発電システムを導入後の故障や不具合の内容と、故障・不具合を未然に防ぎ、高い発電効率を長期間に渡って保つためのメンテナンス方法について解説します。
太陽光発電システムを導入後の故障や不具合の内容と、故障・不具合を未然に防ぎ、高い発電効率を長期間に渡って保つためのメンテナンス方法について解説します。
太陽光発電導入後に起こりうる故障・不具合
ホットスポット(パネルの中の熱損失)
ホットスポットとは、太陽電池モジュールのハンダ付け不良や、落ち葉、鳥の糞、砂塵がモジュール表面に付着して陰を作ることによって、陰となった部分の発電しないセルが発熱してしまう現象のことです。
短期間で解消されるホットスポットならば問題はありませんが、長期間ホットスポットが発生すると、太陽光モジュールの破損による全体発電量の低下や、最悪の場合発火の恐れもありますので、発見次第すぐに交換が必要です。
バイパスダイオードの不具合
バイパスダイオードとは、陰がかかって発電しなくなったソーラーパネルのセルが発生した場合に、そのセルを回避して発電を行うための装置です。
この部品が不具合を起こすと、ホットスポットが発生してもバイパスダイオードが働かず、発電していないセルにも電流が流れてしまいます。
発電していないセルに電流が流れると、発熱したり、セルが破損する原因になったりするのでとても危険です。
太陽電池モジュールのガラス割れ
太陽電池システムに起こる不具合の中で、目で見て確認できるものとして、太陽電池モジュール表面のガラス割れがあります。
ガラスが割れても発電量そのものには大きく差がでませんので、発電量のチェックでは逆に見つけにくい厄介な不具合です。
「発電量が変わらないので大丈夫」と思いがちですが、割れたガラスから浸水し、徐々に発電量が落ちてしまったり、安全面に不安がありますので、点検で発見したら交換することが必要です。
太陽光発電はメンテナンスが必要です。
当初は太陽光発電システムは、メンテナンスが不要な、いわゆるメンテナンスフリーと言われていましたが、雨による太陽光パネルの水垢・汚れや風などによるパネルの傷での発電量の低下、ケーブルの腐食劣化、敷地や周辺の除草や清掃作業など、太陽光発電システムにも定期的に適切なメンテナンスが必要となります。
家庭用太陽光発電のメンテナンス
自分で行える太陽光発電システムのメンテナンス
太陽光発電システム導入後のメンテナンスとして、実は家庭で行えるものはほとんどありません。
家庭で行える太陽光発電システム導入後のメンテナンスをひとつだけ挙げるとすれば、日々の発電量のチェックがあります。
先ほどご紹介したホットスポットなどの不具合は、発見するのが非常に難しく、実際にソーラーパネルを見たりしないといけません。
日々の発電量を記録していくことで、そういった危険を冒さずとも、不具合の発生を発電量の低下によって察知することができるのです。
メーカー、販売施工会社が行う太陽光発電システムのメンテナンス
太陽光発電システムの販売メーカーは、4年に一度の定期点検を推奨していますが、取り付けから1年を過ぎてからの点検は有料で、約2万円かかります。
定期点検の内容としては、以下の3つに分類されます。
- 製品点検
太陽電池パネル・パワーコンディショナー・接続箱・昇圧ユニットの点検 - 運転点検
パワーコンディショナー・昇圧ユニットの動作を確認 - 数値測定
太陽電池モジュール及び機器間の絶縁抵抗測定、太陽電池・電力系統の電圧測定
※点検内容は追加(モジュールの高圧洗浄など)・削減が可能です。内容により料金は変動します。
その他、以下のように定期点検だけでは見過ごしてしまうような不具合の検査も、日頃から意識して行っていくことが重要になってきます。
- チェック対象
太陽電池モジュール/パワーコンディショナー/ケーブル・設置箱 - チェック項目
汚れ、傷の有無/破損、欠損の有無/腐食、配線外れの有無/異音や振動、異臭の有無/発電量の確認
なお、これらの点検はご家庭で行うのは難しいですので、プロのメンテナンス業者へ依頼することが望ましいです。
産業用太陽光発電のメンテナンス
太陽光発電システムには、家庭用の他に産業用も存在します。
産業用太陽光発電システムに必要なメンテナンスとはどんなものなのか見ていきましょう。
- 電気系統のチェック
家庭用と同じく、電気系統の機器に問題がないかの点検です。 - 発電量の確認
家庭用と同じく、発電量に問題がないかの点検です。 - 太陽光パネルの洗浄
雨で落ちない汚れなどを、高圧洗浄によって洗い流します。 - 敷地や周辺の除草や清掃作業
産業用太陽光発電は家庭用と違い地面においてありますので、周囲の草で陰にならないよう、除草や清掃作業を行います。
メガソーラーを含めた産業用太陽光発電システムのメンテナンス費用ですが、目安として初期導入費用の0.5%から1%未満が年間平均で必要になります。
長期間に渡って使用していくためにも、メーカーやメンテナンス業者と相談して、適切に行なっていく必要があるでしょう。
まとめ
- 太陽光発電システムはメンテナンスフリーではありません。長く使うためには適切なメンテナンスが必要です。
- ホットスポットは、陰によって発電しないソーラーパネルのセルが発熱してしまう状態のことです。
- 太陽光発電システムのメンテナンスは、家庭で自主的に行えるものが少なく、毎日の発電チェック程度しかできません。
- メーカーが推奨する4年に一度の定期メンテナンスの他にも、普段からメンテナンス業者などに依頼して、こまめに点検してもらうことが大事です。
- 産業用太陽光発電システムは、家庭用よりもメンテナンス項目が多く、維持費もかかります。
- 太陽光発電システムは壊れにくいとされ、メンテナンスはあまり重要視されていませんが、安定した発電量を長期間にわたり維持するのに欠かせません。
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