蓄電池
2021/03/24
Power Pocketとは?Power Pocketのスペックや特徴について解説
Power Pocketは業界でも最小・最軽量な家庭用蓄電池です。販売している株式会社エコシスは「地球にやさしい、スマートハウス!」を標語に、蓄電池以外のオール電化関連の機器を発売しています。
今回は、株式会社エコシスのPower Pocketについて解説します。Power Pocketのスペックや特徴についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
Power Pocketとは?
Power Pocketとは、株式会社エコシスが販売している家庭用蓄電池です。株式会社エコシスは太陽光発電やエコキュートといったスマート住宅用の設備機器を販売している企業でPower Pocket以外にも蓄電池を扱っています。
Power Pocketは業界でも最小・最軽量の蓄電池で狭小スペースや室内など、設置する場所を選びません。また、充実した安心保証が付いているのも特徴で、もしもの時に備えて設置しやすい蓄電池です。
家庭用蓄電池とは?
家庭用蓄電池とは、自宅に設置できる蓄電池を指します。太陽光発電システムで発電した電力を蓄電し、状況に応じて使用できるようにコントロールする機器です。
基本的に太陽光発電システムは蓄電池がなくても設置や運用は可能です。しかし、蓄電池を設置しないと、自家消費(自宅で消費)しきれかった電力はそのまま捨てることになります。
蓄電池があれば、消費・売電しきれなかった電力を蓄電し、朝方や夕方といった発電効率の低い時間に使用、あるいは停電時に給電して普段と同じように電化製品を使用できるようになります。
Power Pocketのスペック
Power Pocketのスペックは次になります。
蓄電池一般仕様 | |||
---|---|---|---|
型番 | PDS-1500S01 | ||
蓄電池 | 種類 | リチウムイオン電池 | |
定格蓄電容量 | 3.2kWh | ||
充電時間 | 約3時間(25℃時) | ||
出力 | 系統連系 | 定格電圧 | AC202V/AC101V(単相3線に接続) |
定格出力 | 1000W | ||
自立運転 | 定格電圧 | AC101 V(単相2線) | |
定格出力 | 1500W | ||
環境 | 動作温度 | 周囲相当温度-10℃~40℃ | |
防水仕様 | IP44相当 | ||
設置場所 | 屋外/屋内 | ||
構造 | 外形寸法 | 幅530×奥行300×高さ650mm | |
リモコン一般仕様 | |||
型番 | RCS―1500S000 | ||
外観 | 液晶(バックライトあり)、タッチパネル・操作ボタン | ||
環境 | 動作温度 | 周囲相当温度-10℃~40℃ | |
設置場所 | 屋外/屋内 | ||
構造 | 幅100×奥行23.2×高さ130mm | ||
外部通信 | 通信機能 | 無線LAN(IEEE802.11b/g/n)、2.4GHz | |
通信プロトコル | ECHONET Lite(Ver.1.12、APPENDIX I) |
数値や専門用語だらけの表を見ても、Power Pocketがどのような蓄電池なのか、他社の蓄電池とどのような違いがあるのかなどは分かりづらいです。
蓄電池のスペックや選び方で重要になるのは次の5つの項目です。
- 仕様
- 種類
- 容量
- 価格
- 寿命
Power Pocketの場合、5つの項目をまとめると次になります。
項目 | 内容 |
---|---|
Power Pocketの仕様 | 特定負荷型 |
Power Pocketの種類 | 単機能型(一体型) |
Power Pocketの容量 | 3.2kWh |
Power Pocketの価格 | オープン価格 |
Power Pocketの寿命 | 10年 |
Power Pocketの仕様
蓄電池の仕様は大きく分けると次の2種類に分類できます。
- 特定負荷型…停電時に特定のコンセントにだけ電力を送る
- 全負荷型…停電時にすべてのコンセントに電力を送る
Power Pocketの仕様は特定負荷型のため、停電時に設定したコンセントや部屋にだけ電力が送ることになります。例えば、台所を設定しておくと停電時でも冷蔵庫や冷凍庫は稼働しますが、リビングや子ども部屋は電気が使えません。
つまり、特定負荷型は停電時に普段通りの生活を過ごすのは難しい仕様になります。また、Power Pocketの最大出力は100Vのため、200Vが必要な次のような家電製品を動かすには出力が足りません。
- エアコン
- 電気式床暖房
- IHクッキングヒーター
- 食洗器
- 電器温水器
Power Pocketの種類
Power Pocketの種類は蓄電池用のパワーコンディショナと一体型の単機能型です。蓄電池には3つの種類があり、次のように特徴が異なります。
- スタンドアロン型…蓄電池単体で稼働する
- 単機能型‥蓄電池用のパワーコンディショナがセットになっている
- ハイブリッド型…蓄電池用と太陽光発電システム用のパワーコンディショナがセットになっている
パワーコンディショナとは、太陽光発電システムで発電した電力を住宅で使用する、あるいは電力会社に買電する、蓄電池に蓄電するために変換するための機器です。パワコンとも略称しますが、太陽光発電システムと蓄電池にそれぞれ必要になります。
Power Pocketの場合、蓄電池と蓄電池用のパワーコンディショナが一体となっている単機能型になります。パワコンと一体型の単機能型はパワコン分のスペースを取らないため、狭小スペースや屋内に蓄電池をセットしたい方にお勧めの製品になります。
Power Pocketの容量
Power Pocketの蓄電容量は3.2kWhになります。蓄電池の容量は蓄電池にどれだけの電力を蓄えられるかという数値で、数値が多いほど多くの電力を蓄電します。
2021年時点で蓄電容量の平均は5kWh~8kWhとなっており、Power Pocketの蓄電容量は最新の蓄電池に比べるとやや少ないといえます。
容量が少ない蓄電池だと、停電時に多くの家電製品を長時間動かすのは難しいです。ですが、停電時に使用したい家電製品を選別すれば、効率よく使用することが可能です。
例えば、次の家電製品を停電時に使用したとします。
- 液晶テレビ
- LEDライト
- 冷蔵庫
- 扇風機
- スマートフォン4台
これらの家電製品の1時間あたりの合計消費電力は300Wになります。Power Pocketの蓄電容量は3.2kWhのため、計算上では上記の家電製品を約10時間連続使用することが可能になります。
使用する家電製品を少なくする、あるいは連続で使用しないなどの方法を取れば、10時間以上も連続使用することが可能になるため、Power Pocketの蓄電容量でも非常時に対応できます。
Power Pocketの価格
Power Pocketの価格はオープン価格になります。オープン価格とは、希望小売価格などをメーカーが定めず、小売業者や施工業者に任せる価格のことで、販売者によって価格が異なります。
また、Power Pocketは単機能型の蓄電池です。最新の蓄電池はハイブリッド型が主流ですが、太陽光発電システム用のパワーコンディショナがセットになっている分、価格が単機能型よりも高くなります。
Power Pocketは単機能型で蓄電容量の少ない蓄電池ですが、蓄電池を安く購入したい方や、すでに太陽光発電システムをセットしている方におすすめです。
Power Pocketの寿命
ower Pocketの寿命は10年です。蓄電池の寿命は1充電・1放電を1サイクルとカウントしますが、残念ながらPower Pocketはサイクル数が公開されていません。前述した10年とは、Power Pocketの蓄電池保証が10年となっているのが根拠の数字です。
メーカーが機器に対して設定する保証期間というのは、「通常の使い方をしていれば壊れないだろう」という予想に基づいた目安です。そのため、設置される環境や使用方法によっては10年以下で寿命が尽きる可能性もあります。
なお、蓄電池の寿命が尽きると、すぐに故障する、あるいは故障する確率が上昇するということではありません。
蓄電池における寿命は「出荷時の蓄電性能を100%としたときに、一定まで蓄電性能が下がるタイミング」を指しており、Power Pocketの場合は10年が目安になります。
Power Pocketのスペックのまとめ
Power Pocketのスペックをまとめると、「蓄電用力は少ないが、最新の蓄電池に比べると安価で、太陽光発電システムを設置済みの方におすすめ」の蓄電池です。
特定負荷型で蓄電容量が3.2kWhのため、停電時に使用できる家電製品の種類・数・時間に制限があります。とはいえ、使用する家電製品の種類や数を絞れば、1時間あたり300Wを消費する家電製品を約10時間は連続稼働できるだけの蓄電容量はあります。
最新の蓄電池は大容量・ハイブリッド型が主流となっており、本体価格だけでも100万円以上するのも珍しくありません。台所やリビングといった特定の箇所だけでも停電時に電気を使えるようにしたい、と考えている方にピッタリな蓄電池になります。
Power Pocketの特徴
Power Pocketには次のような特徴があります。
- 省スペースに設置可能な一体型蓄電池
- 保守管理サービスを標準装備
- 2種類のモードで太陽光発電システムを効率よく運用
- 充実した安心保証
それぞれ、順番に解説します。
省スペースに設置可能な一体型蓄電池
Power Pocketの最大の特徴は、一体型の単機能型蓄電池システムでありながら、非常にコンパクトなサイズとなっていることです。
重量55㎏、体積103Lと蓄電池としては非常にコンパクトなサイズで、一般的なエアコンの室外機よりも二回り以上も小さいです。
幅780×奥行400×高さ660mmほどのスペースがあれば、大抵の場所に設置することが可能です。例えば、次のような場所に設置できます。
- 家屋裏手
- 出窓下
- 屋内階段下
屋外のみならず、二階のベランダや屋内にも設置できる蓄電池のため、塩害や豪雪被害が発生しやすい地域でも利用しやすいというメリットもあります。
保守管理サービスを標準装備
Power Pocketは保守管理サービスを標準装備しており、利用料金は無料となっています。蓄電システムが正常に作動しているのか24時間チェックしており、故障時には遠隔で蓄電システムの動作情報を取得します。
リアルタイムで状況を把握しているため、速やかな原因特定と対処が可能となっているサービスです。ただし、ブロードバンドルーターやインターネット回線接続費用はユーザー負担となります。
2種類のモードで太陽光発電システムを効率よく運用
Power Pocketには2種類の運転モードが搭載されています。
- 通常モード…経済性重視のエコノミー設定
- グリーンモード…環境重視のエコロジー設定
通常モードでは充電を電気代が割安な深夜時間帯におこない、日中に作った電力を売電することで電気料金の節約と売電を両立しているモードです。
グリーンモードは、日中に作った電力を充電することで、深夜時間帯に使用する電力の買電を少なくするモードです。
どちらのモードも電気料金の節約に繋がるモードで、Power Pocketのような蓄電池が無いと、太陽光発電システムを効率よく運用するのは難しいです。
充実した安心保証
Power Pocketは蓄電池保証が10年間、リモコン保証が2年間つく蓄電池です。期間内に故障した場合、無償にて修理・部品の交換を行います。
無償保証以外に、5年間の延長無償修理保証(有償)や15年間の自然災害補償(有償)もあります。自然災害補償の対象となる損害には次のようなのがあります。
- 火災
- 落雷
- ひょう災
- 爆発
- 風災
- 雪災
- 外部からの飛来
- 衝突または倒壊
- 盗難
Power Pocketはコンパクトで軽量な蓄電池のため、盗難被害のリスクがほかの蓄電池よりも高いです。屋内、あるいは二階のベランダといった侵入されにくい場所に設置するならともかく、自宅の裏手といった死角になりやすい場所に設置するなら、盗難されたときに備えて補償に加入しておきたいです。
Power Pocketの注意点
Power Pocketの注意点は次になります。
- 最新の蓄電池に比べるとスペックが低い
- 単機能型のためハイブリッド型からの交換は難しい
- 定格容量と実際に使用できる容量は別
それぞれ、順番に解説します。
最新の蓄電池に比べるとスペックが低い
ower Pocketのスペックは2021年最新の蓄電池に比べると低いです。現時点で主流の蓄電池は蓄電容量が5kWh~8kWh、全負荷型、ハイブリッド型が主流です。
蓄電容量が多いほど停電時に使用できる家電製品の数や時間が増え、全負荷型の蓄電池だと特定の部屋だけでなく家全体に給電することが可能です。ハイブリッド型なら、太陽光発電システム用のパワーコンディショナを設置するスペースを必要としません。
一方で、Power Pocketのスペックは低く、最新の蓄電池に比べると停電時の制限もありますが、価格は安価となっています。ランニングコストを抑えたい方は最新の蓄電池よりも、Power Pocketの方がお得になります。
単機能型のためハイブリッド型からの交換は難しい
Power Pocketは一体型の単機能型蓄電池システムです。蓄電池用のパワーコンディショナはセットになっていますが、太陽光発電システム用のパワーコンディショナはセットになっていません。
もし、現在使用しているハイブリッド型の蓄電池が故障し、別の蓄電池を検討しているなら、Power Pocketはおすすめできません。
なぜなら、Power Pocketは他社の太陽光発電システムと接続することは可能ですが、単機能型のため、太陽光発電システム用のパワーコンディショナが必要になります。
ハイブリッド型の蓄電池を使用していたなら、太陽光発電システム用のパワーコンディショナが蓄電池にセットされていたはずのため、取り換える場合はそちらも撤去されています。
つまり、Power Pocketのような単機能型の蓄電池を購入すると、別途太陽光発電システム用のパワーコンディショナも用意しなければなりません。
蓄電池以外に太陽光発電システム用のパワーコンディショナも購入するとなると、コストが嵩んでしまいます。ハイブリッド型の蓄電池を交換する場合は、ハイブリッド型の蓄電池を選ぶようにしましょう。
定格容量と実際に使用できる容量は別
Power Pocketの蓄電容量は3.2kWhとなっていますが、この蓄電容量は定格容量で、実際に使用できる容量ではありません。
蓄電池は電力が空っぽになるのも、過充電(フル充電を超える)になるのも、蓄電池の寿命を縮めてしまいます。そのため、蓄電容量とは別に使用できる容量として「出力容量」が設定されています。
Power Pocketの出力容量は2.7kWhで、1時間あたり300Wを消費する家電製品を約9時間使用できるだけの電力を使用できます。
Power Pocketに限らず、蓄電池は定格容量と出力容量が設定されています。出力容量が極端に少ないということはありませんが、定格容量だけ注目せず出力容量も確認しましょう。
Power Pocketの補助金
Power Pocketには地方自治体の補助金が給付されます。なぜなら、日本政府は蓄電池のような再生エネルギー関連の住宅設備の導入を推進しており、補助金の対象にしているからです。
例えば、東京都では電池助成金(自家消費プラン事業)として、上限60万円の助成金(補助金)を給付します。
都道府県だけでなく市町村でも蓄電池を対象にした補助金はあります。例えば、千代田区では最大29.7万円の補助金が給付され、前述した東京都の補助金と併用することが可能で、最大89.7万円の補助金が給付されます。
ただし、すべての蓄電池が対象という訳ではなく、補助金制度は先着順のためタイミングによっては申し込めない可能性もあります。
ですが、補助金が給付されれば、ランニングコストをさらに安くすることも可能です。Power Pocketを購入する際は、事前に地方自治体の窓口に確認を取ってみましょう。
まとめ
以上が、Power Pocketの解説になります。Power Pocketは株式会社エコシスより販売されている家庭用蓄電池で、業界でも最小・最軽量の蓄電池として知られています。
エアコンの室外機よりもコンパクトなサイズのため、設置場所を選ばず、屋内にも設置できるのが最大の特徴です。一方で、最新の蓄電池に比べるとスペックが劣っている面もあり、すでに太陽光発電システムを導入している方におすすめです。
エコ突撃隊ではPower Pocket以外の蓄電池も数多く扱っており、メーカー正規品を低価格でご提供しております。創業22年、総施工数25,000件を突破しており、多くの方にご満足して頂いております。蓄電池に関するご相談は、ぜひエコ突撃隊までご連絡ください。
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