太陽光発電
2024/06/25
太陽光発電システムの発電効率とは?効率が悪くなる原因や対策などを解説
太陽光発電システムを購入する際は発電効率をチェックしてみましょう。メーカーや機種によって発電効率に違いがあり、数値が高いほど効率よく電気を作り出すことが可能です ただし、発電効率は太陽光発電システムを使用し続けると、さまざまな原因により悪くなる場合があります。
そこで今回は、太陽光発電システムの発電効率を解説します。ぜひ、最後までご覧ください。
太陽光発電システムの発電効率とは?
太陽光発電システムは太陽光を電気エネルギーに変換する住宅設備です。太陽光を電気エネルギーに変換する発電機をたくさん集めた太陽光パネルによって電気が生まれ、自家発電や売電などに利用できます。
発電効率は、「発電するために投入した燃料のもつエネルギーのうち、電気に変換された割合」を指しており、太陽光発電システムの場合は太陽光エネルギーの全量のうち、実際に電気エネルギーに変換できる割合を指します。
太陽光パネルが受け取った太陽光から発電される電力の割合で、数値が高いほど太陽光を無駄なく電力へと変換できます。
たとえば、発電効率が20%の太陽光パネルは、受け取った太陽光エネルギーの20%を電力に変換し、残りの80%は熱として失われるか、反射されます。
太陽光発電システムの発電効率はパネルの性能や使用年数によって変動しますが、一般的な家庭で使用されているシリコン系単結晶タイプのパネルでは14%~20%程度です。
同じ設置面積の場合、発電効率が高いほうが、より多くの電気を生成できると考えられています。そのため、太陽光発電システムを比較する際は、発電効率もチェックしてみましょう。
太陽光発電システムの発電効率と変換効率の違い
太陽光発電システムには発電効率とは別に、変換効率という数値もあります。
変換効率とは、太陽光パネルが太陽光を電気エネルギーにどれぐらい有効に変換できるかを示しており、数値が高いほど同じ面積のパネルでより多くの電気を得ることができます。
似たような単語ではありますが、発電効率と変換効率は次のように定義が異なります。
- 発電効率…太陽光から電力に変換される割合
- 変換効率…太陽光パネルが太陽光を電気エネルギーにどれくらい有効に変換できるか
つまり、発電効率が高いほど太陽光を効果的に電力へ変換でき、変換効率が高いほど同じ面積でより多くの電力を生み出すことが可能です。
どちらも、太陽光発電システムを選ぶ際に役立つ基準となるので、覚えておきましょう。
変換効率は2種類ある
変換効率には、セル変換効率とモジュール変換効率の2種類があります。
セルとは太陽光パネルの最小単位で、セルを何枚も集めてパッケージ化したものをモジュールあるいは太陽光パネルと呼びます。
それぞれの変換効率は、次の式で求めることが可能です。
- セル変換効率(%) =出力電気エネルギー ÷ 太陽光エネルギー×100
- モジュール変換効率(%) =(モジュール公称最大出力(W)×100) ÷(モジュール面積(㎡)×1,000(W/㎡))
同じ太陽光パネルでもモジュール変換効率よりもセル変化効率のほうが高くなる傾向があります。
そのため、業者によってはセル変化効率の数値だけで、「変換効率が高いので高性能」と説明する場合があるため注意しましょう。
太陽光発電システムの発電効率が下がる原因
太陽光発電システムの発電効率は次のような原因によって下がる場合があります。
- 気温の上昇
- 汚れや影
- メンテナンス不足
- 経年劣化
上記を順番に解説します。
気温の上昇
太陽光発電システムは半導体を使用していますが、温度の上昇によって発電効率が悪くなる可能性は高いです。
半導体は動作温度が高くなる、電子とホールの再結合が増加してしまい、電力生成が減少する特性があります。
太陽光パネルの交渉最大出力は気温25度の環境下で測定された数値で、25度を1度こえるたびに0.5%ほど発電量が低下すると考えられています。
最近は35度を超える猛暑日が続いており、計算上では発電量が5%近く低下する可能性が高いです。
また、直射日光を浴び続けるとパネル自体が高温となってしまうため、発電効率の低下をさらに加速させてしまう可能性も否定できません。
そのため、夏で日射量が多い日が続いても、思っていたよりも発電できないケースがあると覚えておきましょう。
汚れや影
太陽光パネルの表面が汚れていると、太陽光が効率的にセルに届かなくなり、発電量が減少する可能性があります。
たとえば、鳥の糞や葉っぱ、チリ、花粉などが表面に蓄積すると透過率が低下して、発電効率に悪影響を及ぼします。
また、汚れが蓄積するとホットスポット現象が発生する可能性が高いです。
ホットスポット現象とは汚れた部分が過熱することで温度が上昇し、発電効率が低下する現象を指します。太陽光パネルの発電効率を低下するだけでなく、パネルの損傷を招く恐れがあります。
汚れ以外にも、建物や樹木、アンテナなどによって発生した影によって発電効率が下がってしまうケースもあるため、設置する場所には注意しましょう。
メンテナンス不足
太陽光発電システムは耐久性に優れているため、メンテナンスを頻繁にする必要はありません。
しかし、上記にもあるように太陽光パネルに汚れが付着すると発電効率の低下を招く恐れがあります。また、気温の上昇によってインバータや電気部品の寿命を短くしてしまい、結果として発電効率が低下する可能性を否定できません。
そのため、定期的なメンテナンスや点検を行わないまま放置していると、発電効率の低下を招き、最悪の場合は破損するリスクもあることに注意しましょう。
経年劣化
太陽光パネルは長寿命の住宅設備で、メーカーや機種によって異なりますが20年~25年程度使用できます。
ただし、使用している間に発電効率が年間0.5%~1%程度低下する可能性が高いです。
原因は紫外線の影響や湿気、温度変化などによってパネルの材料が経年劣化していき、電子とホールの再結合が増加するからです。
また、太陽光パネルは長寿命ですが、パネル以外のシステム部品も経年劣化の影響を受けます。
たとえば、インバータは寿命が10年~15年程度で、劣化すると変換効率が低下していき、発電量が減少します。また、配線や接続部分も劣化していくと、電力損失が増加する可能性があります。
太陽光発電システムの発電効率を高める対策
太陽光発電システムの発電効率を高める対策は以下のとおりです。
- 性能の優れた太陽光パネルを選ぶ
- 専門的な知識や経験が豊富な業者を選ぶ
- 定期的にメンテナンスを依頼する
上記を順番に解説します。
性能の優れた太陽光パネルを選ぶ
太陽光発電システムはメーカーや機種によって特徴や性能などが異なります。
たとえば、パナソニックが販売しているHIT(Heterojunction with Intrinsic Thin layer)技術を用いたパネルは、従来のシリコンパネルよりも高温環境での効率低下が少ないとされています。
メーカーや機種によって使用している材料やコーティングなども異なるため、気温の上昇や経年劣化に強い、性能の優れた太陽光パネルを選びましょう。
専門的な知識や経験が豊富な業者を選ぶ
太陽光パネルを設置する際には、気温の上昇に備えて裏面に十分な通気スペースを確保したり、建物や木々などによって発生する影の影響を最小限に抑えられる場所を選んだりする必要があります。
同時に、季節ごとの太陽の位置や太陽に対する向き、屋根の形状などを総合的に判断して、最適な場所を選ぶことも必要になるため、専門的な知識や経験が必須です。
そのため、太陽光パネルを購入する際は、知識や経験が豊富で、信頼できる業者を選びましょう。
定期的にメンテナンスを依頼する
太陽光パネルに汚れが付着すると発電効率を下げる原因となりますが、素人が勝手に清掃することはできません。そのため、1年に1回のペースで、専門業者による清掃サービスを依頼しましょう。
また、太陽光パネルやインバータ、配線、接続部分などは経年劣化によって発電効率の低下を招く恐れがあるため、定期的に目視検査や電気的な測定などを行う点検も依頼すると良いです。
発電モニターをチェックしておくことは重要
太陽光発電システムを設置すると、自宅内に発電モニターを取り付けます。
発電モニターは発電状況や電気の使用量を確認できるモニターで、発電効率をチェックすることが可能です。
太陽光発電システムには、出力保証が付いています。メーカーや機種によって年数は異なりますが、太陽光パネルの出力性能を一定の期間保証するもので、期間内にメーカーの規定値を下回ると、太陽光パネルの交換や修理を無料で受けられます。
太陽光発電システムの出力保証を受けるためには、出力が基準を下回っていることを証明しなければなりません。そのためには、発電モニターを日頃からチェックして、記録を取っておくと良いでしょう。
ただし、出力低下が確認できても、すべてのケースで出力保証を受けられるとは限りません。
まとめ
以上が、太陽光発電システムの発電効率の解説です。太陽光発電システムの発電効率は、太陽光エネルギーのうち、電気エネルギーに変換できる割合で、数値が高いほど無駄なく電気を生み出していると言えます。
メーカーや機種によって数値に違いがあり、個人向け太陽光発電システムの場合は14%~20%程度です。なお、発電効率は汚れや経年劣化などによって低下する可能性があるため、定期的なメンテナンスを行うと良いでしょう。
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