オール電化
2023/08/31
ガス代が高くなった!ガス代を節約するためにできることは?
ガス設備を使用しているご家庭では生活インフラの1つであるガスですが、近年使用料金の高騰が目立ちます。社会情勢からくる値上げでは仕方ない、と思う事でしょうが、ちょっとした工夫でガス代を節約することができるかもしれません。今回は、そんな生活の知恵をご紹介いたします。
ガス代は何故高くなったのか
「ガス代が急に高くなっておかしい」
「使い方は変わっていないのに料金が倍になった」
ガス機器を利用している方からは、ガスの請求金額が急に高くなったと驚く方が少なく有りません。
何故ガス代は値上がりしたのか?主因としては、原料価格の高騰が挙げられます。
都市ガスの原料である液化天然ガス(LNG)は、日本ではほぼ産出されません。
そのため、大部分を輸入で賄っています。しかし産出の大きな割合を占めるロシアが、ロシアウクライナ問題に突入したことにより、供給の不安定化、高騰に繋がりました。
原料価格の高騰は、ガス料金の「原料調整費」という形で家計に重くのしかかっています。
続く円安の影響もあり、ガス料金の安定化は未だ遠いといえるでしょう。
家庭内で出来る工夫によって少しでも負担の軽減を試みる必要があります。
何処でガスは使用されているのか
ご家庭によって、どんなガス機器を使用しているかは様々です。
ガス代の節約を目指すにあたり、まずは家庭内の何処で、何がガスを使用しているかを明確にする必要があります。
ガスは大きく3つのシーンで使用されます。
- キッチン
- お風呂
- 暖房器具
自宅で当てはまるものがあるか確認してみて下さい。
キッチン
キッチンでは主に2つの用途でガスが使用されています。
- 調理のためのガスコンロ
- 食器洗い用途等の給湯
お風呂
お風呂では湯沸かしのためにガスを使用します。
- 風呂釜にお湯はり
- シャワー
共に給湯によるものですが、ご家庭によっては使用する比重に差異があるでしょう。
暖房器具
冬場になれば、暖房器具にガス機器をしようしているご家庭も珍しくありません。
主に、下記のような機器を設置している場合があります。
- ガスファンヒーター、ガスストーブ
- ガス床暖房
使用する季節は冬季に限定される場合が多いですが、必要となるガスの量は多大です。
節約のためにはよく見直す必要があります。
ガスを節約するコツ
前項目では、ご家庭でのガス利用シーンを取り上げました。
本項目では、それぞれのシーンで使用方法を工夫し、ガスを節約する方法を紹介していきます。
キッチン編
ガスコンロ
料理の方法など、少しの工夫でガス代を削減できます。
電子レンジでの調理方法を活用する
調理を行う時、食材をそのまま火にかけてはいませんか?
例えば野菜を炒めたり、煮込んだりする際は電子レンジで加熱するとよいでしょう。電子レンジで下茹でしてから料理をすると、火が通りやすくなるため料理の時短に繋がり、ガス代の節約になります。
資源エネルギー庁では、一日一回100gの野菜を27℃程度の水1Lで茹でた場合と、電子レンジで茹でた場合の比較が公開されています。
食材 | ガスコンロ使用時 | 電子レンジ使用時 | 年間差額 |
---|---|---|---|
葉菜(ほうれん草、キャベツ) | 1,350円 | 410円 | 940円 |
果菜(ブロッコリー、カボチャ) | 1,470円 | 470円 | 1,000円 |
根菜(ジャガイモ、里芋) | 1,540円 | 680円 | 860円 |
出典:資源エネルギー庁
鍋の大きさと、火の大きさを合わせる
ガスを使用する方の中には、強火で一気に料理をしている方もいるかもしれません。
しかし、ガスコンロから出た火は鍋に向かって広がっており、鍋の底面から火がはみ出ている場合は無駄遣いに繋がっている可能性もあります。
また、お急ぎでない場合は強火より中火がおすすめです。同じ量の水を沸騰させるためのガス代は、強火より中火のほうが安く済むからです。
1Lの水を沸かすのに都市ガスでは1円未満、プロパンガスでは2~3円程安くなります。金額としては小さいですが、毎日のように行うことですから意識しておいて損はありません。
鍋底の広い鍋を使用する
鍋底が広い鍋を使用するのも有効です。
鍋底が広いとエネルギーが効率よく伝わる為、調理の時間が短くなりガスの節約に繋がります。
キッチンのお湯
キッチンでは、お湯の使用を最低限にすることが肝要です。
工夫して使用機会を減らす、温度を抑える等でガスの節約が可能です。
食器洗い乾燥機を活用する
洗い物にお湯を使っている方は、食器洗い乾燥機の導入を検討するとよいでしょう。
食器洗い乾燥機があれば、ガス代だけでなく水道代も節約できることに加えて、家事の時間短縮にもなります。特に、冬場はお湯で食後の食器や調理後の鍋等を洗うため、断続的にお湯を使ってガスを消費します。通常の手洗いから食器洗い乾燥機に変えると、1回あたりの食器洗いに係るガス代は、10分短くなったと仮定すると都市ガスでは約20円、プロパンガスでは約20円~30円程度の節約になります。食器洗い乾燥機は、電気を使って洗浄用のお湯を作りますが、電気代と相殺しても安いです。
これは毎日の作業になるため、水道代や家事にかかる負担を考えると食器洗い乾燥機を使うのも1つの手です。
お湯を使用する際は温度を低めにする
前項目では食器洗いには食洗機の使用をおすすめしました。
しかし、食器洗い機を使用する際は一定量以上の洗い物が無いと無駄が出てしまいます。
洗い物が少ないときには、手洗いを行うこともあるでしょう。
やむなくお湯を使う際には、温度を出来るだけ低めにする事をおすすめします。
給湯温度設定を40℃から38℃に下げると、年間約1,430円の節約となります。
お風呂編
毎日入るお風呂では、日々大量のガスが使用されています。
割合でいうと、家庭で消費されるガスの内、およそ3割がお風呂に費やされます。
お風呂でのお湯の使い方を工夫すれば、ガス代を大きく節約できるでしょう。
シャワーヘッドを節水ヘッドにする
最近のシステムバスは既に節水タイプが主流になっていますが、それ以外のお風呂では標準で付いているシャワーヘッドを変えるだけで成果を得られる場合があります。製品や使用環境によっては効果が変動しますが、平均的に20~30%の節水ができるものを、ホームセンターなどで買うことが出来ます。
家族でのお風呂入り替わり時間を短くする
湯船にお湯はりして、家族で入る場合は出来るだけ早く入れ替わるのも有効です。入れ替わる際には追い焚きを行うことが少なくないと思われますが、入れ替わりの間隔が長いと、その分追い炊きの回数も増えてしまいます。素早く入れ替わって、追い炊き回数を減らす事が出来れば、お湯を温め直す際に必要なガス代を節約することができます。
暖房器具編
ガス暖房器具の冬場における温まりの早さと快適さは一度味わうと手放せない、という方も多いはずです。しかしガス暖房器具は大量のガスを消費していることも、また事実です。
ガス暖房器具をご使用の方は、その節約方法についても意識しておくとよいでしょう。
ガス床暖房
ガス床暖房は短時間での温度調整での節約が難しいため、本当に寒い週や月だけにする、などの使い方を制限して年間で使用している期間を短くしましょう。
こまめに切らない
使用しない時間が少しでもあれば、都度電源を切っておけばその分お得になる、という考えの方も少なくないことでしょう。
しかし実のところ、ガス床暖房ではこまめなオンオフは逆効果です。
ガス床暖房は温水式と呼ばれる仕組みで、ガスで温めたお湯が床下の温水マットを流れることで暖をとる仕組みになっています。
この、最初に水をガスで温める過程で、多くのガスが消費されます。
つまりオフにすることでお湯が冷め、再加熱にまたガスが大量に消費されることになるのです。
必要としない時間が短時間ならば、つけっぱなしにしておく方がお得になる事を覚えておきましょう。
敷物を敷かない
マット等の敷物を敷くことで悪影響が出ること可能性があります。
床を暖める設備ですから、敷物が遮蔽物となり熱が伝わりづらくなってしまうためです。
これにより、設定温度が必要以上に高くなりガス代が高くなってしまう可能性があります。
効率の良い時間に低温起動する
暖を求めて床暖房を起動する際、起床時や帰宅時に起動してはいませんか?
起床時や帰宅時は、最も寒さを意識する時間です。自然、設定温度も高くなりがちな為、それに応じてガスの費用もかさんでしまいます
起床や帰宅より一定時間前に低めの温度でタイマー設定しておけば、不必要に高温で点ける事を防げるでしょう。
合わせてオフタイマーも有効に活用すれば、更に節約になります。
ガスファンヒーター、ガスストーブ
ガスファンヒーターやガスストーブは即暖性が高く、冬場のエアコン等で困りがちな空気の乾燥もし辛いというメリットがあります。
しかし、数ある暖房器具の中でも比較的コストが高い傾向にあるのが問題です。
少しでも費用を抑えるために、節約方法を知っておきましょう。
温度を上げすぎない
暖房器具を点ける際は、早く温まって欲しいという思いから設定温度を高くしがちです。
しかし、温度を1℃上げるだけで1月あたり200円~400円も金額が上がってしまうことをご存知でしょうか。
ガス機器は暖まるのが早いという優れた特性があるので、むやみに温度を上げず適温で動かすと節約になります。
エアコンと併用する
ガスファンヒーターやストーブは、即暖性に優れる反面、温度調節を苦手とします。
その結果、設定温度より室内温度が高温になることが多々あり、その分ガスが無駄になっています。
これを防ぐためには、エアコンと併用するのをおすすめします。
エアコンは温度調節に秀でるものの、最初に部屋を暖めるまでに多くの電力を必要とします。反面、温度維持のコストはそれほどかかりません。
エアコンが苦手とする初動をガス機器が補い、ガス機器が苦手な温度維持、調節をエアコンが補うことで節約することが可能です。
外からの冷気を防ぐ
室内が寒くなる原因は、窓や壁、床面の断熱性に原因があります。
特に窓は冷たい外気を室内にもたらす大きな要因といえます。
そのため、ガス代を節約するには窓からの冷気を防ぐ事が有効です。
方法としては、以下を試すと良いでしょう。
- ガスファンヒーター、ストーブを窓際に設置する
- 断熱シートを用いて、窓からの冷気流入を防ぐ
断熱シートで窓からの冷気を軽減し、それでも流入した冷気をガス暖房器具が温めて室内を循環させるため、不要なガス消費を抑えられます。
使用方法に気をつけても満足な成果が得られないときは?
これまで、既に設置しているガス設備の使い方を見直して節約を試みてきました。
しかし、昨今の燃料事情の影響もあり、使い方の見直しだけでは十分な節約効果が得られない場合もあるかもしれません。
その際は、手間はかかりますがより根本的な方法を検討してみる必要があります。
具体的には、以下の方法が考えられます。
- プロパンガスから都市ガスに変更する
- ガス会社を変更する
- オール電化に変更する
順番に解説します。
プロパンガスから都市ガスに変更する
ガスには2種類のタイプがあります。
「都市ガス」と「プロパンガス」です。簡潔にいうと、地中にガス管が埋設されているのが都市ガス、ガスの詰まった大きなボンベを、業者さんが自宅まで持ってきてくれるのがプロパンガスです。
まずは、ご自宅のガスがどちらのガス種かを確認してみましょう。
プロパンガスは自由料金制であり、各会社によって料金設定は様々です。
都市ガスでは必要としない配送費等もあり、比較的割高で有ることが多いです。
都市ガスを導入するには、近くにガス導管が通っている必要が有るため、必ずしも可能であるとは限りませんが、うまく行けば大きく光熱費を削減することができるでしょう。
ガス会社を変更する
現在は「ガスの自由化」がされており、既存のガス会社でなくともガスを販売することができます。
契約の内容によっては、「違うガス会社と契約する」ことで割安になる場合があります。
都市ガスの場合
比較的簡単に契約を切り替えることが可能です。今まで契約の変更をされていない方は、東京ガスや大阪ガスといったお住まいの地域にある大手ガス会社になっているでしょう。
近年は、電気・ガスをセットで契約すると割安になるサービスを始めている会社や、反対に電力会社が都市ガスも扱っている場合があります。価格競争が激化しているため、契約の切り替えをするだけで、月々の料金が数パーセントも安くなる、といった事も期待できるかもしれません。
プロパンガスの場合
プロパンガスは、元々自分で業者が選択できるというメリットがあります。
ただし、最初の契約によっては変更が難しい場合があります。
これはプロパンガスではよくある話なのですが、契約時の条件に「やむを得ない引っ越し等の場合を除き、最低でも数年使用すること」といった契約上の縛りが含まれている事があります。
また新築の際に契約したガス会社と、安価に給湯器などを提供してもらう代わりに、最低使用年数が設定されている場合があります。
まずは現在の契約内容を確認するとよいでしょう。
解約自体は可能と思われますが、条件を満たさない解約を望む場合、ガス機器の提供に伴った初期費用の一部を違約金として請求されることも想定されます。
そして、集合住宅の場合は単独で契約を変更することは難しいです。
この場合、契約変更での節約は困難なため、他の方法を模索しましょう。
オール電化に変更する
オール電化に変更するのは、ランニングコストの面から見ると最も効果が大きいです。
「ガスを節約するコツ」で紹介したように、キッチンやお風呂での節約術はあります。
しかし、頑張って節約しても数百円に満たなかったり、節約のための我慢がストレスになってしまっていたりします。
より光熱費の削減を求めるなら、最も効果があるのがガス設備をオール電化に切り替えることです。特に現在プロパンガスを使っている方は都市ガスに比べても高額であるため、オール電化に切り替えた際の節約効果は絶大です。
なぜ安くなるのか?
オール電化に替える事で何故安くなるのか。その最も大きな理由は、エネルギー源を電気に一本化することでガスの基本料金が必要無くなることです。
また、一概に比較はできませんが、お湯作る事等に使用するエネルギー源として、ガスよりも電気の効率が良いため、その分お金も安く済みます。
ただし、ガス機器として使っていた給湯器やガスコンロを入れ替える必要があるため、新設備の導入、リフォームにかかる費用が必要です。
安い金額とは言えませんが、一昔前に比べるとエコキュートやIHクッキングヒーターといったオール電化設備の価格も随分とお値打ちになってきています。10年以上も使う設備であるため、ずっと払い続ける光熱費のことを考えれば、設備を入れ替えるだけのメリットはあるといえるでしょう。
どれくらい安くなるのか?
一例として、ガス給湯器をエコキュートに入れ替えた場合、どれくらいのお得になるかを考えてみましょう。使用環境によって替わりますが、ガスからオール電化に替えると下記のように削減することが可能です。
- 給湯コスト(ガス給湯器からエコキュート):3,000円前後の電気代(ガスの約1/3~1/4)
勿論、家族構成などによって変わってきますが、月々8,000円程ガス給湯に費やしていれば、月々3,000円前後の電気代に置き換えになります。
また、ガスコンロとIHクッキングヒーターでランニングコストのみを比較した場合、都市ガス使用のガスコンロの方が安い可能性があります。
ただし、ガスコンロをそのまま使用するとガス併用となるため、基本料金がかかってきます。使用量によっても変動がありますが、1,000円前後が平均料金となります。
IHクッキングヒーターも導入し、ガス併用からオール電化にした場合、基本料金とガスでの使用料金が丸々なくなるので月平均1,000円程度の電気代に置き換えることが出来ます。
合わせると、例えば今までガス代で10,000円支払っていた場合、月額で6,000円程度節約することができます。
この節約金額がリフォーム代を相殺するにはどれくらいの期間がかかるのでしょうか。
例えば、弊社がご用意しているエコキュート、IHクッキングヒーターセットの最安値は417,800円です。仮にこのセットでオール電化に入れ替え、月々6,000円安くなったとすれば、約6年で元が取れてしまう計算になります。
ただし、オール電化では電気の契約が従量電灯から時間帯別契約になるため、使っている時間帯によっては、今まで使っていた電気代より若干高くなる可能性があります。
条件によってかなり変動するためこの金額は省略しますが、この電気代のアップ分を考慮しても大きな節約になります。
月々のガス代が高いと感じる方は、オール電化のリフォームを検討することをおすすめいたします。
また電気代をもっと安くしようとする場合は、太陽光発電や蓄電池の設置も行うとメリットが更に出やすくなります。昼間に太陽光の余剰電力でエコキュートを稼働させてお湯を沸かして貯めておくこともできますし、蓄電池に電力を貯めておけば夜間の電力使用も可能です。設置環境によっては、光熱費ゼロ円を達成することすら出来るかもしれません。
まとめ
今回は、ガス代を節約するために出来ることを解説しました。
まずは身近なところから、日々の使用方法や契約プランを見直してみましょう。
より節約を求めるなら、オール電化への切り替えがおすすめです。
初期投資は必要ですが、大きな節約効果を得られるでしょう。
エコ突撃隊では、エコキュート・太陽光発電・蓄電池・IHクッキングヒーター等、住宅設備をお求めやすく取り扱っています。
オール電化への切り替えにご興味をお持ちならば、各設備トータルでご相談いただける弊社までお気軽にご連絡下さい。
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