太陽光発電は、光エネルギーから直接電気を作る太陽電池(半導体素子)を利用した発電方式です。
家庭内で使える電気(交流電力)に変換し、その電気を使ったり、蓄えたり、売ったりします。
二酸化炭素を発生させないため、地球環境に優しいのが特徴です。環境問題に注目している近年では、日本政府としても普及させるため、様々な推進施策をとっています。
太陽光パネルのシリコン半導体に光が当たると発生する「光エネルギー」を、直接「電気エネルギー」に変換します。
接続箱を経由し、パワーコンディショナへ送られ、一般に利用できる交流電力(電力会社と同じ)に変換されます。
分電盤を通り、家の照明設備や各コンセントなどの送配電設備へ流れていき、電気が使えるようになります。
太陽電池の断面を見ると、「P型シリコン(半導体)」と「N型シリコン(半導体)」を張り合わせてあります。
この2つの半導体の境目に光エネルギーが加わると、P型シリコン(半導体)はプラスになり、N型シリコン(半導体)はマイナスになります。乾電池と同じ状態になり電線をつなげば電気が流れ、光エネルギーが当たり続けることで電気が発生します。
電気をためることができる電池と誤解されますが、太陽電池には電気をためる機能はありません。
再エネ賦課金の正式名称は「再生可能エネルギー発電促進賦課金」と言います。私たちが電力会社に支払う月々の電気料金は、以下の方法で算定されています。
※従量制供給の場合
電気料金
電気の
基本料金
再エネ
賦課金
電力量
料金
※燃料費等調整費額を含む
電力会社から毎月届く「電気料金のお知らせ(検針票)」に、電力料金の一部として再エネ賦課金の料金が記載されています。
この再エネ賦課金を、太陽光発電を導入することで削減することができます。
自家消費で余った電力は、電力会社に買い取ってもらえます。
固定価格買取制度(FIT制度)※により、住宅用太陽光発電でつくられた電力は、10年間同じ価格での買い取りが保証されています。
場合によっては、一般的な市場価格よりも高い価格で買い取ってもらうことも可能です。
そのため、10年間は売電単価が下がらないため、安定的な収入を得ることができます。
※FIT(Feed In Tariff)とは、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスの再生可能エネルギー源を用いて発電された電気を、国が定める価格で一定期間電気事業者が買い取ることを義務付ける制度。
台風や地震など突然の災害で停電となった場合、長時間~数日間復旧しないことも考えられます。そんな時、太陽光発電を利用していれば、電力会社に影響されず電気を使うことができます。
停電が起きると太陽光発電で得た直流の電気を交流に変換するパワーコンディショナーも停止してしまうため、そのままでは電気を使うことができません。
パワーコンディショナーを自立運転モードに切り替え「自立運転機能」を使うことで、電気を使用できるようになります。
さらに蓄電池と併用すれば、夜間の電気使用にも対応できます。
家庭用太陽光発電の収益の割合は20年間で8~10%程度と言われています。
他の投資案件と比べて特に高いというわけではありませんが、競合がいない点や、安定した収益が見込めるという点で大きなメリットがあります。
不動産・コンビニ・駐車場の投資と違って、「安定した収益が見込める」という点では家庭用太陽光発電は非常に優秀な部類に入ります。
また、20年間同じ価格で買い取ってくれるため、収益シミュレーションがしやすく、ローンの返済計画もしっかりと立てることができます。
太陽光パネルの寿命・耐用年数は構造がシンプルなため、おおよそ20〜30年程度と言われており、その寿命の長さが大きなメリットになります。
実際に太陽光発電の普及が進んでから、まだ20年以上が経過しているわけではないため、太陽光パネルの寿命・耐用年数に関する十分なデータが揃っておらず、実際の寿命はさらに長い可能性もあります。
そのため、一度設置したら今の住宅に住んでいるうちはずっと使い続けられることになるかもしれません。
太陽光発電を使うことで快適な住環境を手に入れられるとされる理由は、「遮熱効果」と「放射冷却抑制」にあります。
夏は、太陽光パネルが太陽光の熱をある程度シャットアウトし熱量を減らしてくれるため、室内の温度が上昇するのを防いでくれます。
冬は、屋根から宇宙へ向けて出ていく熱が太陽光パネルによって抑制されるため、熱が出ていきにくくなります。
そのため、番冷え込みがきつくなる夜間から早朝にかけて室内の温度が暖かくなります。
ZEH(ゼッチ)は、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(Net Zero Energy House)の頭文字を取った言葉で、太陽光発電などの再生可能エネルギーを除いエネルギー消費量の収支ゼロを目指した住宅のことを言います。
ただし、国が定義する「ゼロ・エネルギー」は、一次エネルギー(空調や照明、給湯、換気)に限るため、家電などの消費電力は対象外です。
太陽光発電を通常よりも大容量のものにし、発電量を高くすることで、光熱費を0円にすることも可能です。
太陽光発電とオール電化を組み合わせれば、光熱費の削減効果が大幅にアップします。
そのため、大変相性のよい組み合わせと言えます。
各電力会社のお得な電気料金プランや割引などを活用しながら、電気料金が割高になる昼間は太陽光発電の電力を使い、電気料金が安くなる夜間はエコキュートを活用してお湯を貯めるなど、オール電化と太陽光発電の相乗効果によって、最大約89%もの光熱費の削減が期待できます。
電気・ガス併用 | オール電化+太陽光発電創構(5.6KW) |
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240,000円/年 | 24,800円/年年間約215,200円削減 |
オール電化 | オール電化+太陽光発電創構(5.6KW) |
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168,000円/年 | 約-18,100円/年年間約186,100円削減 |
参考:パナソニック株式会社「住宅用 太陽光発電システム カタログ」より。
※1 このグラフは以下のモデルケースをもとに算出しています。実際の経済効果と異なる場合があります。節約を保証するものではありません。
<試算条件>●太陽光発電システム容量250w×25枚=6.25kW、大阪地区、方位:真南、傾斜:30度●再生可能エネルギー買取価格:19円/kWh●創蓄容量5.6kW、経済優先モード●ガス併用住宅は光熱費は電気代月平均:12,000円、ガス代;月平均8,000円で計算●オール電化住宅の光熱費は電気代;月平均14,000円。
太陽光発電は、他の石油や石炭などの化石燃料と違い、発電時に燃料を一切必要としません。また、発電時にCO2を全く出さないので、大幅な二酸化炭素(CO2)削減が可能となり、地球温暖化防止への貢献にも繋がります。
地球に優しい低炭素社会の実現に、太陽光発電は不可欠な存在です。
メーカーによってパネルや発電効率など異なりますので、設置条件も考慮してしっかりと検討されることをおすすめします。太陽光発電に関するご相談がありましたら、ぜひエコ突撃隊までご連絡ください。
太陽光発電の設置費用の目安は100万円〜250万円と高額なため、やはり価格が一番のデメリットとなります。また、設置場所の条件や選んだ太陽光電池パネルの性能によっては思ったほどの発電量が得られず、初期費用をなかなか回収できない可能性もあります。
ただし、補助金などをうまく活用しながら購入すれば価格を抑えることができます。
補助金に関する詳細については各自治体によって異なるため、下記をご確認ください。
ソーラーパネルは一年中屋根の上にあって雨や風を受けるので、定期的にメンテナンスを行わなければ、発電効率が落ち寿命が短くなってしまうため、定期的な点検が不可欠なのです。
発電設備は自身で機器の点検・メンテナンスをすることは難しいため、プロの業者に依頼する必要があります。
一般的に、太陽光発電のメーカー保証は15年ほどになります。
なお、住宅用に加入している火災保険や損害保険で、太陽光発電機器の修理費用をカバーできる可能性もありますので、購入前にチェックしておきましょう。
太陽光発電で大きな発電量を得るには、太陽光パネルに十分な日光をあてることが必要です。そのため、天気が悪い日が続くと発電量が少なくなります。
太陽光発電効率は晴れの日と比較して、曇りの日で40~60%、雨の日には5~20%になってしまうと言われており、梅雨の時期などは大幅に減少することが考えられます。
ただし、ソーラーパネルに取り付けるモジュールの中には、日照時間が短くても発電量が減少しにくいタイプもあるため、太陽光発電を選ぶ時には一年を通した年間発電量の大きさで選ぶことが大切になってきます。
ソーラーパネルの重量は、だいたい1㎡あたり12~16kg程度です。
一般的なご家庭の屋根に設置されている太陽光発電システムの平均は、4kwの容量のシステムで、パネルの総重量は240~470kgになります。
これだけの重さのものを屋根に設置することになりますので、設置の際には屋根や家全体に影響が出ないかどうかを確認しなければなりません。
家の状態によっては、補強工事が必要になります。
設置を検討する際には、専門の業者と相談して慎重に検討することをおすすめします。
屋根の形状や建物の向きによっては、設置容量や発電効率という点で設置に向いていないケースもあります。
その他にも塩害や積雪など、地域特有の環境も考慮する必要があります。
また、太陽の光の量に稼働量の多くを依存する太陽光発電は、地域によって発電量に差があることも大切なポイントになります。
しかしたとえ年間発電量があまり伸びない地域であっても、家単位で太陽光発電に適した環境があれば、十分に採算を合わせることができます。
太陽光発電のように再生可能エネルギーの発電設備で作った電力は、FIT(固定価格買取制度)によって、一般的な市場価格よりも高い一定価格で10年間電力会社に買い取ってもらえることが保証されています。
区分 | 2021年度の価格 | 売電期間 |
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10kW未満 | 19円/kWh | 10年間 |
10kW以上50kW未満 | 12円/kWh | 20年間 |
50kW以上250kW未満 | 11円/kWh | 20年間 |
参考:2021年度以降の価格表(経済産業省資源エネルギー庁)
10kW未満と10kW以上では売電の仕組みが違います。
10kW未満は、「余剰買取制度」で売電し、10kW以上は、2019年以前は「余剰買取制度」か「全量買取制度」を選択できましたが、2020年度は「余剰買取制度」のみとなりました。
太陽光発電の売電単価は年々下落しており、今後も同様の傾向が続くまたは制度が廃止されることも考えられますので、できるだけ早く導入を決めた方がお得になる可能性が高くなります。